将来あり得る核テロの形態

 これまでは複数の原爆を保有しない限り、米国のような大国に対する脅しには使えないと思われていました。
 しかし、次のような手があります。
 試製の原爆を自国内の大気圏内でまず一発炸裂させる。次いで「この原爆を作るのに用いた設計資料を全部インターネットで公開してやる。それが厭なら……」と脅かすのです。
 兵頭は、北鮮は一発も原爆を持っていないと思っていますが、金正日が一発でも持っているのであれば、このような脅しは現実的になし得るわけです。
 言うまでもなく、イスラエルやパキスタンは、この脅迫オプションを既に持っています。
 北鮮が一発の核実験もしていないこと。それが、北鮮が原爆を一発も所有していない証拠です。
 しかし米国がこのような形で第三国から脅迫される可能性がある以上、日本も早く独自の核武装をして生存のオプションを増やさねば危ういと言えましょう。