スパイダーウェブの再演を防ぐため、ロシアでは来年3月から、すべての民間ドローンに常に識別信号を発する義務を課す。

 Eric Schmidt and Greg Grant 記者による2025-8-12記事「The Dawn of Automated Warfare」。
  記者たちは、2022-9に初めてウクライナを取材し、2023夏にはウクライナの一旅団内のドローン部隊指揮官に取材した。
 その2023夏の時点で、露軍も宇軍も、トワイライトゾーンでしか動かなくなった。日中には安価な昼光カメラ搭載ドローンが、夜間には暗視カメラ搭載ドローンが有効だが、黎明と薄暮にはそのどちらのセンサーも調子が出ないので、敵ドローンが不活発化するため。

 動けば、殺られる。そんな戦場になっている。

 いま、宇軍には、3000人のドローン担当将兵がおり、24時間、750マイルの前線を見張っている。偵察と監視の主力器材は、DJIの Mavicである。
 1個旅団は、常時、同時に60の偵察ドローンからの画像をモニターし続けている。

 みつかれば、殺られる。だから露軍の砲兵はいまでは、きわめてひろく散開し、1門ずつ、半地下に埋められ、夜間しか砲撃しない。
 複数の火砲を狭い陣地にまとめて布置させる時代はもう終わった。それは自殺行為なのだ。

 1個旅団内のドローン担当兵は、当初の400人が1000名に拡大。さらに増える趨勢。
 1個旅団は、消耗するMavicの補充のために月々、200万ドルを使う。
 SharkやLelekaなどの長時間滞空用の固定翼偵察ドローンには月々、50万ドル。

 何千万円もするカメラは搭載できないので、どうしても高度を下げて偵察する必要がある。だから、前線を越えるとAAの脅威にさらされる。そのようにして8割は撃墜されてしまうのだ。

 敵のMavicの無線オペレーターを殺せ。そうすると敵の活動は3日間、停止してしまう。

 防禦陣地の前には、従来の築城の他に、数百の無人機チームが合力して、幅6~7マイルの防衛帯が構成されている。

 光ファイバー・ケーブル操縦ドローンの何が強みなのかというと、こちらがいくら電波源探知をしようとしてもその操縦手からは電波が出ていないので、オペレーターを殺すことができない。

 また道路脇などの狭い場所で自爆ドローンをずっと待ち伏せさせ、不意に敵車両を急襲する用途にも、有線式が最適。無線だと、低い茂みの中まで電波が届かなくなるので。

 ランセットは6万5000ドル。「Switchblade 600」は、15万ドル。それらは、ロシアのモルニヤや、ウクライナのダートなどの固定翼の攻撃ドローンに取って代わられつつある。

 モルニヤは安いので、1ターゲットに15機を発射してくることも。ランセットでは、それは無理。

 FPVドローンの消費量は、ウクライナの旅団の場合、毎月、5000機以上。攻撃成功率は10%未満である。

 ユーザーは、大型のマルチコプター・ドローンから爆弾を投下するミッションを好む。生存率と、攻撃成功率が高いので。

 ウクライナ製の「ヴァンパイア」ヘキサコプターは、さいきん、対戦車地雷を投下するミッションが増えた。

 露軍が攻撃するとき、車両ルートは絞り込める。そこに、敵が通る直前に地雷を撒くのだ。
 ウクライナのある旅団は、ここ数ヵ月の敵車両の損害の半分は、ドローンが落とした地雷によるものだと主張している。

 ※露軍は対抗して、固定翼の「シャヘド」から磁気信管付きの棒地雷を散布しつつあるという。専用キャニスターを吊架。

 ドローンからの爆撃は、敵歩兵を身動きできなくする「砲撃」代わりとしても有効だと実証されつつあり。
 砲弾の足りない宇軍には、これは朗報。それならなんとか工面できるので。

 2024にウクライナは200万機のドローンを生産した。2025年は12月末までに400万以上になるだろう。
 2024にロシアは月に300機のShahedを製造した。現在、月産は5000機。

 次。
 Mike Jernigan 記者による2025-8-11記事「America’s Drone Crisis: ‘Made in America’ Is Nearly Impossible」。
  米海兵隊がちかごろ、アラスカで国産ドローンをいろいろ使ったテスト演習をしてみた結果、小型分野に関してはどうしようもないという現状が浮き彫りに。
 海兵隊のシステムコマンド(調達を一手に監理)が承認しているごく少数のアメリカ製モデルでは、パフォーマンスが低すぎて、こんなもので中国と戦争どころではないと理解できた。

 ドローン戦争は「量」の戦争である。ガレージ内の手作業の旋盤加工では話にならず、「金型」からスタンプのように大量にできてくるベルトコンベア式のマスプロ製造ラインが必要。
 然るに、この「金型」を中心とした米国内の昔風の製造業は、すでに「絶滅」していたのである。

 ただし 国防総省(DoD) は、有益な新指針を打ち出している。

 まず、ドローンを消耗品と見なす。つまり、機関銃ではなく、機関銃のタマであると看做す。こうすることで、部隊であらたにテストするときの購入の承認手順が簡略化される。

 購入の承認権限を、大佐(О-6)レベルに与える。話が迅速化する。

 中共のDJIは、年間数百万台のドローンを製造中である。この量産力と競うことが課題。

 国防総省が米軍用に認めたドローンメーカーと品番の「ブルーリスト」は、たった14社、20モデル。そり中に、先のアラスカで非常に悪いパフォーマンスを示した型番が混じる。

 ※たとえば日産が工場を畳む町の、町工場まるごとを、ドローン量産基盤として国が丸抱えするくらいの態勢が、わが国でも必要。「注文の端境期」を未来のいかなる時節にも生じさせませんという国の確約があれば、それはできる。特例法体制の整備が必要。