Anton Hordiienko 記者による2025-4-30記事「France Tested Its Own Kamikaze USV to Practice Countermeasures」。
仏海軍は、ウクライナの「Magura V5」に寸法がほぼ同じ、無人の爆装特攻艇「Seaquest S」を国内企業に試作させて、それを標的船に対して突っ込ませる実験を済ませた。
標的船は、廃船の元貨物船『Chaland de Transport de Materiel (CTM)』である。
特攻ボートで激突させるつもりであった舷側部位には、古タイヤと金属板で「増加装甲」を施した。というのも、衝突破孔からもし大浸水して標的船が海没してしまうと、貴重なデータを得られなくなってしまうから。
※しかし今回、ボートは狙った部位よりも逸れてしまった模様。
仏海軍は2025-2には、現役のフリゲート艦『クールベ』のすぐ近くで実機雷を轟爆させて、水上艦の電気系統等がどのくらい仕事を中断されてしまうか、影響の具合を確かめている。近未来の本格海戦のための生々しいデータを集めようというプロジェクトが、2021から進められているのである。
仏海軍はまた、陸上の自走高射砲である「Jaguar」を軍艦の最上甲板に鎖で固定して、空と海からスウォームで突っ込んでくる敵のドローンを撃退できないかという試験も済ませた。
ウクライナ戦線では、ほぼ6ヵ月ごとに、新しい技術進化が繰り返されている。他国もできるだけリアルな実験を繰り返しておかないと、最先端の知見から、遥かに取り残されてしまう。
韓国海軍は、空母建造計画をとりやめ、有人の旗艦が多数の無人艇を引率する「ドローン艦隊」を構築する方向へ針路を変えた。
台湾軍も、USVの戦力化を急いでいる。

世界の終末に読む軍事学