Ivan Khomenko 記者による2025-7-29記事「How Russia Launches Its Deadliest Drones?And Where They’re Hiding」。
露軍がおびただしい数の「シャヘド」片道特攻機を発進させている拠点が絞り込まれた。
7月28日の時点で、露領内に3箇所、クリミア半島に1箇所ある。
最大の基地は、ウクライナ国境から175kmに位地する、オリョール地方の村。NATOは「アラブガ・ドローンポート」と呼ぶ。
村には固定式発射台が8基。加えて、トラックが疾走することで初期浮力を与えてやる発射方式のための2.8kmの直線道路がある。
この村からは同時に14機の片道特攻機を発進させ得、短時間で100機以上を送り出せる。
村にはもともと地対地弾道弾の地下壕があった。それらを含めた15箇所の地下貯蔵所には、3000機くらいの片道特攻機が楽に収蔵できよう。
別な、クラスノダールの海岸にある航空基地にも、長距離無人機用の区画が整備されている。
この基地からは、滑走路を使う発進がなされる。同時に10機くらいのキャパ。25機で1波として、送り出している。
もともと航空基地ゆえ、S-400の高射ミサイル大隊が布陣して守っている。
「シャヘド136」のロシア内製バージョンは「Geran-2」と称する。その最大の工場はタタルスタン州アラブガ経済特区内にある。同地の工科大学では学徒が勤労動員されていて、数十の組立ラインに配属されている。
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Jakub Jajcay 記者による2025-7-10記事「I’d Rather Have a Mortar Than a Drone」。
※記者は元スロバキア軍将校で、ウクライナ軍に加わっていたこともある、気鋭の学究。
ウクライナ戦争でドローンが主役に昇りつめたきっかけは、野砲と迫撃砲の弾薬が不足していたから。
もし、迫撃砲とFPVドローンの両方が使えるのならば、皆、迫撃砲を選ぶ。なぜなら夜間や悪天候時に問題なく役に立ち、ECMに苦しまないから。
FPVドローンは安価量産の必要があるので高額な暗視カメラを搭載しないものがほとんど。したがって夜には使えぬ。
今、前線の歩兵部隊が味方にドローンによる攻撃をリクエストすると、そのFPVドローンが目標に着弾するまで30分は優にかかる。迫撃砲なら5分で準備して、6分後には敵をCEPに捕捉している。
宣伝印象に騙されるな。FPVドローンが、走行している敵車両にぶつかっている動画。あれは極く稀な例外事象であって、10機のうち1機も、あのような戦果を挙げることはない。
ドローンは、低空に下がると、ECMの電界強度に負けて、無線のデジタル・リンクは切れてしまう。有線ドローンは、高速で90度以上のターンができない。
82ミリの迫撃砲弾は、1発100ドルである。
FPVドローンは、いくら安いものでも1機が500ドルする。暗視カメラをとりつけたり、光ファイバー制御にすると、その単価は2倍になる。
殊に夜間戦闘の場合、迫撃砲は、ドローンの9分の1のコストで、要求を達してくれるだろう。
今のFPVドローンは、部品がほぼすべて中国製である。迫撃砲はそうではない。
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Ellen Ioanes 記者による2025-7-28記事「Donald Trump Jr.’s Drone Ventures Could Make a Killing」。
親父が大統領になると決まった2024-11に、トランプ・ジュニアは、兵器系スタートアップに投資するベンチャー・キャピタルに迎え入れられている。そして早速、ドローン分野のスタートアップ「Unusual Machines」社の重役に就任した。
ジュニアは直前に同社の株式を331580株手にしていた。そして就任の直後、その株価は倍増した。
親父のトランプは、こんどの巨額政府予算のうち14億ドルを、米国内でFPVドローンを完全国産する民間量産工場の建設支援のために突っ込むと規定している。
連邦法では、大統領の家族には、財務開示の義務がない。となると、こういうグレーなビジネスは、やった者勝ちということになるのだ。
たとえばジュニアが、この会社の利益を図るために親父に直接にロビー工作したとしよう。今の法令では、それについて誰も、何らの公表の義務も負わない。
「Unusual Machines」社は、2部門から成っている。
ひとつは「Fat Shark」で、FPV操縦用のゴーグルを製造している。
もうひとつは「Rotor Riot」で、これはクォッドコプターの部品を通販する部門だ。
※このような名称からは「三流臭」しかして来ない。
また同社のピッチデッキ(投資家向けのプレゼン用壁新聞)を見ると、同社は豪州にあるドローン用モーター・メーカーの「Rotor Lab」社を買収にかかっている。
買収するだけでなく、その製造ラインを米本土内へ移転させる気らしい。
すなわちフロリダ州オーランドに1万7000平方フィートの工場を建設し、海外製(=中共製)のドローン・パーツにかかってしまう高関税を回避できるようにするという。
いま米連邦議会は、FY2026の国防予算法案(NDAA)の審議にかかっているところ。そのNDAAは、米国内の小規模工場に小型ドローンの部品を大量製造させようという話がひとつのテーマになっている。ヘグセス長官は7-10の覚書で、ペンタゴンがそういう工場に大々的に投資するぞ、と表明している。そして「Unusual Machines」は9月からドローン部品の国内での量産を大拡充する計画を公表している。
オーランド工場では、FPVドローンが大量生産されることになると見ていいだろう。それを国防総省がすべて買い上げるのだ。その部品のほとんどを、米国内で製造するための準備が着々と進んでいるのだ。
ジュニアが関係する投資会社は、「Anduril」や、航空用AIメーカーの「Hadrian」「Firehawk」にも投資しているようだ。
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デビッド・キリチェンコ記者による2025-7-16記事。
ロシア軍は、ウクライナ軍の衛生部隊や野戦病院を、たんじゅんに「フォース・マルチプライヤー」だと看做していて、むしろ他の部隊よりも高い優先順位を与えて積極的に砲爆撃して来る。ジュネーブ条約など彼らの眼中には無いことは勿論だ。
このためいまやウクライナ軍は、「赤十字」マークなど、それが医療機関であることを示す標識を、取り除かねばならなくなった。
たとえばマーク付きの救急車には、出動から15分以内に、露軍のFPVドローンが命中するという。
※負傷兵を後送するためのUGVが難地形に阻止されてしまう状況は、生地ではとうぜんに考えられる。この問題を解決するためには、ジャイロ制御で「自立」を続けられる「前後2輪」型の無人輸送機械が発明されねばならない。たとえばオランダには「ママチャリ」は無い。前方をカーゴにした「逆3輪」自転車が売られていて、三つ子でもその前方カーゴ内に楽々と座らせることができ、足漕ぎだけでどこでも走れるし、どこにでも駐輪できるような環境だからだ。しかし日本では、子ども2人をいちどに運搬しようとすれば、「前後2輪」の自転車型にするしかない。日本の地形は甘くないからだ。すなわち「タンデム2輪」でなければ、「全地形踏破」もできるわけがないと思うべし。これは負傷兵輸送ロボットにもあてはまるだろう。なおもうひとつの注意点。負傷兵の頭部は、あくまで胸部~下半身と同じ低い位置に保ったまま運搬できるようにしないと、生存率が下がってしまう。「座らせる」スタイルや、ハンモック式、介護ベッド式では、まずいのだ。
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Alexander Palmer and Sofiia Syzonenko 記者による2025-7-28記事「The Road to Kyiv Must Not Run Through Washington」。
プー之介は、ウクライナ軍や欧州NATO諸国に戦場で勝つ必要は無いと考えている。アメリカ合衆国に援助の手を引かせることができれば、それで自動的に勝利が転がり込むと信じ込んでいる。もちろん短期の話ではなく、長期の話。
このプー之介の妄信(陸軍大学校の戦略学のレベルでは「勝利の理論」とこれを称する)をまず崩してやらぬことには、西側が何をしようが、侵略戦争は止まらない。
プー之介の脳内にある「勝利の理論」とは、西側の対宇支援は有限で、じきに尽きる、というもの。支援者の中軸は米国である。だからトランプが支援を絞るとか止めるとか口走れば、それがプー之介の妄念を補強し、いよいよ戦争は永続化するのである。
このほどトランプは対宇支援を復活させ、対露制裁も考えているとほのめかした。だが、それが「一貫し永続する行動」として示されていない以上、プー之介の妄念は揺るがず、彼の脳内の「勝利の理論」は崩壊しない。つまり、行動が一貫するという信用が皆無のトランプなどが米国大統領であるうちは、ウクライナ戦争は永続化するしかないのである。
※この戦争は「新・三十年戦争」になるしかないんだ、という話を私は『宗教問題』のインタビューで語った。暇な人は読んでみてくれ。日本は、そうなることを前提にして、いかにして長期的に持続的にロシアを衰弱させるかを考えるのが「安全・安価・有利」であり、しかもまた、現代倫理三原則(『日支宗教戦争』で私が提言した規範/指針)に沿う。

宗教問題50:インバウンドVS宗教 (季刊 宗教問題)