貰ってどうする、そんなモン

 「エイリアンvsプレデター」は、わたくしがまだ劇画の原作に関与していました時代、つまりマンガ出版のノウハウのない会社までがよってたかってマンガに手を出そうとしていたバブル末期に、たしかビクターの関連会社から、アメコミの翻訳版としてリリースされたと記憶します。
 その時点では映画の『エイリアン』も『プレデター』も「2」まで公開済みであったように思います。
 ちなみに俳優時代のシュワルツェネガー氏が「女のアクション映画は好きじゃない」とオーストリア男らしいホンネをつい漏らしたのは、まず『エイリアン2』が念頭にあっての発言とみて良いでしょう。あのキャラ創りは衝撃的でしたからね。
 その後、第二次大戦中の硫黄島を舞台にした『プレデター3』が出来るとか出来ないとかの噂が一瞬流れて、そのまま立ち消え状態でしたが、ついに『vs』の方が先に映画となりました。パワーのない女のアクション映画です。その代わり、野心的なキャラ創りは、一匹の「プレデター」の中の人(大男?)がしていました。
 脚本は、葛藤(コンフリクト)が弱いです。これは仕方無いかもしれません。元種のコミックもそうでした。エイリアンvsプレデターの狭間に人間が割り込んで三者の葛藤ドラマを100分では描けないでしょう。
 しかしこの『vs』が人気の中継ぎとなって、もっと面白い『プレデター3』が制作される、そんな流れになってくれるのではないかという期待も我々に持たせた、微妙な「中の人」のキャラ創りではなかったかと思います。