すでに生産中止なのでは?

 「商品X」の、メーカーor型番or生産販売時期アイデンティファイ情報が相次いでおり、「意味もなくソーラーライトを愛好する会」会員No.1として、この場を借りて深く御礼を申し上げる次第だ。
 さてみやさと氏からご提供の2件だが、「電池一本」なおかつフラッシュ式発光の方は、あきらかに商品コンセプトからして違うと考えるべきだろう。600ミリアンペアの電池一本で「商品X」並の優良パフォーマンスが得られるとは、これまでに得られた「相場値」から見て、とても想像できない。
 外形が似ている理由は、先行する「商品X」が非常に優秀であったがゆえに、それに倣おうとしているのではないか?
 じつは多くのメーカーが、「商品X」の好成績にあやかろうとしているのではないかと疑われるのだ。おそらく「商品X」のコスト・パフォーマンス比および商品バランスは、誰もが外見をパクりたくなったぐらいに、傑出していたのだろう。ユーザー以前に、同業者から評価を受けているのだ。
 次のメイドインチャイナ物だが、これとて同様と思料する。たとえば明暗センサー(微小な丸窓の中につづら折りの金属線が見えるはず)は、「商品X」では、発電パネルの枠外には付いていない。
 唯一、内部の小さい長方形の回路基盤のサイズが、「商品X」と似ている印象を受ける。が、決定的な違いは電池ケースである。「商品X」の電池ケースは、回路基盤と同じサイドにある(表裏に分離されていない)。しかも、電池の上から1枚のプレートをかぶせて、両端を2本のネジで締め付け、それで以って、電池の脱落を押さえている。いまどき、このようなアッセンブル工程の損な電池ケースを使っているソーラーライトは、無いのではないか? 
 つまり、「商品X」は、わたしの当初の推定以上に古い。たぶんは2年以上前に出荷された物なのであろう。そう考えると、あの基盤周辺のクモの巣や虫の卵や錆びっぷりなども、説明される気がする。
 そんな古い、使用時間の経った製品でありながら、今日まで4本セット(?)のうち3本が、完全に機能を維持しつづけているということは、改めて「驚異的」だと特筆大書する価値がある。(4本並んでいるうちの1本は、LEDがごく微弱に光を発するだけで、ホヤの外からは夜間でもまったく発光は視認できない、死亡同然の状態。)
 「商品X」そのものは、現在ではもう売られてはいないのだろう。しかし「商品X」をリリースした会社が、初代のパフォーマンスに劣らぬ後継商品を、現在の市場に投入しているかもしれない。それを、捜索したいと念じている。
 さて余談の一。ソーラーライト用として最も優秀な発電パネルをドイツが開発していることは、同国の長期エネルギー政策と無縁ではない。ドイツの有権者は、〈将来は原発には頼らない〉という大胆な道を選択してしまった。だから太陽電池の改良にも真剣である。この本気さは、好感できる。
 翻って、日本はプルトニウム発電に賭けていくしかないのに、程度の低い役人とマスコミが、その道を自分で邪魔しているのだ。
 余談の二。北鮮がまた「重油をくれ」と言っている。アメリカは、重油ではなく、ソーラーライトを送れば良い。もちろん、半分イヤガラセとしてだ。
 夜間に発電所が運転を止めてしまうあの国で、夜の明かりがなくて危険で困っている民生部門もあるだろう。シナ製の「手回し発電ライト」が大量に輸入されているという。しかしそんなものでは病院の照明にもなるまい。
 ソーラーライトならば、重油と違って、いつのまにか軍用トラックの燃料に化けてしまうこともない。光量の割りにかさばること、小田原提灯とタイだから、軍用照明にも使い難い。援助されたソーラーライトそのものの横流し密輸出が発覚したら、北鮮政府の不誠実さが物証を以って海外に再確認されるだけである。電池だけバラして横流しするという手もあろうが、ソーラーライトに組み込まれている充電式電池は、容量が600ミリアンペアしかないうえに、フルにではなく最小限の初期充電しかされていないから、使えばすぐ電圧が下がってお終いだ。それをフル充電するには、けっきょく、ソーラーライトに戻して、庭先で日光浴させるしかないのだ。このなごみの光は、北鮮人の性根をも改善するだろう。