731部隊は1918体験から生まれた

 『史上最悪のインフルエンザ』の訳者あとがきを読んだら、日本では1918-8~1920-7の期間に、総人口5500万人のうち38万5000人がインフルエンザないし肺炎で死亡したとある。
 また本書の最終章では、アメリカ人たちがもののみごとに1918パンデミック体験を忘れてしまったことの不思議さが歎じられている。著者推定で60万人も死んだにもかかわらず、だ。
 そこで石井四郎の履歴を見直してみたら、陸軍二等軍医になったのが大10-4、つまり1921年じゃないか。彼は、日本のパンデミックを、京大の細菌学専攻の医学部学生として、まのあたりにし、かつ、じぶんは生き残ったのだった。なんてこったい。