防衛省はさっさと「英語宣伝チーム」を創っとかないと、外交官に潰されるぜ

 毛沢東時代のシナは、ほとんど鎖国状態の独裁国家だった。このシナとの貿易を日本が始めるとすれば、極端な統制貿易からスタートするはずだった。
 統制貿易の初期の利潤はベラボーなものであり、それを許認可する権限のある者は、莫大な賄賂を、表向き合法的に、特定関係団体から、得ることができる。戦中の統制経済を知る官僚にとっても企業人にとっても、それは経験的な常識だった。
 左右を問わず、戦後日本の売国的政治家の誰もが、最後の巨額利権源を開拓し、手中にした資金力で、日本の中央政界に君臨したいと欲望していた。
 そして田中角栄グループが、とうとうその勝負に勝つ。
 田中氏の勝利に貢献したのは、外務省の中堅高級官僚の売国的アイディアだった。まず、朝日系文人らとコラボして、「対支侵略史」を捏造する。日本国内に「日本は戦時中シナ人民に一方的に迷惑をかけたのであり、1970年代の今日、蒋介石ではなく北京の中共にこそ日本から金一封を送り届けるのが当然だ」という、まったく理屈に合っていない「空気」をみなぎらせる。
 北京はもちろん、その工作のすべてを大歓迎し、田中氏を引き立てることに決める。
 田中グループは、ODAを象徴とする賠償代わりの諸便益を合法的に半永久にシナに向けて供出する財政慣行を固定した。そのマージンの一部が、田中グループに、表向き合法的に、還流するのだ。このプロットに協力し、田中氏を儲けさせ、北京をも悦こばせるアイディアを出す中堅官僚たちには、堅い出世が約束される。
 「日中友好」関係の、官営/半官営/ヒモつき民営の機関が次々に新設され、そのおいしいポストがまた、田中派から官僚に与えられる餌となった。(たぶん金丸信氏は、似たような権益構築パターンを、対北鮮で再現しようと試みて、失敗したのだろう。)
 こうした売国的工作、否、国家叛逆の記録を、げんざいの中共は、もちろんすべて保管していることであろう。したがって、いまごろになって、たとえば安倍総理から「シナの慰安婦プロパガンダに対抗してカウンタープロパガンダを米国で打て」と外務省が命令されても、外務省は、それを実行できるわけはない。もし本気でそんな動きをすれば、北京は田中時代いらいの秘密を、小出しにバラしていくだけだ。うしろぐらい日本外務省は、自国の政府に対して、一貫して面従腹背のサボタージュを続けるしかないのだろう。
 この外務省の売国的工作には、防衛庁を除く多くの省庁が合法的に加担をし、あまりにも多くの与野党の現役政治家が、関与してきた。
 それらを廓清することなく、「スパイ罪」を制定するのは難しいだろう。なにしろいちどスパイになったら、足抜けは絶対にできない。相手国が、それを許しはしない。だから、スパイ罪などが制定されたら、過去にスパイを働いた官僚氏や政治家氏は、まちがいなく、やがて刑務所にいくか、さらにスパイを続けて日本を売り続け、それを別な有力な利害国から指摘をされて社会的に抹殺されるか、道は二つ、ゴールは一つしか、なくなってしまう。
 マック偽憲法を戴いている戦後の日本ほど、スパイ罪や国家叛逆罪が定着しそうにない国家もないであろう。朝鮮総連に破防法が適用できぬのも、総連から逆襲的に過去をバラされると困ることになる人士が、日本には多すぎるせいだろう。
 ところが、日米が航空宇宙および核戦備関連の先端軍事技術で協力するためには、スパイ罪はどうしても必要なのである。それについて、防衛省にはなんの異存もない。しかし、外務省には、異存があることだろう。
 シナは「米空軍恐怖症」に罹っており、F-22のライセンスを日本に供与させないためなら、なんでもやる気だ。おそらく日本外務省も、その工作の手先になれと、はたらきかけられている最中だろう。
 この局面で、外務省の唯一の「抵抗の武器」は、英語になっているのだろう。
 アメリカの権力エリート層はイギリスの権力エリート層と違って、外国語の習得にまったく不熱心だ。国務省すら然り。大統領府は、さらに然り。英語が話せる外国人の使者は、それだけで好感され、優待される。
 これにいち早く着目したのが、シナ人であり、韓国人であり、それに続いていま、日本外務省も、気付きつつあるのだろう。英語でそれらしく要求しただけで、米国務省の下僚や連邦下院議員は、腰軽に動いてくれる。
 北京だけがいくら「F-22を日本に置くな」と叫んでも、アメリカには馬耳東風だったろうが、もしも日本の外交官の口から「F-22を航空自衛隊が持つことは、近隣アジア諸国を刺激し、アジアを不安定化させる」とか「防衛省と自衛隊にはF-22の軍事機密を守る能力はない」と英語で吹き込まれたら、効果はおのずから別だろう。
 おなじく、北京だけがいくら「大東亜戦争についての田中時代の捏造侵略史観を撤回するな」と叫んでも、アメリカには何のことか分からぬだろうが、もしも日本の外交官の口から国務省の小者に対して、「東京裁判史観をくつがえそうという勢力が日本国内にあり、首相までがそれに乗ろうとしているが、この動きは日米関係にとっても米国のアジア外交にとっても、致命的になりましょう。というのは国内に余計な論争をひきおこし、政権を短命にし、アメリカが求めている構造改革が遅れるからです」との警告を吹き込まれたなら、それは国務省の上の方へ、さらには大統領府にまで通じ、「安倍は靖国神社に二度と肩入れするな」との厳命が、ワシントンから下されることにもなるだろう。
 日本外務省は、大本営の対米開戦奇襲に最高幹部が協力した過去を抱えている。その外務省のパリ不戦条約違反をアメリカがおめこぼししてくれた東京裁判を、シナといっしょにマンセーし続けなければならない立場にも置かれている。そんな過去を呼び醒まされる靖国神社には、彼らは関わりたくはないのだ。
 いよいよ防衛省には、覚悟が必要だ。