『マイアミ・ヘラルド』紙の報ずるところでは、ベネズエラはIRGC(イラン革命防衛隊)から各種のドローン技術を受け取り、中米一のドローン戦力を有するに至った。今、米海軍がその沖に有力部隊を近寄せているところ。

 ディフェンスエクスプレスの2025-8-29記事。
  ロシア海軍もウクライナ海軍の向こうを張って無人特攻ボートを繰り出し、漁船構造の河用砲艇「シンフェロポリ」を損傷させた。

 場所はドナウ川の河口。露軍の最寄りの支配地から200kmあるが、露軍USVはスターリンクを利用できないはずだが、公表された動画の画質から、スターリンクを使っていることが強く疑われる。

 他の可能性のひとつ。固定翼偵察無人機の「オリオン」を飛ばし、それが無線を中継したのではないかと。

 ※いよいよ中露の特攻水上艇に対する港湾防禦を考えなくてはいけなくなった。ずっと前にも書いたように、適切なサイズにこしらえた「人工軽石」を水面へ高密度に浮かべておけば、無人艇のウェータージェットがそれを吸い込み、内部のインペラーのところで詰まってしまうので、ボートの行き足は止まる。その「人工軽石」が、広い海面に漂流拡散してしまわぬよう、市販のオイルフェンス×2条を使って「軽石浮遊帯」をサンドウィッチして密度を保持させるとよいだろう。ボートはこのようなオイルフェンスなどは軽々と乗り越える。けれどもひとたび艇体が「軽石浮遊帯」の中に泛水すればウォータージェットは確実に詰まる。もし船外機タイプだったなら、漁網状の「浮き障害帯」で阻止できる。オイルフェンスに「比重が1よりも軽いロープ」(これも市販品あり)を、緩くからげておいてもいいだろう(蛇腹鉄条網のように)。軍艦が、自艦の囲りに土星の環のように速成に「軽石浮遊帯」を現出させてしまうシステムも、いまから考えておくことだ。スタートアップ企業の出番だろう。

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 ディフェンスエクスプレス の2025-8-28記事。
   カリブル・ミサイル発射艇でもある「Buyan-M」級のコルベットに、28日、宇軍の名称不明のUAVが突入命中した。FPV操縦だったという。場所はアゾフ海のテムリュク湾。特攻機は350km以上飛んできた。機種はおそらく「ルバカ」もしくは「UJ-26」だろうという。撃沈には至らなかったが、対空&対水上レーダーは破壊された。。

 低速でしかもステルスでもない無人特攻機が、AA用のレーダーと火器を備えた軍艦に突入を成功させた初のケースであるらしい。

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 オレクサンドル・ヤン記者による2025-8-28記事。
  CNNが、2025-1に米国アイエルソン空軍基地で起きたF-35Aの不時着全損事故の詳細を伝えた。
 まず、着陸装置が3脚とも、出せなくなった。結氷したために。
 完全に出すか、完全に引っ込めるか、さんざん試行したが、中途半端なところで固まってしまった。

 ロックマートの技師5人が、50分間にわたって無線でパイロットにアドバイスしたという。その間、機体は、基地上空を旋回し続けた。

 この技師らのアドバイスにより、タッチ&ゴーによってギアを物理的に格納させてしまう荒技を試すことになった。※坂井三郎の逆だな。
 2回、試したが、やはりダメであった。しかも2回目において、F-35のセンサーが、機体はすでに地上にいると誤認したため、F-35は制御が不能となり、ついに、パイロットはエジェクトを選択するしかなくなったという。

 事故機を調査した結果、3脚すべての支柱の油圧システム内に水が侵入していたとわかった。気温はマイナス18℃だった。

 後知恵だが、このケースでは、脚の状態には委細かまわずに無理やり胴着させてしまい、滑走に移ったところでパイロットがエジェクトするようにしていたら、機体の全損を免れた可能性が高いという。

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RFE/RLの2025-8-25記事「How Ukraine Uses Net-Firing Drones To Snag Russian UAVs」。
  宇軍のマルチコプターが露軍のクォッドコプターの真上から「網」を真下へ発射して撃墜するようになった。ルハンスク戦線。
 すでにこの方法により、5週間で100機の敵ドローンを墜落させたという。

 敵ドローンは多くが「DJI-Mavic」である。昼間用の仕様だと単価1700ドル。夜間用の仕様だとその2倍。これを100機喪失した露軍が、その穴を埋めるために強いられる金銭負担は、小さくないだろう。

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 Garret Rice記者による記事「A Smarter Path to Maritime Strength」。
  海軍の調達流儀を改め、交通省海運局が National Security Multi-Mission Vessel(NSMV)を調達するときに採用して成功した VCM(Vessel Construction Manager)を導入すべし。船殻細部を商船準拠とし、契約は価格をあらかじめ固定してしまう方式。コストも納期も最小化されることは実証されている。1隻について3億ドルも安く上がる。

 ※趨勢としては、建造に1年以上もかかってしまう軍艦は、近未来にはもう海軍の主戦力ではなくなっていると思うぞ。日本の海軍造船界も、早くアタマを切り替えることだ。

 ※わたしゃミリタリー分野の英文記事の短い「タイトル」の意味がなんとなく分かるようになったのが、やっと五十代以降である。それまで数十年、人力和訳&要約の勤行(ごんぎょう)を続けてきたおかげで、かろうじて今、機械翻訳や機械要約を「道具」として使えるのだ。たとえばAIはいまだに、「機雷」と「地雷」と「鉱山」を文脈から判別することに苦しんでいる…。しかしさいきんはAIが、欧文記事を直訳するだけでなく、和文で要約してくれるようにまでなってきた。全訳には失語症的なものが多かったのに、この「要約」は文句の無い出来で、感心させられるのみだ。これを駆使できるとどのくらい便利なのかというと、従来は「このタイトルには興味を感ずるが、本文を覗いて訳している時間がない」と思ってパスするようにしていた数多の記事を、とりあえず要約で瞥見しようと思えば、できるようになった。それで、まったく余計な心配なのかもしれないが、若い人はこんな環境をいきなり与えられてしまっているがために、これから数十年経っても、記事「タイトル」を見ただけで記事内容の見当がつくようには、なかなか、なれないのではあるまいか?

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 Andrew Bogusky 記者による2025-8-28記事「Dealing with Drones: Why Words Matter」。
  この記者は、「ドローン」という呼称をありとあらゆる無人兵器につけてしまっている最近の風潮に、猛反発している。
 なぜなら、そのようなあいまいな名辞の慣用は、米軍が受けている脅威に関する正しい認識と対策も、混乱させてしまうからだ。

 リーパーのような本格的な無人航空機はUASと呼ぶべきで、ドローンと呼ぶべきではない。
 DJIのMavicのような軽微なものをドローンと呼べ。

 記者のいう「ドローン」に対しては、1発300万ドルのペトリや、1発40万ドルのサイドワインダーのような空対空ミサイルを発射してはならないのだ。それは自滅の道である。

 空対空ミサイルを発射してもよい敵の対象無人機は、大型UASに限るべし。それを米軍はハッキリと規定せよ。UAS対処は、航空部隊の仕事であると規定せよ。

 記者のいう「ドローン」に対処するのは、陸上部隊だけと決めなくてはならない。それにはSAMはふさわしくなく、もっと適切なAA火器が開発されなくてはいけない。

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 Sebastian Strangio 記者による2025-8-20記事「China Slowly Making Security Inroads in Southeast Asia, Report Says」。
  中共は、東南アジア圏への影響力を米国と競っている。
 げんざい、ラオスとカンボジアは、ほぼ、中共がとりこんだ。タイとミャンマーも、まずまずとりこんでいる。

 中共の外交工作の限界は、米国は東南アジア諸国に「情報を教える技術移転」「情報を教える共同訓練」をしてくれるのに対し、中共は合同軍事演習をしても、自軍の能力を徹底的に隠そうとすること。したがって、永久に近隣国との相互運用性などは育たない。

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 Armen Agas & Tom Cutler 記者による2025-8-29記事「Here’s How to Force Moscow’s Hand If Trump–Putin Talks Fail」。
  数字の現実。2022年2月にロシアは15万人の将兵を動かした。そして今日、前線に60万人の将兵を維持できている。
 かたや宇軍は、ペーパーの上では兵力100万人だが、最前線には30万人を貼り付けられるのみ。連日1300人前後が死傷しているのは隠すことができないので、多くの者が徴兵逃れや脱走を試みている。

 ロシアはもっか、毎日、400万バレル~500万バレルの原油を輸出している。年に2000億ドル以上の稼ぎである。

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 Joseph Trevithick 記者による2025-8-29記事「Taiwan Teams Up With Kratos On Jet-Powered Kamikaze Drone」。
   ターボ・ジェット動力の標的ドローンとして「MQM-178 Firejet」があるのだが、これをベースにして台湾の中山科学研究院 (NCSIST) と、ターゲットドローンの元々のメーカーである米国の Kratos 社が共同で、「剣鋒 IV (Chien Feng IV)」を開発中だ。
 全長約3.3m、ウイングスパン2m、胴内ペイロード32kg、機外吊架ペイロード25kg。速力マッハ0.69、高度は3万5000フィートまで。

 機体外皮は炭素繊維複合材。
 来月の台北国際航空宇宙・防衛産業展で公開される予定。台湾軍が装備するだけでなく、輸出もするので。

 ※ウィキで補うと、ファイアジェットは2019デビュー。エンジンは「JetCat C81」で1基が0.36kN。それの双発だという。MTOWは145kg。RATOでカタパルトから射出する。