「ミッドナイト・ハンマー」という作戦名は、対支牽制を強く意識して付けられている。

 中共軍が、米軍、なかんずく米空母機動艦隊をシナ本土の近海から遠ざけるための特別な兵器システム――ASAT、EMP、対艦弾道弾などなど――を「assassin’s mace」だと呼んでいるらしいことを、米軍は2011年までに掴んでいて、その認識を共有した上で「B-21」(シナ本土奥地まで往復できる)の開発は企画されている。

 「assassin’s mace」とは、張良が始皇帝の馬車に投げつけたと『史記』に書いてある「鐵椎」のイメージだろう。2011年当時の米軍内分析者はそこはわかっていないようだったが、今の米軍は、そのイメージを逆に使って脅かしておこう、と思いつけるまでに、勉強が進んだ模様。

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 Robert Peters & Shawn Barnes 記者による2025-6-21記事「We Need to Double the Production Rate of the B-21」。
  米空軍は「B-21」の製造ペースを厳秘としているものの、年産10機がメーカー(ノースロップグラマン社の加州パームデール工場)の能力上限であることはだいたい判明している。すなわち、ざっと考えて2035年時点でも100機は揃っていないだろう。

 記者いわく。すぐに第二の工場を建設し、整備ペースを2倍にするべきだ。工場新設コストは8億ドルかかるだろうが、それで近未来の対支抑止に役立つから。

 かつて「B-2」が187機整備する計画としてスタートしていながら、じっさいの総調達数は21機に削減されてしまった。このパターンを辿らせてはならない。

 最近、戦略コマンドのトニー・コットン司令官(空軍)が、米国には145機以上のB-21がなくては対支戦争はできないと証言している。

 〔豪州のような〕同盟国も、B-21を対支戦争用に必要だと感じている。第二工場ができれば、B-21を輸出できるのだ。

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 Jack Buckby 記者による2025-6-22記事「Military Hardware: Tanks, Bombers, Submarines and More」。
  MOPは、高度7.5マイル=13890mからリリースされ、自由落下して、地面にめりこんだ。内包炸薬量は2.4トン。それが地中で爆発した。

 ※「B-2」の前駆を務めたのは、やはり「F-35A」だろうね。シチュエーション・アウェアネスに於いては卓絶しているから。おそらくこの事実は後で公表され、「F-35不買」に傾いている諸国に、再考を促す宣伝材料とする気だろう。

 ※米海軍は、対支戦争ではじぶんたちが主役になるのだという自負から、過去15年、将来向けの新戦略を鋭意、構築していた。しかるにこのたびの「B-2」の無傷の本土帰還のおかげで、彼らは大ダメージを心理的に負わされたと思う。もちろん潜水艦からトマホークは発射しているけれども、それはセントコムの Michael Kurilla 司令官(対イラン必戦派としてイスラエルから嘱目されていた。この7月に任期は切れる予定だった。米陸軍の大将)による、バランス担保の大人のはからいにすぎない。今回は、海軍抜きでも作戦は成立したと外野は容易に想像できてしまうのだ。巨大空母『フォード』の艦上機でも「MOP」は投弾できぬ。海軍は、まったく空軍に将来戦の主役を攫われた。ただしイランはこれから簡単に降伏せぬから、米海軍にはまだ勢力挽回のチャンスがある。予想しよう。「無制限潜水艦戦」の復活だ。イランの主たる外貨稼ぎ手段であるゴースト・タンカーをすべて沈めてしまえば、イランは音を上げる。そんな乱暴な流儀を復活させられるのは、疑いもなく、トランプ政権のあいだだけだ。ただし、さすがに無警告で民間船員を殺しては、戦争に関する人道法上、いかがなものかと指弾されるので、独航船に対しては、雷撃の10分前に「総員退去」を明瞭に促す。それは無人機/無人艇を使えば、今日、雑作もなく可能なのである。音声と電光掲示、バナーなどで警告を与えたり、雷撃直後には救命筏も撒いてやれるだろう。海面の油除染にかかる費用は、休戦媾和後にイランが払え、とトランプが演説するだけ。米国は1銭も払わない。米軍が無制限潜水艦戦のニューバージョンを確立したなら、それはそっくり、対支の脅しに使える。中共には、対抗は不能である。海警船や軍艦に護衛されていたり、対潜コンボイを組んでいる商船には、30秒前の通告でも十分だ。それらは海軍の指揮下にあると看做すことができ、海軍将校が指揮命令しているのならば、戦時の慣行上、それは軍艦と同列に扱われる。

 ※トランプはこれまで、パイプ・ドリームの「ノーベル平和賞」に理性が狂ってプーチンに大遠慮をしていたが、対イラン戦争への参戦により、その可能性はもはやゼロになったと達観した以上は、ロシアに対しても冷たくなって行くだろう。ロシアのゴースト・フリートもまた、米海軍の無制限潜水艦戦には対抗不能である。

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 『星条旗新聞』の2025-6-21記事。
  米移民局ICEは、今月12日に、ハワイの海兵隊基地に正門から入ろうとしたロシア国籍の女を逮捕した。特に武器などは所持していなかった。

 ※こんな記事に注目するわけは、6月20日にあわら市芦原温泉駅の階段の下から2段目を降りていた、十代男子の背中を突き飛ばしたロシア国籍の女が逮捕されたケースと、絶妙に類似するから。FSBやGRUの工作指令チェーンから「テロ闘争しなさい」と命じられた在外ロシア人は、居住国に恨みがあるわけではないので、悩んでしまう。板挟みの挙句に、報道してもらえると同時に、本人は確実に《微罪不起訴》で済まされるにちがいない奇異な行為を敢えて実行することが、あるかもしれないのだ。

 ※別報道によると、CPB=米国境警備局は22日に、既に米本土内に潜伏済みのイラン系スリーパーセルに気をつけろという回状を発している。