Ted Snider 記者による2025-8-8記事「Why Zelensky Should Fear His Own Former General」。
『Vogue Ukraine』という雑誌があり、そこが7月下旬、ウクライナ軍の元最高司令官であったザルジニーを取り上げた。この記事の計算された演出からの印象。ザルジニーは西側有力国から、次のウクライナの政治リーダーとして期待されているようだ。
ザルジニーは、ウクライナ領内のロシア系住民を包摂できるという未来観を語っている。すでに「戦後ビジョン」があるのだ。
過激なことは言っていない。深慮と謙遜が強調されている。
そして、ゼレンスキーとは異なって、テーラーメイドのスーツを着こなせることが、厭味無くアピールされている。
ザルジニーは1年間、駐ロンドン大使を務めた。
23年末時点で世論調査は、ウクライナ国民のゼレンスキーへの信頼が62%に低下したのに比して、ザルジニーへの信頼は88%と高いことを示した。他の観測では、ゼレンスキーの支持者はもっと少なかった。それでゼレンスキーは24年にライバルをロンドン大使として国外へ追い出したのだ。
世論調査では、国防省情報局のキリロ・ブダノフ長官の人気も高い。ブダノフは最近メディアに対し、これまでゼレンスキーが9度、彼を解雇しようとし、そのつど、在キーウのアメリカ大使館が反対してポストを保たせているのだと語った。
7月18日にセイモア・ハーシュは、トランプはゼレンスキーを米国に亡命させて、あとがまにザルジニーを据えるつもりであり、その実行は数ヵ月以内だと書いている。ソースはワシントンDCの消息筋だと。
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Iulian Ernst 記者による2025-8-8記事「Romania reportedly suspects Russian sabotage in crude oil contamination bound for OMV Petrom refinery」。
ルーマニア政府は捜査を始めた。
「OMV Petrom」(ペトロムは1991創立のルーマニア国営の石油・ガス企業体で、バルカン半島で最大手。2004にル政府は株式を手放し、それをオーストリーのOMV社が買って経営権を握っている)の精油所である「Petrobrazi」のプラントが、内部から破壊されかかった。そこに送られる予定のアゼルバイジャン産の原油の中に塩素が混入されていた。あきらかにロシアの仕業。
原油は「Baku-Tbilisi-Ceyhan パイプライン」を通じて、送られてくる。アゼルバイジャンを発し、ジョージアを経由してトルコへ。そこからルーマニアのコンスタンツァ港へ。この原油が高濃度の塩素で汚染されていることに、BTCパイプライン会社が、ルーチンの品質検査により、気付いた。延長1700kmのどこで塩素が投入されたかは、未だつきとめ得ていない。OMV社は、トルコ領内の貯油タンクまでで、汚染された原油の移送を止められた。
これがそのままルーマニアの石油精製プラントに流し込まれていたら、設備の内部から腐蝕させられてしまうところであった。もちろんルーマニアにとり、精油作業の停止は、ただちに国家規模のエネルギー不足を発生させる。
そこでルーマニア政府のエネルギー省は、8月4日に、原油供給にかかわる非常事態を宣言し、同国内の戦略備蓄分から、数万トンのガソリンならびに軽油を市場へ供給し始めている。
当局は、混入工作は、ロシアの少数の「タンカー」を使ってパイプラインの途中でなされたはずだと見る。新手の「ハイブリッド破壊工作」だ。
じつは、塩素が混入されたバクー原油は、ルーマニア以外の買い手にも、すでに引き取られている。ロイターによればイタリアのENI社は、ひと足遅く、汚染原油を精油プラントへ流し入れてしまった。チェコの「Orlen Unipetrol」社は、ギリギリのタイミングで、アゼル原油の精製作業をストップしたという。
※8-4報道によると、アゼルバイジャンはウクライナ軍に渡すための、122ミリ砲弾と152ミリ砲弾の製造を国内で開始していた。
※今回の破壊工作を逆手に取り、シャドウ・フリートのタンカー船艙を塩素で汚染する作戦も、考えられるわけだね。
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Denis Morokhin 記者による2025-7-4記事「Disused trains, record-low cargo and engine shortages: how the war has impacted Russian Railways」。
2022年のロシアの国内鉄道輸送量は4%減少した。
2023年には、少し持ち直す。肥料の駆け込み輸入を図る外国があったので。肥料はまだ西側の経済制裁の対象外。だから米国もロシアから輸入している。
2024年には、貨物量が再び4%減った。あきらかな景気後退。
2025年の新築住宅建設工事は前年の四分の一になりそう。
2025年の最初の5ヶ月間だけで鉄道輸送量は7%減少している。
ロシア鉄道全体の貨物量の三分の一は輸出用の石炭。特にウラル以東。しかしルーブル高(=公定歩合高)のため、不振。
ロシア鉄道は今、2500人の技師と3000人の運転員が足りず、毎日200本の列車を遊ばせておくしかない。
2025年の1月から4月にかけて、電気機関車生産は13%減。ディーゼル機関車生産は6%減。
2025年3月時点で、30万台の貨車が、稼働されずに滞留している。それは全貨車の五分の一。
ロシア鉄道は、2035年まで毎年、1000台の電気およびディーゼル機関車を購入する必要がある。その新品によって2万台の機関車の半分を更新するのだ。今の価格で、毎年2200億ルーブルを費やす必要があろう。
その必要な現金が、稼げない。赤字路線を逐次に廃止しなくてはならぬ、そんな未来が、これから数年、ロシア鉄道会社には待っている。
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The Maritime Executive の2025-8-4記事「Russian Mediterranean “Flotilla” Sinks to a Single Submarine」。
ジブラルタルの岩の上から、海峡を通航する軍艦を漏らさずに観察して報告している物好きな個人が何名かいる。彼らのオープンソース投稿は世界の海軍を裨益している。
彼らが明らかにした《新現実》。げんざい、地中海には、ロシア海軍は「キロ級」潜水艦『Novorossiksk(B261)』を1隻、配置しているだけだ。軍艦らしいのはそれしかなく、あとは、航洋曳船『Yakov Grebelskiy』とか、情報収集船『Viktor Leonov』のような雑船ばかり。
ちなみにこの航洋曳船は、潜水艦が故障したときに曳航する備えとしてつきっきりで移動するので、この水上船の動静をP-8で追っていれば、おのずと「キロ級」の潜航位置も把握ができるのだそうである。
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Vladislav V.記者による2025-8-8記事「Russian Underwater Drone Could Have Entered Lithuanian Territorial Waters」。
リトアニアの地元新聞によると、8月上旬に、ロシアの無人潜航艇が、リトアニア領海を侵犯した。
リトアニアの巡視船が物体を追いかけまわしている姿が目撃されている。