昔『MAD MAGAZINE』モロパクのあの先生、この先生はどうしてくれるの?

 政令指定都市型の巨大書店からしばらく遠ざかっているせいか、アメコミを読まなくなってしまいました。最後に読んだのが、あの『エイリアンvsプレデター』でしたから、随分以前です。
 しかし、時代の証言をしておきますが、その当時、米国の『マッド・マガジン』誌から4コマ作品のモロパクをしていた日本の作家先生がいたのを覚えています。しかも青年コミック誌で賞をとっていらした。おそらくそういうのが、古くは○塚先生時代からの日本の伝統というか、日本のコミック/カートゥーンのクオリティなんだろうなと漠然と思っていたのです。
 ばれないパクリができるというのは、すごい才能なんですよ。
 ところがさいきんは「洋書からパクる」というレベルの悪知恵すら沸かぬ若い作家が多いらしいのは驚きです。ハバーマス先生の評じゃないですが、自宅でめいめい別々な書籍をたくさん読み込んでいて、その上で特定のメディア空間に参戦する人たちが減り、終始、特定メディア上で情報を仕入れるだけで、そのなかからセレクトしてそっくりコピーをして自分の発信に充当するという大衆式パターンの「作り手・送り手」が増えてしまった。あるメディアを見ていて、世の中が面白くないなと感ずるとしたら、その一因は、そのあたりにありはしないでしょうか。
 とにかく、本を読みましょう。