真相はかうだシャーミン

 那覇防衛施設局はじつにご苦労さまですね。<いまさら辺野古の沿岸埋め立て案は変えられない><内陸案などあり得ぬ><計画した滑走路の角度を変えればまた別な市街地がアプローチコースの下になってしまうから、角度も変えられない>なーんて趣旨の説明を、嘉数高台でわれわれにしておいてですよ、その同じ日に、読売新聞の記者さんには<埋め立て場所は、沿岸よりも少し沖へずらす><滑走路の角度も少し変える>と観測気球リークですかい。
 官僚や官僚出身の政治家がどうして日本人を幸せにできないかお教えしましょうか。試験エリートの秀才官僚には、自分より頭の悪い国民と運命をともにする覚悟が自然にはできないのです。子供のときから泳ぎを知っている漁労の民が入水自殺はできないのと同じなんですよ。
 そこで、万一国家が傾いても、自分ひとりだけはカネと地位と名誉と法的安全と家族の将来の安心を確保するという「泳法」を、無意識のうちに採用してしまう。
 徳川幕府は、終始ついに、シナ王朝からの政権承認を欲せず、求めませんでした。シナからは「日本政府」として公認はされていなかったかもしれないが、その必要が無かった。
 シナとの交易で得られそうな金銭的メリットは、将来の大陸からの間接侵略のデメリットを下回るだろうと、適確に判断したのです。大見識でしょう。
 いったい、わが国の過去の歴史の中で、いくつかの行動的な貴族や武家が、どうして、ただの秀才博士よりも、日本人を幸せにできたのでしょうか。
 それは、彼らは命を的に、体を張ったからです。それで衆望とカリズマを得た。
 命を賭けた行為が、リーダーがフォロアーたちと運命をともにする覚悟があることの簡単な証明になっていたでしょう。
 権力者が国民と最後まで運命をともにすると思われればこそ、民心も支持した。また、そのような支持をうけている政治指導者には、国家を傾けるような真似もできにくくなった。
 ところが、ただの試験エリートの秀才官僚は、そうはならない。
 もう今や日本の人民は、国家を牛耳っている高級官僚が、最後まで国民と運命をともにするつもりなどサラサラないことに、すっかり勘付いてしまいました。だから、おそらく消費も回復しっこないでしょう。
 せんだって収録をした鼎談で伊藤貫さんにもしつこく尋ねたところですが、「スポイルズ・システム」、「ポリティカル・アポインティー制」の日本への導入が、即刻必要なのです。これは小泉氏にも前原氏にも分かっています。現政権と次期政権の天王山はここなのであると。党人による対官僚の討伐戦が、マスコミ的には目立たないが、粛々と進行中なんじゃないですか。
 普天間問題ではどなたも事実を指摘する勇気がありません。国民と運命をともにする気がある奴が、この問題でも、鮮いのです。
 日本はGNPの3%、つまり世界平均の国防負担をすることに決めれば、そもそも米海兵隊に沖縄に駐留していてもらう必要がありません。米海兵隊が沖縄(または日本国内のどこか)にいるかいないか、で、日本の対支抑止力が致命的に変わることなど、今日ありえない。
 ですから日本政府は米海兵隊には、「今年一杯で出て行ってくれ」「シナと戦争になったら、いつでも適当な基地を貸すぜ」と申し伝えるだけで良いはずです。これを指摘できない理屈は百も二百も挙げ得るだろうが、国民と運命をともにする勇気があるのかどうか、まず己れの胸に問うべきです。
 米国防省の秘めている「リアルな計算」と、米海兵隊がする「公式発言」は、大いに違いがあるでしょう。米国防省は、海兵隊が沖縄におらず、グァムまで退がっていても、日本人と台湾人にシナ人以上のガッツがありさえすれば、シナ人が増長することはないと考えています。
 海兵隊の本音は、資産防衛です。既得の沖縄基地と「思いやり予算」は、彼らの長年親しんだ権益になってしまい、いまさら手放せないのです。なんだかんだと戦略的な理由をこねあげますが、それはすべて仮定の上の仮定にすぎず、核武装など、日本人の意志力によって前提が覆るものばかりでしょう。それにあえて論駁せぬのは、やはり日本側の担当者に、日本国民と運命をともにする気がないのです。
 辺野古の海には、台風時には波高15mの破壊力が押し寄せますので、沖にヤワな構造を浮かべただけでは1年で壊れてしまうといいます。防波堤が必要なのです。
 しかし、どうせ恒久設備ではないと考えれば、防波堤もまたメガフロートとし、浮体滑走路本体も、連年修理を行なうという方式でスタートさせることができたはずでしょう。
 そうすれば、ハシモト政権が簡単に考えた普天間基地の廃止そのものは、とっくに終わっていた話です。
 メガフロが選択されなかった理由は二つあると疑われるでしょう。ひとつは施設庁の上層が、われわれが想像するとおりに、土建利権にすっかりからめとられていて、地元土建業者が参入できないメガフロを排除する必要があった。日本の鉄鋼産業の政治献金力などは土建屋にはまったく敵わないということでしょう。簡単に数億のキックバックが捻出できるほどに、日本の公共土建はムダだらけなのです。
 もうひとつの理由ですけれども、普天間基地に私有地を貸すことで毎年何百万円も国から貰い続けられる基地地主たちの意向がありましょう。普天間滑走路の地下は石灰岩質で空洞(鍾乳洞)が無数にある。すぐにリゾートホテルなんか建てられない土地ですので、返還と決まれば、大損なわけです。
 ちなみに沖縄の個人所有の基地用地は、いまや「債券」化しております。堂々と売り買いされている。ゼロ金利時代には、沖縄の基地用地は、金の卵を産み続けるニワトリですよね。なにしろ文字通り、労せずして、防衛庁から毎年数百万円が振り込まれ続けるのですから。
 沖縄の商売人にとり、一生かかって用意した資金で最後には基地用地を買い求めて、それで隠居するというのが、理想とするフィナンシャル・プラニングだそうです。
 ただし基地用地の値段は、基地が返還されるという話が出るだけで変動します。返還後にすぐにリゾート開発ができれば良いですが、そうならない場合は、どうなるか。現在は、嘉手納の基地用地の売値がいちばん高く、普天間はたいへん下落しました。
 あるいは、沖縄で死んだ堀江氏の側近も、こんな基地用地の話に興味をもったのではないだろうかと、ふと思いました。嘉手納クラスの軍用地であれば、これは株よりも確実でしょうからね。
 海兵隊は「有事の航空基地使用」の便宜供与の約束だけを日本政府からとりつけたら、もう黙って沖縄からグァムに全部隊を引き上げるべきなのですけれども、その「そもそも論」を措いたとしましても、あきらかに筋の通らない話があるんです。
 すなわち、いったん地元と同意した、「辺野古の沖合い埋め立て案」が、ごく少人数の反日活動家に妨害されただけで、ボーリング調査を全面的に不可能にさせられ、そのまま、あっさりと計画そのものがご破算にされてしまったことです。これに米軍が不信感を抱くのは当たり前ですね。そして日本政府もこんなマネを前例化させたりしたら、それこそ大禍根になるでしょう。
 その「妨害」というのは具体的には、舟から人(本土から来ている共産主義者)が、調査しようとしている水中に飛び込むわけです。この水中に飛び込んだ中共の手先をうまく排除する方法(またはやる気)が、海保や水上警察にはないらしい。「巡視船や警備艇のスクリューでまきこんでミンチにしてしまったらマスコミがうるさかろう。それは厄介だ」という理由で、排除を試みないのです。
 こんな理由で犯罪人の不逮捕が罷り通るなら、日本は法治国家じゃなくなりますよ。
 まず海保はなぜ水中逮捕術を有しないのか? シナのフロッグマンが大挙して離島やオイルリグにおしよせてきたらどうするつもりなのだ?
 スクリューのない警備艇だって簡単にできるでしょう。櫓で漕げって言うんですよ。
 もうこれは地元警察または政府機関の構造的または組織的怠慢なんですよ。「政府の責任」「公に為した約言」が果たされていないわけです。とてもじゃないが、本件では政府側の弁護はできない。米軍が怒るのがあたりまえです。
 辺野古岬の北隣の大浦湾には軍港はできそうもないですね。水深40mは立派ですが、そこに入るまでにリーフがあります(平島、長島を結んだ線の延長上)。このリーフの一部を深々と爆破して除去しませんと、喫水の深い船(高速双胴船など)は辺野古岬の北岸に接岸できないのです。
 ジュゴンの藻場などどうでも良い話です。シナ人が沖縄を支配すれば、ジュゴンはぜんぶ喰われてしまいます。
 げんざいの沖縄の就職先人気No.1は米軍基地従業員です。その従業員がなんと米軍基地反対デモにも参加しているそうです。戦後の日本政治の欺瞞は、沖縄には露骨に健在です。