北条氏長の「神心の曲尺」・その他

 先に「神心」の出典は宋学・朱子学ではないかとボケたことを書いてしまったが、これは北条氏長の『士鑑用法』にあった。
 ――当然の理にまかせて、事に従って無為に設計する。築城の縄張も、用兵も、天下の政治も、同じである。神心の曲尺(かねじゃく)を外さぬことだ……。
 総括して「方円神心の一理」とも言います。方と円、すなわち四角・直線と曲線のことです。「かねじゃく」は大工の物差しです。
 朱熹の著書からの影響がある――と言いたかったのは、宮本武蔵の「流水」等の用語についてでした。〈心を活発敏捷にして、居ついてはならぬ〉といったモットーですね。これは、いずれまた、忙しくなくなったら、考察したいと思っています。
 さて、3月中旬の南九州基地ツアーの写真が、まだ管理人氏宅には届いていないらしい。(20日の夕方にローソン店内のポストに投函したのがまずかったか。翌日は祭日だからひょっとして郵便局が集めたのが22日午後。それで23日に大阪輸送となり、24日にはまだ大阪の局内での仕分けが済んでいないのかもしれない。とすれば配達は月曜になるが、管理人氏は勤め人だからスキャナー取り込み作業は週末しかできない。つまりUPは4月1日になってしまうだろう。ちなみに小生はワンチャンスの取材には使い捨てカメラしか使わない主義。デジタルなんかイザというときに信用できぬ。)
 というわけでつなぎにキャプションには書かなかった無駄話でもしておきます。OH-1という国産の攻撃ヘリもどき(名目上は偵察ヘリ)が少数、整備されているのですが、これは、あらゆる点で、ぜんぜんダメだったそうです。
 で、アパッチはできれば全部、ミリ波レーダーのある型にしたかったのは山々なれども、予算をベラボーに喰うので、ミリ波レーダー搭載型は少数にせざるを得なかったのだと。
 (ここで加藤健二郎氏が突っ込み。アパッチの最高グレード型には、目標配分機能があるものがあるのだから、それを指揮用として、指揮用アパッチ1機と、ウェポン運搬用の汎用ヘリ数機を、組み合わせてチーム運用すればよいではないかと。)
 また小生は尋ねました。アパッチで南西諸島を守ろうというつもりでもあるのかと。答えは否。
 南西諸島のスケールがヘリ運用には広すぎるためです。南西諸島を攻撃ヘリで守ろうと思ったら、ヘリ空母を造るしかないそうです。
 さらに雑談ついでだ。
 ブッシュ大統領が北鮮への態度を変えたと騒ぐ人がいますが、国家指導者が、他国民を「手段」ではなく「目的」と看做して良いわけがないでしょう。それこそ無責任です。
 クリントン時代、アメリカ政府としては超異例にも、まったく人道的な理由だけから、ソマリアに軍隊を送り込んで介入すると決心したものです。ところが、現地人のために米兵十数人が惨殺されるや、米政府はサッサと軍隊を引き上げ、それに続いてツチ族とフツ族がアフリカで殺しあっているのはサクッと傍観し、今に至るわけです。
 その後、米政府が人道的な理由だけから米軍を海外に送り出して交戦させたことは、ありません。これは、民主党も共和党も関係ない。米議会=米国世論が、くだらないおせっかいには賛成しないわけです。
 米国の識字階級の有権者は、この20年くらいのあいだに、外国人、特に非白人は、もう頭の中身が違いすぎて同情には値せぬ、と心の中で判断するようになってきました。ソマリア事件が、「アフリカ人は低脳すぎて助け甲斐がない」と、すっかり結論させました(もちろん口には出しません。ポリティカル・コレクトネスがあります)。また、最近のシナ人と朝鮮人の海外での評判が、「東洋人は恩知らずで信用できない。助ければ、かならず恩を仇で返す奴らだ」と思い込ませてもいるのです。おそらくアメリカが北鮮の人民を圧政から自由にしてやれば、北鮮の人民は恩人のアメリカに最も迷惑をかけるだろう、と、正確にも、見越せるようになった。
 だから、米国人のごく一部が、北朝鮮にさらわれた日本人に同情することはあるでしょうが、その同情ゆえに、米軍が北朝鮮と戦争することは、最初から可能性としてまったくゼロだったわけです。
 ではどうすれば良いのか。4月発売の『別冊正論』は憲法特集のようですが、そこにヒントがあるのではないでしょうか。