Patricia Marins 記者による2025-8-15「X」投稿記事「The last conflicts teaches a lot to Japan and Taiwan」。
イスラエルは少し前までは1300発前後の対弾道弾迎撃ミサイル「Arrow」や「David Sling」をストックしていた。それは数日にして射ち尽くされてしまった。
これに米軍が150発の THAAD で加勢した。米イージス艦から発射された「SM3/6」の数は公表されていない。
ウクライナも2022初頭には4500発のSAMを揃えていたはずだが、1年でほぼ尽きた。
いま、台湾にはペトリが50セットあり、その弾薬数は1200発だろう。
日本にはペトリの高射大隊は24個ある。タマ数は秘密だが、台湾の半分以下だろう。
ペトリよりも射程の短い国産のSAMは、両国ともに持っている。
イスラエルがイランを空襲したとき、700発弱のミサイルを撃ち込んだようだ。中共が発射できるミサイルの数は、そんなレベルじゃあるまい。
台湾も日本も、開戦から3週間でSAMが尽きるだろう。
記者は、中共のミサイル・ストックを試算した。弾道弾と巡航ミサイルとをあわせると、3万発になろう。
DF-11, DF-15, DF-16 だけでも、ラーンチャーが500基、ミサイルは2500発だろう。
大口径の多連装ロケット砲PHL-16も加算すると、2000発はプラスされる。射程が数百kmもあるのだ。
ウクライナはイスカンデル弾道弾を4.5%しか迎撃できなかったことが、判明している。
ペトリの米国内でのミサイル生産ペースは、年に600発くらいである。日本は年産30発。
けっきょく、ABMによる安全などありえないのであり、報復手段による抑止を図るしかないのだ。数千機の長距離自爆ドローンをストックし且つ大量生産し続けることが、責任ある安全保障政策である。
次。
『Ukrainska Pravda』の Bohdan Miroshnychenko 記者による2025-8-6記事。
2022まで砲兵は、双眼鏡とレーザー測距計をもつFOを頼って砲戦してきたが、今日、すべてはドローン依存となった。偵察ドローンが目標を見極め、ターゲットの発見から発砲までほんの数分。そして戦果確認はリアルタイムでできてしまう。
劇的な近代技術が「Kropyva(Nettle)」という砲兵指揮用のソフトウェア。多種多様な弾薬の射表が自動参照される。
FPVドローンはせいぜい3kgの爆薬しか抱えていないが、155ミリ砲弾には炸薬が8kgも入っており、これは金網で防ぐことはできない。
30センチ厚のコンクリートも、野砲弾は易々と貫徹する。弾底信管をつけた徹甲弾もある。
1門の自走砲には22種類もの潤滑油が使用されている。
「Panzerhaubitze 2000」の車内で敵の砲撃の至近弾をくらったことがあり、乗員は全員気絶したが、命に別条はなかったという。
「Panzerhaubitze 2000」はイタリアからも援助された。この場合、乗員のヘルメットの通信機はイタリア製でなくてはいけない。ドイツ製と車内通信器材が互換ではないのだ。
M777は牽引砲だが、高圧の油圧ホースが、1機のランセットの破片で、穴だらけになってしまう。そうなると、操砲ができない。
修理部隊を近くに置いておくことが、死活的に重要だ。
自走砲は、壕を掘るのが手間であるばかりでなく、そのエンジンの熱や、発生させる土埃が、敵のドローンの目についてしまう。だから、今では、牽引砲がいちばんいいのである。
М777の木製ダミーの製作コストは、1門あたり407~598ドル相当。すでに100個以上を、前線に届けた。漁網でカモフラして「砲身」のみ突き出すようにしておくと、敵のドローンからはその真贋を見極めようがない。
こいつにランセットが突っ込んでも炸薬は3kgなので、ダクトテープで元通りの「大砲」の姿に修復してやることができる。
われわれが「Tolik」と名付けている伝説級のダミーМ777は、繰り返して16機のランセットをひきつけることに成功している。
ソ連時代の「Giatsint-B」榴弾砲は、レンジが30kmあり、ばりばりの現役だ。役に立つ。
古い203ミリの「Pion」自走砲のために米国から供給されている203ミリ砲弾(これだけは米ソの規格が互換)はキーウ外縁の防衛で著効を示している。十五榴のタマは40kgだが、8インチ砲弾は110kgもあるのだ。ただし砲身はもう寿命に近づいており、もはやどの国でもその砲身は製造していない。
現代の砲兵戦で最も重要なマテリアルは、ダミー砲だ。これ1個に敵のFPVドローンを1機ひきつけることができたなら、そのぶん、こちらの本物の大砲は、破壊を免れることになるのだから。
その次に、修理部隊。宇軍は、コンテナの中に工作機械一式を収めた「工作車両チーム」でプロの修理部隊を巡回させている。あらゆるサイズのタイヤの修理交換ができる。また、コンテナ内部には、プラズマ溶断機なども用意されていて、必要な部品を何でも前線でこしらえてしまう。
ウクライナ国産の「Bohdana」155ミリ榴弾砲には、ホイール自走式(シャシはタトラ)と被牽引式がある。今日では、むしろ牽引型が、ユーザー砲兵から好まれている。
いまはまだ数的な主力になっていないが、今のペースで国内での増産が続くと、2年後には、宇軍砲兵の数的な主力になっているはずだ。
「Bohdana」の命中精度はドイツの「Panzerhaubitze 2000」には劣る。しかし単価は250万ユーロと安い。
ソ連時代にもウクライナ領内では大砲は製造されていなかった。それを初めて製造するようになった。前線から工場に、知見のフィードバックができるようになった。
「Bohdana」の半自動装填装置は、動作速度が遅いため、砲兵には不評。彼らは手動にて速射するようにしている。ちなみに砲弾は47kgあるので、砲兵は腰を痛める。軍は彼らに、ウェイトリフティング選手用のサポーター帯を支給中だ。
「Bhodana」の砲身長は8mもある。M777は6mである。この違いのために、たとえば大砲用の塹壕陣地を掘開する手間は2倍かかり、完全な対空遮蔽はほとんど不可能だ。だから、牽引型が好まれるようになった。
ウクライナ国産の8m砲身は、寿命が8000発ある。ドイツ製よりも低精度だが、目下の長期戦で重要なのは、早く大量に生産することなので、これでいい。
ロシア国内における大砲生産は、西側が「クロム」の対露輸出を禁じたために、ピンチに陥っている。カザフスタンから取り寄せようとしているのだが、カザフもロシアに売らなくなった。※砲腔内にクロームメッキをしなければ焼蝕が急速に進んでしまう。
それと同時に、工作機械のメンテナンスがロシア国内ではどうにもならなくなりつつある。
北鮮は、180ミリの「Koksan」自走砲だけをこれまでロシアに送った。他の砲熕野砲は未だ送っていない。「Koksan」のパフォーマンスはひどいものなので、こっちは助かっている。
※この記事には「D-20」牽引式122ミリ榴弾砲が、北鮮製砲弾の腔発のために、薬室も砲身も跡形なく吹っ飛んでいる写真が、テレグラムから転載されている。
露軍は、焼蝕を無視すれば、1門の榴弾砲を1万5000発くらいまで酷使できるだろうが、レンジは短くなり、精度は期待できなくなる。露軍砲兵は今、交換用の砲身が入手できないという難問につきあたりつつある。
ひきかえて調子が堅調なのがロケット砲兵だ。毎日50門から150門の各種多連装ロケット砲が発射されていることが、参本の公式日誌から分かる。1門につき12発くらいだ。
※ドイツの世界経済研究所の集計によれば、2022-2から2025-6までの期間、欧州は411億ドルをウクライナ軍補強のために配分した。それは米国からの援助総額よりも51億5000万ドル多い。だから欧州はウクライナ問題に関して米国の言うなりにはならない。
※2025-5-25の別記事(イリア・ボルハリン記者)で補う。2022-2時点で露軍は2500門の各種砲兵システムを有していた。2024-1時点でそれは4700門に増えた。発射砲弾量は2024-1時点で宇軍1に対して露軍8であった。ロシアの砲弾生産力は年産200万発であろう。これに加えて北鮮が2023年以降、500万発以上の大口径弾薬をロシアに売った。Oryxは、ロシアがこれまでに1500の砲兵システムを失ったと算定。ウクライナ軍参謀本部は、28000門だという。これはOryxと違って、無線傍受や運用データ、非公開のドローン映像にアクセスできるから。某OSINTアナリストは、2022年にロシアのストック砲兵は17197門の牽引砲を含む22367門だったと推定。2024年までに、その数は9325門に減少したと見る。122ミリ砲のD-30や2S1は3万発が砲身寿命。MSTA-Sなどの152mm榴弾砲は数千発。203mm 2S7ピオン自走砲は、たったの500発。ロシアは130ミリの古い野砲「М-46」も倉庫からひっぱり出し、その特殊な砲弾はイランから輸入した。在庫は2022年には600門あっただろう。そのうち380門はすでに壊れた。ドイツのKiel Instituteは、2023時点のロシア国内の砲身製造力を400本前後だと割り出した。
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Defense Express の2025-8-17記事「20–25 Systems to Shield Kyiv From Shaheds: New MaXon Air Defense Details With Balloon-Mounted Drones」。
対シャヘドの防空システムをひっさげて参入してきた「MaXon Systems」社。3週間前から最前線での実戦テストに臨んでいるそうなのだが、ディテールは秘されていた。
このほど、同社の創設者であるOleksii Solntsevが一部をあきらかにした。
会社はデンマーク資本で、対シャヘド防空のためだけを目的に、今年、設立されている。
システムの開発は、ウクライナ軍と密接に協力しながら進められた。ウクライナの気球メーカーの「Aerobavovna」が製造した係留気球によって、小型の固定翼インターセプターが高空に持ち上げられ、上空からリリースされる。
敵の自爆機の襲来は、地上の熱画像カメラで探知する。そのメーカーは「Oko Kamera」社である。
MaXonが設計したインターセプターは、パーツの90%がウクライナ国内で製造される。
同社いわく。すべてがうまくいけば、キーウ市にこのシステムを25セット、配置するだけで、シャヘドをすべて邀撃できる。
また、敵ドローン×1機を破壊するためのコストは3500〜4000ドルだという。
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Kylie Biel 記者による2025-8-15記事「Oregon to consider use of Yamaha’s uncrewed helicopter for firefighting operations」。
オレゴン州政府の航空当局ОDAV(Oregon Department of Aviation)は、Yamaha Motor Corporation(ヤマハ発動機)との間に、了解覚書(Memorandum of Understanding)をとりかわした。
同州は、ヤマハ発動機製の単軸ヘリコプター型無人機「FAZER SAR」を、山火事消火に使うつもり。
山奥でのすばやい初期消火に、こいつが役に立ちそうだという。
無線操縦は、BVLOS=直視野外距離 となる。
州庁の、NPRM(立法案公告)のパート108にて、この件が公表された。