電気メーカーは、ソーラーライトで墓地の「1年灯明」を作って売り出せ

 三条市のパール金属は、相当強気の値段設定でソーラーライトのラインナップをネット上に広告している。直感だが、新潟県という立地の冬の天候、そして、この価格で競争しているということは、冬期の発電性能にも相当の自信があると見た。
 しかし、残念なことに、遂に固く女房から無駄遣いを禁じられてしまった甲斐性なしのわたしは、この商品を取り寄せて比較テストをすることができかねる身の上となった。あまりにも形状の異なるライトを柵上に幾つも並べたものだから、庭の美観が損なわれるとかいう小言も頂戴してしまった。いーじゃねーか別に隣に他人様の家があるわけじゃなし、暗闇を照らすものなんだから…。じつに女子と小人に安全保障を説くことは至難の業。バイオニアは家族からも理解されることはない。というわけで、パール金属のソーラーライトの性能について、誰か知っているユーザーがいたら、是非、こっそりとわたしに教えて欲しい。
 しかし「高性能ソーラーライトなど無駄遣い」という庶民感覚を、あなどってはなるまい。いくら「電気代ゼロ」といったって、冬の明け方まで毎晩確実に点灯が持続してくれる商品を買おうとしたら、1個5000円ですよ。しかも設置したら無限に作動しまくるわけでもない。充電約500回(つまり1年4ヶ月半)で、高価な充電式電池を交換しなければならん。わたしが2回目に買ったア○リ○オ○ヤ○の一製品なんて、買って三月もしないのにもう電池の寿命が末期に近い症状を呈してきておる(晴天で半日充電して2時間も発光しない)。しかも小容量の交換用充電池は地方の電気店ではまず売っておらず、通販で○イ○ス○ー○マ製(これがなぜか900ミリアンペア。製品に最初から付属しているのは600ミリアンペアのニッカド)を求めねばならぬ。
 1年半以上もったとしても、こういう面倒まであわせて、「お買い得だ」と考えてくれるユーザーは絶対に稀だ。メーカー側にもそれが読めているから、オーム電機のような例外をのぞいては、良い商品の開発にイマイチ乗り気になれず、非良心的なラインナップを市場投入するのだろう。
 では、安くて高性能なソーラーライトは将来も不可能なのか? 「商品X」という例外現象の調査が行き詰っているために、過早に断言もできないが、パネル単体で検索してみると、高性能な太陽光発電パネルが、やたらに高額だとは知られる。
 おそらく、コストを度外視すべき理由(たとえば、僻地の無人灯台の電源にする、等)がなくては、これは合理的な買い物にならぬと察せられる。
 じつは、わたしが大学生時代すでに、「太陽電池を製造するために必要なエネルギー・コストを、その太陽電池が使用不能になるまでに発電してくれるエネルギーが、上回るようなことはない」といわれていた。「エネルギー」を「電力」に限定したとしても、この命題は妥当する。それに対する有効な反論は、聞かれなかった。今でもこの見通しは真なのだろう。
 だが、活路はある。「意味もなくソーラーライトを愛好する会」会員No.1 として提案する。それは墓地用である。日本の墓地をもっと明るくしようではないか。
 彼岸や命日に墓参するマメで敬虔な日本人がいまどのくらいいるか知らないが、盂蘭盆は格別だろう。そこでは誰もが灯明をあげるだろう。これをソーラーライトにしてしまうのだ。火災予防になって良いだろう。
 年に一度のこの用途であれば、「数千円は高い」という日常感覚は適用されない。コストの合理性よりも、「1年間、消えない灯火を置きたい」という気持ちが勝るからだ。
 神社の参道に寄進する石燈籠に仕込めるタイプも、早く研究して欲しい。