■イラン戦争の「第二段階」についての直前予想

 米政権は、敵の情報の混乱を狙って、意図的に、4月1日のエイプリルフールになにかやらかすというパターンを排除できないと思うから、記念に、今このタイミングで、「第二段階作戦」の予想をしておく。

 まずプレイヤーの動機の強さの順に考えて行くと、イスラエルは、イランがどこかの地下に溜め込んでいる濃縮済みのウラン(WSJによると合計重量1000ポンド=500kg弱という)を、是が非でもなんとかしたいと考えている。これが最も強い動機。

 米政府筋が「カーグ島をやるぞ」とルーモアを撒いておいて、イラン側の防備の裏を掻くように、新面目の作戦としての、少数の特殊部隊主体の濃縮ウラン奪取作戦(ヒット&ラン)を成功させるのが、イスラエル政府としては、上々の筋書きだ。ほんとうはこの実行部隊には、イスラエル軍特殊部隊を投入したくてたまらないところだろうが、もしそうなるとサウジその他のGCC諸国軍は対イラン戦争に参加しにくくなってしまうので、米政府がそうさせぬはずだ。

 イランも馬鹿ではないのでウランはあちこちに分散したり、周到に隠している蓋然性がある。その場合、特殊部隊は手ぶらで帰ることになるが、置き土産として、地下坑道の奥深くを放射性物質で汚染するくらいのことは、考えているかもしれない。

 トランプは個人的にはカーグ島を占領したい(たぶん「トランプ島」と改名もさせたい)。大統領任期が終わったあとも、誰も剥奪できない「レガシー」を残したいと個人的に冀求しているからだ。
 それは空挺師団のパラ降下と海兵隊のヘリボーンで、やろうと思えば可能な話である(強襲揚陸艦は地中海に置いたまま)。
 だが統合参謀本部としては、まったく気が進まないはずだ。空挺奇襲に膚接して陸軍の地上進攻を連動させるという定石が、ペルシャ湾奥部のカーグ島の占領作戦では、まったく構想し得ないからだ。
 イランは当然、米軍が占領したカーグ島に対して、連日、地対地ロケット弾等を撃ち込む。けっきょくカーグ島上の石油関連施設は、黒焦げの瓦礫+錆鉄の山と化すだろう。ということはまわりまわって米国内の自動車用ガソリン価格は高止まりになる。それはトランプ政権の国内人気にとって不利だから、中間選挙を対支戦略よりも重視するシニア・アドバイザー連は、「カーグ島作戦」には反対だと思う。

 国務長官ルビオは「キューバ上陸作戦」が人生の最終目標なので、それが実現するまでは、トランプ親分に逆らうことは考えられない。

 ここまでは、誰でも想像ができることと思う。
 ごく少数の者だけが想像する大戦略が、その先に、あり得る。

 それは、石油の国際取引価格の高止まりの遠因は「イラン+欧州+中国」のせいだとトランプに叫ばせる一方で、ホルムズ海峡を、中国行きタンカーに関して「不透膜」化してしまう、秘密作戦である。
 米軍の潜水艦から、特別製の機雷を海峡に敷設し、中国行きタンカーだけを選別的に、撃沈させる。米政府はあくまで、機雷なんか撒いてないと言い張る。IRGC(イラン革命防衛隊)が水雷や特攻ボートで無差別にタンカーを沈めているだけだ、と。

 この「不透膜化」作戦がうまくいかない場合は、(未だ占領作戦をしていない)カーグ島をB-1/B-52で絨毯爆撃して、どっちみち、中共へは1滴のイラン石油も行かないようにしてしまう。
 『ニューズウィーク』によると、中共の戦略石油備蓄量は9~12億バレルで、最長140日間、輸入がゼロになっても、もちこたえることができる。
 ただし、米国が「不透膜化作戦」を始めたと推測されれば、その瞬間から、燃料バカ喰いの中共軍は身動きができなくなり、国内の石油消費は厳しい統制の対象となって、中国経済は一夜にして恐慌に突入する。同時に、全世界がコスト・インフレのため需要が冷え込むことにより、中共製商品は輸出しても売れなくなる。トランプ・習会談が予定されている5月頃には、中国は忍び寄る「ドカ貧」に怯える「敗者」になっている。
 「選挙」よりも「対支」を重視するアドバイザーの誰かが、これを考えているとしても、おかしくはない。

 日本はいよいよ、無動力(化石燃料を消費せず、充電池も不要)の「縦列2輪荷車」の普及を国家事業として推し進めるべき時に来たと思う。また、動力ありの輸送機械としては、この上なく省エネである「フィリピン型サイドカー(トライシクル)」に対する規制緩和も、併せて必要になると思う。片側二車線道路の外側レーンはすべて「最高時速30km」に抑制する時限立法を、準備だけは、しておくべきだろう。

 諸々、協賛してくださる方々は、ご連絡ください。