「来年7月まで待てる」などと考えている御目出度い政界人たちへ

 日本はアメリカの同盟国でしょうか? そうじゃないですよね。
 自由の敵たる専制シナに良い顔をして、反自由宣言たるマック憲法をいつまでも棄てようとしない。そんな政体が、アメリカ合衆国の同盟者であるわけがない。
 同盟者ではなく、奴隷がふさわしい。だからアメリカは日本から毟[むし]れるだけカネを毟ってきました。レーガン政権もクリントン政権もブッシュ親子政権もベイシックな侮日観(=シナに叩頭し続けるどうしようもない奴隷)では一貫しているのです。唯、小泉純一郎だけがホワイトハウスから認められた。小泉氏はすくなくとも自分はシナ嫌いだと態度で表明し続けたからです。
 1994年にアメリカは北鮮爆撃ができませんでした。これも、日本がアメリカの同盟者ではなかったせいです。でも、奴隷なんだから、困っても構わなかった。北鮮が北米を攻撃できないことは明らかでした。正日がさんざんテロを働いていた頃も、在韓米軍には決して手を出しませんでした。
 今回も、アメリカは北鮮爆撃ができないかもしれません。これも反自由主義国の日本のせいです。日本が専制シナと戦争しようとしないせいなのです。
 アメリカには時間があります。日本には時間がありません。金体制にはもっと、ありません。
 とすれば日本が率先して戦争の矢面に立たなければならぬわけですが、安倍氏はこれまで核有事について何も考えてきておらず、これからの新事態を乗り切る器量はありません。
 自民党の安全保障調査会長である山拓氏は鹿児島で講演し、北鮮が要望するアメリカと北朝鮮の二国間直接交渉は朝鮮半島の非核化のためになるので、日本は正日のこの要望を後押しすべきだと語ったそうです(ネットの14日夜のTBS報道による)。公害企業と住民代表のボスが密室で多国間の公的な諸約束を度外視して「手打ち」をすればよい、というのですから、もうこれは「自由主義」でも「民主主義」でもない。
 料亭利権政治の発想でしか日本の防衛を考えられぬ人がかつては防衛庁の長官だったと考えますと、日本国の人材払底はおそるべきものです。
 ヤクザと警察が馴れ合って地域が平和になるわけがない。
 TBSによれば山拓氏は<臨検は北朝鮮の暴発をよび、相当な被害を受ける覚悟をしなければならない>とも述べたそうですが、「暴発」って何ですか? 核攻撃と比べての「相当」な被害とは、何を言いたいんでしょうか。
 1989年1月にリビアが地中海から圧迫してきた米空母をミグ23で追い払おうとして逆に2機が撃墜された。カダフィ大佐はそれ以降、おとなしくなります。
 北鮮は朝鮮戦争でボロ負けして以降、米軍に対してちょっかいをかけたことはありません。金正日は、カダフィよりも己をよく知っており、カダフィよりも「命惜しみ」です(カダフィは地下壕には逃げなかった。テントで寝ているところを米空軍のF-111で爆殺されそうになっている)。過去にまともな国家意思として「負けるのは決まっているがやってみる」と、西側先進超大国相手に開戦したことのある国は、旧大日本帝国だけでしょう。その思想的背骨は水戸学(陽明学)であり、ペリーの黒船体験です。昭和15~16年の日本海軍は、ちょうど幕府(帝国陸軍)に対する長州志士の「水戸学」の心組みがあった。しかし今の北鮮に「旧帝国海軍」や「長州志士」と立場が似た有力攘夷派グループは存在しません。ヤクザは警察に戦争は挑みませんし、江戸幕府も、敵を知ったあとは「攘夷」は選べなかった。敵を知った幕府たる北鮮の正規軍が38度線を越えて南に突出してくることはありません。また特殊部隊で正規戦争に勝てるのなら、徳川家康ではなくて忍者が江戸幕府を開いたことでしょう。
 アメリカはイラクで「占領術」には自信を失いました。このトラウマが癒えるまでは、他国の占領作戦はできない。だからシナの脅しに対しても腰が引けています。どうしても必要な場合は、国連軍に北鮮を占領させるこでしょう。
 しかし米国は「オペレーション」で自信を失ったことはないのです。アフガニスタンでは逆に自信を強めています。アフガニスタンは北鮮よりも広かったがオペレーションは不安がありませんでした。
 北鮮が38度線で、対韓国軍民限定の砲撃戦をしかけてくることはあるか? 
 これは核テロとは違い、おびただしい事前準備が必要です。かならず兆候を事前に知ることができます。あっと驚くような「被害」は出ません。また北鮮がこれを実施すれば、これまた「ヤクザが警察に戦争を挑んだ」ことになり、朝鮮の気違い国家は短時間で消滅し、非核化が実現するでしょう。
 山拓氏の北鮮弁護発言とおなじ14日に、国民新党の亀井代表代行も、<制裁につぐ制裁をビシビシとやるだけで、あの危険な北朝鮮が安全な国に変わる保証がどこにあるのか><ミサイル防衛の構築を急ぐべきだ>と、党員を前にピントの外れた演説をしたようです。論駁する価値もない愚論ですが、現時点での阿呆のサンプルとして紹介しておく意義はあるでしょう。
 設計図と実用兵器とのあいだには遠い懸隔があるものです。それは数多の実験によってのりこえられます。
 核爆弾は地表(高度ゼロ)で爆発させると、敵都市に与える損害が半分になってしまうのです。火球が大地に触れるため、核爆発の熱エネルギーが、土を蒸発させるために無駄に消費されてしまうからです。
 爆発イールドにみあった高度で、つまり都市の上空で、爆発させねばならない。
 そうすることで、上からの衝撃波と、大地で反射する下からの衝撃波が、水平方向への合力となり、毀害半径を最大にしてくれるのです。
 ここで重要なのが「信管」です。広島や長崎では、爆弾自身に取り付けた電波高度信管によって、地表から2000フィートで起爆させました(20キロトンに対しては2000フィートが最善の高度。それより小イールドならより低く、それより大イールドならより高くされねばならない)。ただし落下傘で減速させながら投下したのです。
 核爆弾を中距離射程のミサイル弾頭とする場合、最終落下速度は音速の数倍~20倍です。これをきっかり、地表から数千フィートで爆発させるのは、簡単な技術ではありません。
 では北鮮は、ミサイルを一定の中空で起爆させる信管実験を、過去にしているか?
 していないのです。つまり技術蓄積はゼロ。これから実験をするしかないのです。
 そんな時間が北鮮にあるでしょうか? わたしは、無いと思います。
 信管のタイミングが1秒狂えば、弾頭は地面に激突し、壊れてしまいます。もちろん核爆発は起きません。それどころか、壊れた核爆弾を外国に進呈してしまうことになります。
 タイミングが速すぎれば、やはり最大限の毀害を地表におよぼすことができなくなります。中距離弾道弾は抛物線なのですが、地上の人の目から見たスケールでは、さいごは天上から降ってくるのではなく、水平線の横から降ってくる感じです。ですので、信管が早く作動すると、起爆高度が大きくなりすぎるのみでなく、水平位置も目標の中心からずいぶん大きく手前にずれてしまう。
 こういうことが分らぬ人が、10月9日より前の時点で、それも何年も前から、「北鮮は日本を攻撃できる核ミサイルを複数持っている」と騒ぎまわっていたのは、いったい何の根拠があり、誰の為にしていたのでしょうか?
 化学兵器神話も同様で、適切な高度で適切な粒子サイズを生じさせる技術は「ハイテク」に属しますが、北鮮はそのような実験を過去にしていないのです。
 彼らにできるのは、北風が吹いているときに、38度線から原始的な毒ガスを「放射」することだけでしょう。神経剤は、液状ミストとして「雨下」させないと、大気に希釈されて効果が激減します。オウムは、開放空間で行なった松本サリン事件では7人、理想的密閉空間の地下鉄サリン事件でも12人しか殺せていません。
 日本人が核武装する気がないのであれば、数年後に日本の首都は、長崎市のような起伏の多い土地に、遷都を余儀なくされるでしょう。1945年8月はじめの長崎市の人口密度は広島市よりも高く、長崎原爆のイールドは広島原爆のイールドを5キロトン前後も上回っていましたが、長崎市の被害面積と死者数は、どちらも広島市の数分の一で済みました。地形の違いは、核戦争ではこれほど圧倒的になるのです。平地の都市に暮らすのは、隣の気違い国家が核ミサイルで武装したあとでは、はなはだ無謀でしょう。
 とりあえず、市ヶ谷の防衛庁は遠い郊外に引越し、空きビルには、在日米軍司令部を誘致することです。