スペインでは夜間に市街地に侵入してきた野猪を「弓矢」で駆除することが公許されている。至近距離+高所作業台からの俯瞰射撃に限定することで、「逸れ矢」の危険など実質ゼロなのである。騒音迷惑もかからない。

 詳しくは、2022年にネット公刊している「鳥獣から人間を保護する法律が必要だ」を参照して欲しい。この3年間の行政の無策に、いかに私が呆れているのか、分かってもらえるだろう。

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 Катерина Супрун 記者による2025-8-19記事「Defender Dynamics Developed a Series of Foton Drones With Automatic Target Destruction」。
  《空中ショットガン》である「Foton」というクォッドコプター兵器を製造している「Defender Dynamics」社。ドローンのサイズは、7インチから11.2インチまで、揃えている。敵のドローンを散弾によって撃墜できる。

 7インチ級のドローンには、散弾銃身は1~2本、とりつけられる。1本の銃身から1回しか、散弾は発射できない。

 ※記事添付の写真により、ようやく判明したこと。薬室は、バレルの中央部に、横向きに直角に突き出している。市販散弾のカートリッヂと同じ寸法のブランク・カートリッヂを、その薬室に装填してから、ナット状の蓋で閉塞する。ワッズ/コロスと散弾は、おそらくバレルの前半分に、マズルローディングによって装填するのだろう。そしてカウンター・マス(その正体は未詳。ガスだけなのかもしれない)は、バレルの後半分に、挿入されているのだろう。薬室に電気点火されると、爆燃ガスは、前方に向けては散弾を、後方に向けてはカウンターマスを、吹き飛ばす。前後に飛ぶ質量が同じであるため、反動は相殺される。

 弾薬が装填された状態で、1本の銃身は、500グラムしかない。12ゲージながら、アルミ合金製の特製バレル。だから、クォッドコプターで持ち上げて飛行できる。
 3㎏のペイロードがあるマルチコプターなら、6銃身にできる。その6銃身を同時に斉射しても、反動はゼロである。

 空中で照準をつけるためのソフトウェアも同社製。半自動の空戦が可能になっている。
 敵機との距離計測には LIDAR が用いられている。

 散弾を発射して敵ドローンを撃墜できる範囲は、距離50センチから5mまで。

 チタン合金製のバレルも用意している。
 いま、新型の10インチ級ドローンを開発しており、それはテストの段階にある。

 会社は、次の段階として、固定翼UAVにこのショットガンと自動照準ソフトウェアを搭載するつもり。それが仕上がれば、「オルラン-10」を確実にウクライナ軍の上空から駆逐できるようになる。

 ※日本の企業はこのモデルを参考にして、「垂直下方銃撃」専用の害獣駆除ドローンを製作できるはずだ。いまの狩猟法がどうして《発砲してよい条件》をうるさくいうのかといえば、水平に発射された後の逸れ弾や跳弾で万一にも人や住宅が危険にさらされてはならないからである。しかし、散弾を羆の頭上5mから真下の地面に向けて鉛直に俯瞰発射するのであれば、流れ弾など常識的に考えられもしまい。道路上だろうと夜間だろうと、何の問題も起きないだろう。ドローンは光ファイバー・ケーブルによる有線式操縦とするのが、鮮明な映像証拠を記録しやすく、理想的だろう。重量級のオクトコプター・クラスなら、サーチライト+可視レーザー・スポット照準(同時に人に対する注意喚起信号にもなる)を楽々と同時搭載できる。その機体を、熊を地上から視認できる距離から飛ばすのである(これによりケーブルの事後回収も確実に可能)。そして、この駆除作業型機とコンビを組ませる、捜索追跡用の非武装ドローン(無線操縦式)にも、真下向きのサーチライトと可視レーザー・スポッターを搭載する。時間とともに害獣は学習し、ドローンの音を聞いたりレーザーの光芒を見ただけで山奥へ逃げ帰るようになるはずだ。弾丸は、火薬を使わない「スプリング弾撥」方式にもできるはずだ。その場合、弾丸も、人に対して非致死的な麻酔弾やガス弾にできる。ますます、万一の誤射や暴発や跳弾があったとしても、人命が損なわれるような危険は限りなく極小化することができるだろう。駆除ドローンは目視距離内での運用なので、麻酔弾を命中させた熊は、遅滞なくリトリーヴの上、薬殺できる。

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 Defense Express の2025-8-19記事「Two Possible Drawbacks of Ukraine’s FP-5 Flamingo Cruise Missile」。
  大型の巡航ミサイルである「FP-5」には2つの短所があるだろう。
 3000kmを飛行させるためには、大量の、よって重い燃料を抱えて発進しなくてはならない。

 チェコ製のジェット練習機である「L-39アルバトロス」は最大離陸重量4.7トンで翼幅9.5m。それとくらべて「フラミンゴ」は、MTOWが6トン、ウイングスパンが6mもある。安く大量生産することを最優先にしたデザインなのにもかかわらず、どうしてもそのくらいになってしまう。

 1950年代に米国で開発された巡航ミサイル「MGM-1マタドール」と「MGM-13メイス」のデータが比較の参考になろう。

 ※別ソースで補うと、マタドールには、推力20kNのアリソンJ33-A-37ターボジェットエンジンを搭載。ブースターなしの全重が5.4トン。弾頭重量1.3トン。翼幅8.7m。初期型のレンジは400km、後期型は1000km。巡航高度は12000m。着弾点は狙ったところから820mも逸れることがあるので、弾頭は核の一択だった。メイスはアナログ世代の地形照合航法装置を搭載し、無線誘導の必要をなくした。そのかわり、巡航高度は高くはできない。地形照合レーダーが機能しなくなるので。エンジンは23kNの改良アリソン。レンジは2300km。弾頭重量1トン。MTOWは8.5トン。後退翼のウイングスパンは7m。沖縄にも配備されたが、核弾頭技術が進歩し、こんな大きな巡航ミサイルは無用となり、70年代にターゲット・ドローンに改造されて自主的に全廃。

 フラミンゴは、外形がステルスではなく、地表スレスレを巧妙に巡航するようにはつくられておらず、したがって、敵の戦闘機によって空中で捕捉されるであろう。

 ただウクライナ側は、ロシアの防空は東へ行くほど手薄だから成算はあると考えている。じっさい、大型の「Tu-141 Strizh」無人自爆機(いちおう超音速)は、インターセプトされていない。

 図体が重いと、エンジンも強力にするしかない。ブースターぬきで1.3トンのトマホークには、推力3.1kNを生成するウィリアムズF107ターボジェットが搭載されている。

 自重5.4トンの「Tu-141」は、19.6kNのKR-17Aターボジェットを使用している。

 そこからの推定だが、FP-5フラミンゴに必要なエンジン推力は20〜23kNの範囲内だろう。小型ビジネスジェットに使われるクラスのエンジンが必要だ。

 ウクライナ製のエンジンでフラミンゴに使えそうなのは、24.5kNの「AI-322」か、17kNの「AI-25TL」だろう。後者はL-39が使用するエンジンだ。

 ※参考値情報。本田技研工業が6月17日に軟着陸を成功させた「再使用型ロケット」の試験機は、推進薬込みの重量が1312kgで、それを、6.5kNのエンジン×2基でコントロールしたそうだ。

 ウクライナの倉庫にはAI-25のストックが大量にあると思われる。この巡航ミサイルは、4時間飛んでくれればいい消耗品なので、エンジンが新品でなくても構わない。

 メーカーのMilanion Groupは、UAEの「IDEX-2025」会場にて、FP-5を月産50機、量産できると豪語した。このことは、エンジン供給問題がすでに解決されていることを示唆している。

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 ストラテジーペイジの2025-8-19記事。
  現在、イラン人の40%しかイスラム教を信じておらず、他は古来のゾロアスター教などを遵奉している。
 多くのイラン人は、ペルシャは中世のアラブによる征服から回復しておらず、イスラム教はアラブ人よりも悪いと考えている。
 IRGC(イラン革命防衛隊)も、世論調査によって実態を把握している。ますます多くのイラン国民がイスラム教を棄教しつつあると。


鳥獣から人間を保護する法律が必要だ──「害獣退治庁(仮)」の組織および装備を提言する