和菓子の恩

 ところで今の英語の“smart”には、「狡猾な」「悪賢い」以外の意味は、ありましたっけ?
 旧海軍の将校がなぜか「スマート」を自称したところから、日米間で「スマート」のニュアンスがズレてしまっているという印象を受けます。
 遡ると、おそらく19世紀頃、英国の口語表現として、smart を〈みてくれが洗練されている〉といった意味に、一時的に用いていた。その流行俗語を、帝国海軍がモロに受けてしまったのでしょう。
 去年、大物で目の上のたんこぶのハンチントンが死んだので、今年は気分昂揚中なジョゼフ・ナイのとっつぁんが、〈ソフト・パワーなんて言ってた日にゃ、シナに対抗でけんだろ〉と突っ込まれてきたのに民主党新政権として返答する必要から、慎重に選ばれた形容詞が smart に違いないですよ。