昨日も書いたが、もはやAAM発射母機の性能はどうでもよくて、AWACSから適時にデータ・リンク情報が貰えるかどうかだけが肝腎。貰えるなら、長射程AAMを、言われた方角へ、遠間から発射するだけ。あとは、敵機がステルスだろうと関係なく、AAMが仕事をしてくれる。
「本当かな?」と疑って実験してみたら、「本当だった…」と確かめられたわけか。それにしても、訓練弾頭付の超音速ミサイルを、演習で実機に向けて放つとか、何考えてんだ?
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Vlad Litnarovych 記者による2025-8-4記事「Russian Zala Lancet Drone Evolved Again With Upgraded Warhead」。
ランセットの弾頭が新顔に変わったという。
1952年以降に登場している、ソ連時代の対戦車地雷の「PTM-3」(ケース込みで4.9kg)を搭載するようになった。
※このPTM-3についてウィキで調べてみたら、じつに興味深い製品だった。全体は「四角柱」(330×84×84ミリ)の形状なのだが、その長軸に沿って「U字溝」式に緩いアールのシェイプト・チャージ面が四筋、彫られている。この「四角柱」をかりに、敵AFVの車体上面へ投げ上げてやれば、必ず一面は、天板にぴたりとへばりつく形になるから、轟爆したさいに、「線状」のヒビを生じさせてやれると期待できる寸法だ。さらに、もひとつおまけに、木端口の一面も、碗状に埋没成形されている。したがって、長軸の延長方向へもシェイプトチャージの破壊エネルギーが飛ぶようになっている。その反対側の木端口は信管。信管は、「BT-06」という電池式の磁気感応型。基本的に、工兵が埋設する地雷ではない(おそらく安全装置の関係で、埋設運用しようとしても、できない)。かならず、空からヘリで撒いたり、多連装ロケット弾の弾頭に詰めて散布する必要のある地雷システムだ。それで、どのように地表に転がっていても、敵車両がやってきて感応炸裂すれば、鉛直方向にも、水平方向にも、鋭い破壊力が及ぶように考えてある。炸薬はRDXとTNTが6対4で混ぜられている。充填量1.8kg。散布してから16時間から24時間で(おそらく電池切れにより)正常に機能しなくなるというが、それで危険がなくなるわけではないので、処理するためには、200~400グラムの爆薬を脇に添えて、殉爆させる。なおちなみに、2ポンドの爆薬で鉄道レールの継ぎ目を下から発破すれば、一度に2本の端部を上側へねじまげてやれるとされている。
これまでランセットの弾頭は KZ-6 だったが、それを更新する。
KZ-6 の中には炸薬は1.5kg入っていた。弾頭ケース込みでは3kg。
現在の「PTM-3」には「TG-40」という爆薬を使っていて、最良の場合、装甲厚200ミリまで割ることができる。KZ-6だと80ミリ穿貫が限界だった。
ランセットは、カタパルト発進点から40km~50km前方の敵を攻撃できる。Oryxによると、1つのLancetドローンのコストは約35000ドルである。
※「モルニヤ」の墜落機を回収しようとしてウクライナ兵が近づいたら轟爆したというケースが複数あり、宇軍は、弾頭不発の墜落機には近づくなと布告している。おそらく露軍は、磁気感応信管の電源を無人機のバッテリーと直結することで「半永久」化し、途中で墜落したFPVドローンも、そのまま「地雷」に化して、永く敵を苦しめ続けることを念じているのだろう。車両ほどではないが、人間も動けば付近の磁界を攪乱するので、スタスタと近寄ったりしたら、磁気信管を作動させるのだと思われる。「モーション・センサー」だね。