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 さて、公務員の天下りイビリ問題などがなぜこの時期に出てきているか、低LEVELバカ右翼をはじめとする徹底不勉強主義ネット浮浪民は、その梅干並の脳ミソに活を入れてよく考えることだ。
 公務員の天下り問題に政治家が首を突っ込んでも得をすることはほとんどない。政府がそんな面倒な事業をわざわざ掲げているのは、それに別な効能があるからだ。
 真の狙いは、その問題の次に報道されるようになる「ロードマップ」を庶民に受け入れさせること。それに対する庶民の反感を、事前に懐柔する緩衝材の機能が、公務員イビリには期待されているのだ。
 それが何のロードマップなのかは、わたしも皆目分からなかった。折柄、「消費税率UP」のアドバルーン報道が出てきた。すると、これであったのか……?
 一般に、税率UPを歓迎する納税者はどこの国にもいないから、その報道に接して悪感情を抱く有権者の気分を、予め中和しておく必要がある。日本政府もさいきんは、そのへんの呼吸を学んで来ている。
 そしてこのたび用意された中和薬が、公務員イビリなのかもしれない。
 役人の再就職規制などは実質、失敗することは予見されている。だが政府にとっては、それでいい。ポーズと宣伝効果がすべてだ。
 〈民間とは段違いのさまざまな“生涯福利厚生”を享受している公務員をこのようにキッチリと苦しめましたから、納税者の皆さん、消費税率UPをヨロシク〉――という宣伝が続くのかもしれない。
 財務省が、2008年以前にプライマリーバランス修復に実効的に着手せねばならぬと焦る事情、その解法として日本を「大インフレ」にしてしまう手もあったこと等については、他のヒマ人がどこかで解説しているだろう。
 ところで「みせがね」ではない真の公務員人事制度改革とはどんなものか?
 有料の「読書余論」に入塾している「おりこう右翼」の諸士はすでに気付いてくれたことと信ずる。1930年代のソ連の絶好調は、石油輸出収入の他に、公務員人事制度の活力に理由があった。
 民間会社の場合、「上司から見て役には立たないが組織に忠誠な社員」を飼っておくことにもそれなりのメリットがあるのだ。本来的に不安定な民間企業の空気を安定させ、その空気が、有能社員の活動を効率化させたり、各社員をして、会社の長期の繁栄のための工夫を自発的にさせるようチアアップする効果もあるからだ。
 無能社員は、自分のかけがえのない自由を会社に売り、会社は自由社会ではそれ自体が貴重な「忠誠」をサラリーで買っているという関係だ。(だからこれは余談になるけれども、永久就職の無能正社員の福利厚生が、有能バイト君よりも数十倍良好なのは、自由売り渡し黙契の代償として、当然なのだ。有能バイト君は「転業機会の自由」「臨時欠勤の自由」などを享受できている。)
 その民間とは逆に、役所は、本来的に安定な職場であるから、「上司から見て役には立たないが組織に忠実な公務員」を1日でも飼っていたら、国家と全国民は累積的にふくらむ損失を蒙らざるを得なくなる。
 1930年代のソ連の人事制度は、役立たずの部下公務員を有能な上司の一存で即刻に職務停止や左遷にできた。もちろん、不当に下降的配置転換をさせられそうになった当の部下公務員は、直上上司をとびこえて自分の有能さと上司の無能さを党幹部にアピール/上訴すれば、その直上上司を逆に左遷させることもできた。
 この結果、1930年代のソ連では、有能な公務員だけが、同じポジションに長く留まり続け、無能な公務員は、下降的配転を続けることになったのである(ときには銃殺粛清された)。
 もし、この人事制度なかりせば、ソ連は決してドイツと戦って生き残ることなどはできなかったし、アメリカにすぐに続いて原爆を造って生き残ることも不可能だったろう。
 しかしフルシチョフ以降、しだいに「上司から見て役には立たないが組織に忠実な公務員」をシベリアの強制労働キャンプに送り込むことができにくくなって、ソ連は衰退している。
 日本の国家公務員制度では、あるポストに最適の人材が発見されたとしても、彼は決してそのポストに長く留まることができない。また無能な公務員も、組織に忠実であれば、上昇的配置転換を続けて行く。さらに、重大な法律違反を犯したり、国家叛逆行為を為したことが発覚した高級公務員(高級軍人が大宗)を、銃殺はおろか、懲戒免職にもできなかった。これが戦前の日本帝国の敗因であったし、今日の諸々の苦境の原因だろう。
 すくなくとも、現役の衆議院議員たる閣僚/大臣(すなわち有権者に直接に責任を負うている公務員のボス)は、何の理由も示す要なく、直接の口頭示達のみによって、ただちに部下公務員を随意に配転させられるようにすること。今日では、これが、日本を救う改革だろう。この改革を回避した「制度いじり」は、所詮「みせがね」で終わる宿命だ。
 消費税率を上げようとするときに必ずひっかかるのが、食料品課税をどうするのかという話。瀬戸氏のブログでも正面からとりあげていたのは、見上げたものだ。
 この解決案も提示しておこう。
 消費税率0%の食料品のみを扱う「免税食料品店」の営業を、届出制で、公許することだ。
 離島や交通不便の僻地村では、1店舗内に仕切りを設けてレジを分離するだけでも認める。もちろん、帳簿は分けなくてはいけない。こちらは、許可制にする。
 いやしくも「市」または「区」となっているエリア内では、この「免税食料品店」以外の商店では、食料品にも無差別に定率の消費税をかける。
 この結果、大都市では店舗の数が著増し、雇用が増えて、景気も良くなることが期待できる。
 一方では食料品の消費税率を減税するのだから、この税率改正は、有権者に受け入れられるはずだ。
 もちろん、真正の公務員制度改革がなされれば、これまで土建や男女共同参画など経済活動の最下流に、ほとんど無駄に(利権構造に食い込んでいる公務員と公務員OBにとってのみ大いに有益に)たれ流されてきた兆単位の予算費目を、ハイテク軍事という経済活動の最上流に一点集中してかけ流すことができるようになる。
 経済活動の最上流に投じられた公的資金は、最下流に達するまでに、「投資の乗数効果」を発揮するので、日本の景気をよくし、日本の頭脳需要を増して、国際競争力を底上げしてくれる。(投資の乗数効果と「シナジー効果」とを混同させて道路土建投資を弁護せんとる誤導宣伝がよくあるから読者は注意せよ! 高速道路も海底トンネルも超高層ビルも、いまやルーチンで竣工できるローテクにすぎず、研究開発などの新規の頭脳需要は発生しない。)
 日本ぜんたいの景気が少しよくなるだけでも、国庫に収められる法人税その他が著増する。消費税率UPなどまるで必要なくなるほどに、景気浮揚の効果は大なのだ。その王道的解決を阻んでいるのが、天下り利権構造(公的資金ドブ流し捨て構造)なのだけれども、天下りだけを規制しようとしても、大臣に部下公務員を思うように働かす人事権力がないのでは、日本の事態は今日と何ひとつ変わるまい。歴史が教える常識である。