スラムだけは作らせるな

日本の「プータローとヒキコモリ」は、世代が再生産されないので、スラムはつくらない──というお話は、既にしました。スラムができないことで、日本の社会コストはかろうじて抑えられ、「競争的5%」の人々の仕事が余計な阻害を受けず、対外経済競争力が維持され、国債が暴落しないで済んでいるのです。
 しかし日系ラ米人の労務者はどうも全国各地でスラムの核をつくりつつあるようです。日系ラ米人労務者の中から暴力犯を輩出する率は、他集団の平均以上ではないのかもしれません。しかしドラッグディーリングや対警官暴力など日本社会の一般モラルとは相容れない正邪観が持ち込まれ、それが世代を超えて再生産されているとしたら、これを根絶しないで良いわけがありません。日本語が満足に話せない日系人へ特待的に就労ビザを発給する行政は間違いでしょう。
 スラムといえば、今のマンション醜聞が拡大しますと、こっちの方からもスラムが出来兼ねません。
 わたくしは、西村議員の逮捕も、このマンション醜聞の行く末を現政権の中枢が予測した結果ではないだろうかと思っています。
 創価学会と共産党は天敵であるということは皆さんはご承知だと思います。どちらも朝鮮人に選挙権を与えようとしており、そしてどちらも、日本の法曹界(弁護士だけでなく、検事や裁判官まで)に人脈を扶植している恐ろしい団体です。共産党は北鮮の拉致を否定していました。西村議員はこのどちらの法曹ネットワークからも目の仇にされていた立場でしょう。非弁活動などやっていたらすぐにチクられる筈で、よくもいままで不問に付されて来たものと思います(それも日本の法曹界の体質が問わるべき問題でしょう)。大阪は在日利権の濃厚な土地柄です。大阪十七区(すなわち堺市)の隣の十六区の選出議員が公明党の北側国土交通省大臣のようです。つまりは昔の建設大臣で、このポストは旧田中派が利権をほしいままにしていたところでした。大阪高検の人事異動の後に、事件が蒸し返されたと毎日新聞のネット版が書いていました。
 ところで建築業や不動産業は、あのバブル時代に、長期的な信用を重視しない経営者が多数参入した業界です。日本の銀行は潰せないのだという政策的選択がなされた結果、その人々は、まだ淘汰されていません。なかにはヤクザそのものと結びついている業者もいます。
 天敵関係にある2政党の一方の政党に所属する議員が、その業者と結びついていたと、もう一方の政党が、感づいたのではないでしょうか? そして政党所有のメディアと工作用のブログなどを通じて、醜聞に火をつけました。これは連立政権攻撃に使える、と思ってのことでしょう。
 政権中枢は、このマンション醜聞の規模が拡大して、連立政権の係累から逮捕者が出ることも予想したのではないでしょうか。そして小泉氏は、この騒ぎは、公明党に対する自分の支配力を強化する良いチャンスでもあると見たかもしれません。池田大作氏には無限の寿命があるわけではないからです。
 そこで宣伝上手な政権中枢では、「小泉が公明党叩きをしているように世間にうけとられてはまずい」と思い、西村氏を逮捕させたのではないでしょうか。こんごの一連の報道が庶民に与える視覚的インパクトの上で、バランスをとったのです。
 西村氏には行動右翼のシンパがいっぱいいたようですね。それだったら、外務大臣に殺意を催したなどと自分の本に書いてはいけないし、現首相が狙撃されても良いなどと口走ってはならないでしょう。
 参院に転ずれば全国的な人気を武器にできるので選挙資金もかからないし、一人一会派となって、こんどこそ父親離れと地元離れをしたら良いでしょう。速決で議員辞職すれば、刑の言い渡しは執行猶予付きでしょう。地検特捜部ではなく府警が取り調べているのはなぜかをよく考えることです。
 小泉氏はこんどのマンション醜聞を公務員リストラ改革の世論形成のチャンスとして利用するでしょう。
 また、マンション離れ、一戸建てブームが潮流となれば、それはそれで、日本列島改造新論の契機となります。