Defense Express の2025-7-27記事「Ukraine to Receive 10 Times More Skynode S Drone Kits: What They Are and Why It’s Great News」。
独米資本の「Auterion」社は、ワンチップに詰め込んだ、ユニバーサルな「マシン・ビジョン」を、大量にウクライナへ納品する。
すでに少量の供給はされてきたのだが、その量をいちじるしく増やす。部品はウクライナ国内で組み立てられるFPVドローンにとりつけられる。
これは、米国政府が買い上げるスキームにより実現する。ペンタゴンはこのメーカーと5000万ドルの契約を結んだ。2025年末までにウクライナは3万3000個のAIチップを受け取るだろう。
『フィナンシャルタイムズ』紙報によれば、すでに2024-6から「Skynode S」という、無人機用の汎用の computer vision system が、西側からの軍事援助の一環として、贈られてはいた。ただしその総量は3000個くらいだったと。
このチップは、どのドローンにもとりつけられる。とりつけると、ヒット率90%の自律特攻機に化けてくれる。無人機が勝手に攻撃目標を探してくれるのだ。
標的を見極められる距離は、最大で1000mだという。
いま、このチップに期待されている用途は、対地攻撃ではない。「シャヘド136」をマシンが空中にて光学的に探知し、そこへ向かって衝突させてやりたいのだ。都市防空用途だ。
次。
「globsec.org」の2024-12-1記事「The Missing Link: Railway Infrastructure of the Baltic States and its Defence-related Implications」。
ロシア発の次のハイブリッド侵略は、リトアニアを足がかりにできる。
飛び地領土のカリーニングラードまで、ロシア本土から、ソ連標準軌1520mmの鉄道が直通している。それはリトアニア領をトランジットする。
ロシアからカリーニングラード行きの列車の「乗客」になりすましてやってきた露軍の偽装兵士たちは、途中のリトアニア領内にて、勝手に降車してしまうことができるのだ。しかも、持参の「乗用車」と一緒に。
ウクライナの穀物は、リトアニアのクライペダ港を通じて世界市場に出荷されている。しかし、鉄道ゲージの相違のため、ポーランド国境、リトアニア国境で、2回も、貨車と機関車ぜんぶを取り換える必要がある。
このことは、次の対露戦争が勃発したときに、もしクライペダに軍需物資を搬入しても、簡単には他のNATO諸国へ届けられないことをも意味する。現状は、NATOにとっての不利しかない。