じつはブッシュ(子)の2003-3のイラク占領作戦は、無駄ではなかった。

 この作戦の直後の8月末にイランは秘密会議を開き、核武装プランの日程を再調整して先延ばしすることに決めている。その経緯は2018にモサドがイラン国内の特殊作戦によって奪取したおびただしい機密文書の束を翻訳したことであばかれた。

 要するにブッシュのイラク占領がなされていなかったならば、イランは悠々と20年前に核武装してしまったかもしれなかった。

 米軍が行動するということは、それがいかに未熟な指導部の判断に基づいていたとしても、何かを解決することがあるのである。トランプはブッシュにごめんなさいと言うべきだろう。

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 Rinzen Widjaja 記者による2025-6-29記事「Protecting small-town America: Why high-speed rail is the wrong track for the US」。
    中共には高速鉄道網が発達している。米国はそうではない。これを比較して、米国は中共に負けていると指摘する論者は多い。

 たとえば上海リニア鉄道(The Shanghai Maglev=magnetic levitation)は、時速268マイル。印象的だが、それと米国の何を比較しようというのか? それはリンゴとミカンを比較するに等しいのである。

 高速鉄道網を北米大陸にめぐらすとなると、連邦が巨億の公共投資をせにゃならぬ。いま建設中の、加州高速鉄道は、初期見積りでは330億ドルかかるだろうと計算されたものだが、今日、それは見直され、1130億ドルに膨らむのは不可避だ。有限の連邦予算が、それだけ、他の分野には使えないことになってしまう。

 米国人は自動車で長距離を旅する。それが、ロードサイドの小さな町の商売を成り立たせてきた。鉄道網はその既存エコシステムを亡ぼす。

 中国の実験でも「サイホン現象」が確認されている。高速鉄道網が発達すればするほど、田舎の町村には誰も用がなくなり、もとからある大都市だけがますます投資機会・就労機会を吸引する。地方は干からびる一方になって、衰微する。

 アイゼンハワーは偉大だった。彼は「インターステイト」道路網を整備させた。その全米道路網は、大都市だけでなく、すべての田舎住民に恩恵をもたらした。すべてのアメリカ人が、自家用車で全米のどこへでも旅行できるようになった。中国では、政府に盾つく者は、汽車の切符も買えない。鉄道は、中央集権の支配に役立っているのである。

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 AFPの2025-6-30記事「Sweden to restrict use of semi-automatic weapons for hunters」。
  スウェーデン政府は月曜に禁止方針を公表した。「AR-15」型の半自動小銃を、猟銃として所持することについて。

 ことしスウェーデンでは、AR-15を使った10人射殺事件が起きている。犯人は35歳で、自決。これがきっかけになっている。

 政府は2023に、猟銃としてのAR-15に基本的なライセンスを与えていたのだが、これは撤回する。
 ただし、スポーツ射撃、射的競技にAR-15を使うことは、ひきつづいて、今後もお構いなし。この場合、銃オーナーはローカルのれっきとした「射撃クラブ」の正規メンバーであることが、許可証(2年間有効)取得の前提要件だ。そのオーナーは、そのAR-15を転売する自由もある。

 政府は国民の火器所持の制約を緩めることも考えている。現状、1人が4梃までの火器を私有できる。これを8丁までに拡大する。
 自宅保管場所についての規制も緩められるという。

 ※いうまでもなくスウェーデン当局は、近々、露軍が侵攻してきたときの国民総武装の必要を予期しているのである。猟銃と射的銃は、それを自家用車に積んで自宅外へ持ち出すときの動線規制に雲泥の相違がある。猟銃は一層自由であるため、警察がとりしまりにくく、乱射テロに使われやすい。だから、猟用小銃だけが、規制される。