某紙が報じた、少し既視感(w)ある記事について

 本日のウェブ版産○新聞にシナ原潜の航路その他について一見特だねのような調子のある解説記事が載っていましたが、何かあたらしい情報が入っているんでしょうか?
 普通人の揃えられない情報を力技でかき集められる筈の新聞記者さんがまとめた記事にしては、ずいぶん「浅いな」という印象を受けてしまいました。果たして東京新聞や朝日新聞の中の人たちにはどう思われてしまいますでしょうか。デスクの方もチェックが甘い。
 石垣島と多良間島との間の幅28kmある水道は、両島のリーフ外縁ですと、213mから223mといった「浅さ」なんですけれども、水道中心部の幅14kmくらいの帯をキープしていきさえすれば、水深が290mを切ることはありません。これは、海保で売っている海図を見さえすれば、誰でも知ることができます。シナ潜の中には日本の水路部謹製の海図はもちろん全部揃っています。
 仮りに水深290mの海底で「405号」が逆立ちしても、艦尾が水面に飛び出すようなことはないような気が兵頭はいたします。
 11月のシナ潜は石垣水道侵入直前に一回浮上して、アメリカ様のGPSによって慣性航法装置を規正しております。ですからINSに頼っただけでもこの14kmの中央の帯を外すことはまず無い。しかもシナ潜は始終前方にpingを打ちまくりなんですから、12ノットで左右のリーフの「断崖」を両睨みしつつ、その中間を維持して行くのは雑作もなかったのではないでしょうか。
 ちなみに日本国籍ある良い子の皆さんは『新潮45』はもう読んで呉れましたね? 操舵を誤ると珊瑚に突っ込む、というのは、ソナーの利かぬ高速で回避機動をしたときの話であります。なお今月はもういちど、月刊誌に兵頭の記事が載りますので(年末は特別なのだ)、某S経新聞のライターの方、こんどは「早刷り」に遅滞なく目を通せば、何もうろたえることはありませんよ。ますますのご健筆を祈り上げます。