レンジ200kmの「ネプチューン」地対艦ミサイルとは、外寸からしてまったく異なっている。おそらくはエンジンも新型なのだろう。
そしておそらくは、この新型ミサイルは空中発射式であろう。レンジを重視するなら、当然にそうする。
この新型エンジンが、「フラミンゴ」にも使われようとしているのではあるまいか? エンジンを外装するレイアウトにしておいたのは、将来、型の異なるエンジンを搭載するときに便利だからなのでは?
※一経済学者だったのをプー之介が国防大臣として抜擢したアンドレイ・ベロウソフの《1億総ドローン戦士化》計画、別名「ルビコン」プロジェクトが大当たりしており、宇軍の「ババヤガ」爆撃機は従来1機が100回出撃できたのに、いまは15回で撃墜されるようになったと。
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マックス・スキャンスベルク(フロリダ大学のハミルトン古典・市民教育大学院の准教授)による、2025-8-25の新刊書評記事「The Origins of the West」。
「西洋」の起源と将来は何なのかについて、史学者のゲオルギオス・バロウシャキス(Varouxakis)が書いたぶあつい研究書。
それは地理的概念ではなく、政治的な結束なのであるという。
著者はクレタ島生まれ。ギリシャ語で初等教育を受けた。1974にトルコがキプロスに侵攻したときは7歳だった。彼の父親はギリシャ軍に動員された。祖父は1913より前の生まれだから、法的にはオスマン帝国の領民だった。しかし意識の上では、旧東ローマ帝国圏内のギリシャ系民はじぶんたちを「ローマ人」だと信じていたのである。
通説では、今日の「西洋」の概念は、19世紀後半にヨーロッパの帝国主義を正当化するために生じたといわれる。
著者はそれに反対する。むしろ、そのイデアは、「反帝国」の意図をもって考案されたのだという。より具体的には、東方のロシアの脅威に一致団結して立ち向かわなければ世界じゅうが支配されてしまうという危機意識が、人種や民族の差異を超越して、「西洋」の現代的なイメージを定着させたのだ。
バルーシャキスいわく。「西洋」は歴史的に「ヨーロッパ」や「キリスト教」と決して同一ではない。
なぜなら、ロシアがピョートル大帝の下で、キリスト教を国教としつつ、軍事大国として全欧をおびやかすようになったときに、その概念は生じたのだから。
18世紀まで、ヨーロッパが意識した外敵は「南」にあった。しかしピョートル以降、また特にナポレオン戦争以降、ヨーロッパが意識する外敵は「東」(=ロシア帝国)に変わったのである。
ロシアに対する「同盟」の必要性が、急に、意識されはじめた。それが「西側」=「西洋」という現代概念なのだ。
18世紀のヴォルテールはたまたまピョートルと親近だったために、「西洋」のくくりからロシアを除外する明晰さを回避してしまった。
むしろヴォルテールはピョートルのためになる歴史を書いて、大いに媚びたのである。
正気の判断力を示したのは、19世紀のオーギュスト・コントだった。コントとその仲間は、帝国と征服に反対する「西洋共和国」を夢見た。しかしその邪魔者はロシアであろうと彼は見抜いていた。仏・伊・西・英・独は自主的に「帝国」を捨てて結束できても、ロシアはその仲間には入らないだろうと。
すなわち、シャルルマーニュのヨーロッパ圏が、価値共同体としての偉大な「西洋」たり得たのである。
コントの信者である英国のリチャード・コングリーヴは、その1866の著述の中で、オスマントルコをロシアよりも西洋的と見なした。
『ブリタニカ百科事典』には1929年版まで「西側」の見出しがない。
アメリカ合衆国が台頭したことで、「西洋」の地理的広がりは大西洋を越える。米国の『Lieber』の百科事典がその先鞭をつけた。
日本に対抗するために西側諸国が団結しなければならない(=米国は孤立している場合じゃない)と1915に早くも主張した学究は、Walter Lippmann である。彼はジャーナリストとして知られているが、どの米国人哲学者よりも議論の水準において上回っていた。
リップマンの同盟概念の骨子は、西側はシー・パワーを支配するのが先決だというものだった。
1918から1922にかけ、シュペングラーが『The Decline of the West』を公刊し、西洋文化は衰退して世界の支配権はスラブに移ると予言した。世界のインテリは猛反発した。
ヒトラー・ドイツのソ連侵攻は、西洋の議論を混乱させた。
1940年12月にリップマンは講演し、驚くべきビジョンを公言した。いままでの教育が、人の理性を育てるのではなく、宗教モラルを押し付けるだけのものであったために、世界は悪くなってしまったと彼は信じていた。
キッシンジャーは学部論文の中でトインビーに言及したものだったが、皮肉にもトインビーはアメリカを高く評価しておらず、むしろ1952年のリース講演でソ連を重視していることを告白した。
アラン・ブルームはするどい指摘を残している。ギリシャ哲学の流れを汲んでいる西洋諸国だけが「自己批判」の能力を示している。それ以外のすべての強力な文化は、ただ自己民族中心に考えるだけであると。
Varouxakisは、「西側」は今も成功しているし、回復力があるとする。
かたや中共主唱の Belt and Road Initiative には、それに匹敵する力はないと見る。
※サン・アンドレアス断層を、「バイデン断層」とトランプが改名させる――というジョークがSNSに出ていて、ワロタ。政治リーダーの失策のことも「FAULT」と書くので。
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Oleksandr Yan 記者による2025-8-25記事「Russian Army Deploys RG-60 Thermobaric Hand Grenades」。
TASSによると、露軍が最新型の手榴弾を使い始めている。
「RG-60」といい、卵型。破片は、最初から小粒の鋼球が外皮に埋め込まれている。そして炸薬はサーモバリックであるという。
もともと「RG-60TBO1」というサーモバリックの手榴弾が2000年代からあった。それに、破片機能を後から付加したのである。
外皮はポリマー製。スチール合金粒は900個、入っている。
それが秒速1300~1500mの速さに加速されるという。
距離8mにおいて、安物のボディアーマーを貫通できる。
延時信管は「UDZ-5」で、投擲してから3秒~4秒ではぜる。着地してから延時がスタートするモードにもできるという。
しかし報道画像を見ると、古めかしい「UZRGM」信管がついているようだ。
全重は600グラム。炸裂すると13立方mの火球が生まれる。中心温度は3000℃近くなる。
サーモバリック手榴弾は、狭いトンネル壕内やAFV車内では毀害力を発揮してくれるが、露天状態ではほとんど花火でしかなくなる。そこで、破片を加えた。
※橋の下に大量の対戦車地雷を積み上げておき、遠くからFPVドローンをリモコンしてその集積にゆっくり突入させることで起爆させ、橋を大爆破するという動画がSNSに出ている。この方式にすると導爆線や電線を引く必要がない。「張作霖爆殺」のような工作が、はかどることであろう。
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Tatiana Rybakova 記者による2025-8-11記事。
ロシアでも農家は、播種の前に銀行からカネを借り、収穫を売ったあとにローンを返済する。しかしこのパターンが不可能になっている。
中央銀行が23~25%の年利を設定しているので、「ロシア農業銀行」も年利をそれより著しくは低くできない。しかるに農業の利益率はせいぜい10~15%なのだ。それ以下の金利でないならば、借りることが自殺行為になってしまう。
「ロシア農業銀行」は、従来は政府からの補助金でなんとかやっていた。だがどうやら軍資金に苦しむモスクワ政府は農業補助金を打ち切ったらしく、「ロシア農業銀行」は、新規ローンを停止している。むしろ債権の貸しはがしに動いているという。
かたや農業省は、生産者と3~5年契約を結ぶことで、食料品の市価を抑制しようと動いている。インフレになればプーチンから怒られるからだ。ということはロシア農家は、これから当分、生産物を安く買い叩かれてしまう。そんなときに銀行から借りていたら、たちまちローン地獄に陥るのは必定。だれも作付けするわけがない。
南部の黒土帯では、プー之介のおともだちの富豪の身内が、農地を、私人・私企業から次々に強奪している。州政府の武力がその強奪を手伝っている。
このような体制下では、農家は誰も、土地の生産性をよくしようなどとは思わない。生産性が上がれば、プーチンのギャング団に目を付けられて、土地を強奪されるのがオチだからだ。
ロシア政府としては、できるだけ少数の「大貴族」に農地を寡占させてしまうことが、とても好都合。その「大貴族」を脅迫すれば、政府の好きなような安い値段で年貢米を上納させられるからだ。
※『モスクワ・タイムズ』によると、小麦が高騰しているので、ロシアの消費者は比較的に安価な国産の「蕎麦粉」にシフトしたが、そのソバの作柄が、今年はとても悪いという。ちなみにロシア産の蕎麦粉の輸出先は中国だけである由。