ロイタリングミュニションの「スイッチブレード600」は滞空が40分可能だが、リーパーと組み合わせて親子式に運用するのなら、まる1日でも旋回を続けることができ、リーチも無限大化するわけだ。ちなみに「スイッチブレード600」の弾頭はジャヴェリンのものをそっくり流用している。だから、ウクライナ戦線式の大量消耗戦争には、向いていない。
※この報道が解禁されたのは、MTCRを見直した米国務省が、リーパーの無差別輸出にいよいよドライブをかけさせるという兆しなのかもしれない。
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AARON REICH 記者による2025-9-8記事「Carlo submachine gun: The DIY weapon of choice for Palestinian terrorists」。
西岸のパレスチナ人がガレージで自作している、即席のサブマシンガンを「カルロ」と総称する。
1960年代にスウェーデン軍が採用していたSMGの「M/45」が手本にされているので、メーカーのカールグスタフを略してカルロと呼ぶ。
9月9日月曜日にエルサレムのラモット地区で発生した銃乱射事件にも「カルロ」が使われた。
オリジナルは、9ミリ・パラベラム拳銃弾×36発入りの箱型弾倉、セレクターはフルオートのみで、サイクルレートは毎分600発だった。
スウェーデン軍でも1970年代には後備用にされ、今はとっくにもう使われていない。
それがとつぜん、2000年代初頭に「カルロ」として復活。
じつは1950年代からエジプトで「М/45」がライセンス製造されていた。そのノウハウを伝える技師がたくさんいるのだろう。
銃身からしてただの鉄パイプという粗末なまがい物である。が、コンパクトで隠し持ちやすく、短時間に多数の弾丸をばら撒けるから、テロリストにはおあつらえ向きの火器だ。
ただしさすがに実包だけはゲリラが「自作」することはできていない。流通しているホンモノをどこかからか調達してくるしかない。イスラエル軍はウージーに9ミリ実包を使っているから、闇市場で調達するのにもそれがいちばん都合がよいのだろう。
別の種類の実包が手に入ったときは、チャンバーをそれに合わせることになる。ゆえに「.22ロングライフル」や「.32ACP」を発射する「カルロ」もあり。
※カークという人を私はまったく知らないでいたが、ウィキによると、高校時代にラッシュ・リンボーの右翼トークに感化されて、次第にひとかどの運動家になったんだそうだ。インターネットが未だ無かった時代、私はラジオの「FEN」(東京や米軍基地周辺では中波で、それより遠い田舎では短波で受信ができた)を聴いていたので、何度かリンボー氏の時評も耳にした。軍隊の階級で言ったら「伍長」くらいを相手にするトークだと思った。あのレベルを出発点にして、カーク氏は、「中尉」くらいを相手にできる政治討論を、大学生相手にライブで演じられるまでになっていた。こんどは、故・カーク氏の弁舌を基準点にして、「将官」レベルを相手にできる二十代の政論家が輩出するのかどうか――だが、これは確率論的に絶望的だと思われる。音吐朗々、滑舌にルックスも伴わなくては、大衆はソッポを向くので人気は集まらない。かたや「ルックス」と「銃撃の腕前」を兼帯して大衆から喝采され得る青年は、三才を全備した新星時評家よりもおおぜい米国社会に供給されるから。
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Rafael Pinto Borges 記者による2025-9-11記事「Are We the Baddies? On free speech, Europe is increasingly an example――of what not to do」。
イギリスでは毎年1万2000人がオンライン上の発言で逮捕されている。毎日33人だ。
根拠法は「2003通信法(Communications Act 2003)」と、「1988悪質通信法(Malicious Communications Act 1988)」のセクション127。
「ひどく攻撃的」であったり、猥褻であったり、「苦痛を引き起こす可能性が高」ければ、すべて犯罪となる。
では、何が気分を害するのかを、誰が決めている? なんと、英国では警察がそれを決める。
WhatsAppで学校を批判したハートフォードシャーの母親は、子供の目の前で逮捕された。
スポティファイで合法にストリーミングされているラップの歌詞をインスタに投稿したティーンエイジャーも、裁判で有罪に。
とうとうイギリスでは、単なる意見の相違が、「犯罪」と認定されるようになったのだ。
ドイツでは2017年に「NetzDG法」が成立。プラットフォームは24時間以内に「違法なコンテンツ」を削除すべし。さもないならば最大5000万ユーロの罰金を科す――とした。
このおかげで「事前検閲」が普通になった。プラットフォームが、風刺、政治的議論、そして反対意見を、入口において消去してしまうのだ。その面倒な検閲作業は、すべてシリコンバレーの民間企業にアウトソーシングされている。彼らが、ドイツ人が何を読んでも可いのかを、密室で決めている。
EUは、異端審問の別名であるデジタルサービス法により、選挙で選ばれてはいない apparatchiki(ソ連の共産党政治局員)が、27加盟国のすべてでオンラインスピーチを、「偽情報」とか「有害なコンテンツ」のレッテルを貼って削除してしまえる権能を与えている。
ボリシェヴィキは、「民衆の敵」として「反革命派」を沈黙させた。北京は検閲を「調和」の保護として正当化する。ブリュッセルでは、言い訳は「安全」と「抱合主義」なのだ。
ヴォルテール、ミル、カミュ、オーウェル、チャーチルやド・ゴールですらも、今日、職業検閲官が認定する「ヘイト」や「害」の融通無碍な定義の下では、言論の自由は無い。ヨーロッパは、疾うに終わりつつある。
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『マリタイム・エグゼキュティヴ』の2025-9-10記事「Cruise Passenger Jumps Overboard to Avoid Debts and Cash Duties」。
洋上賭博船であるクルーズ船『Rhapsody of the Seas』号がサンフアン港(プエルトリコ)に着桟しようとする直前、1人の乗客が海に飛び込んで負債から逃げようと試みたが、親切なジェットスキーヤーが揚収し、その身柄は現地警察が確保した。
この男は船内カジノで1万7000ドル負けていて、それを決済していなかった。また現金15000ドルを身に付けていた。これを持って正規にサンフアンの税関を通ろうとすれば、関税を支払う義務が生ずる。それも免れようと考えたらしい。
ちなみにプエルトリコ島は米領。正確には、アメリカ合衆国プエルトリコ自治連邦区。さらに豆ち。「サンフアン」とは「聖ヨハネ」のスペイン語読み也。
※わが国の特定の都市内にルーレット賭博場などが公認されれば、そこから治安が破綻するのは目に見えているのだが、たとえば横浜の「大桟橋」のように確実に人の出入りを制御・監視し得る人工突堤の先端に、カジノ船の専用埠頭を設けて、その《結界》の中で合法賭博を完結させるのならば咎めないとする仕組みは、できるかもしれないだろう。《現代の出島》のようなもの。それを監視するのは警察。そのアガリの分け前で潤うのも警察ОB。パチンコよりは明朗になるんじゃないかと想像する。