シナにこんなに効くのは初めてか? 発見された仮想兵器「TAIKOH2010」

 09-7-4のサイバー・アタックは、韓国と米国だけを相手にして、日本を回避した。奇妙でしたが、だんだんに真相の見当がついてきました。北京が北鮮に、「いま日本人を刺激したらアカンど! 総選挙後まで待つのや」と必死の形相で指導してるさいちゅうなのだ。
 シナの新華網が、わざわざ北鮮の『労働新聞』7-7記事を紹介して、北鮮は日本を軍事的に威嚇していませんニダ、などという泣き言を紹介したという。オイ、その記事を無理矢理に書かせたのは、そもそも北京だろがよ。
 プロボクサーなら、敵のボディブローが利いても決して顔をしかめたりしないように訓練しています。こちらがダメージを受けたことが気取られれば、こちらと同様に疲れているはずの敵選手を、急に何倍も元気付けてしまいます。それは外交の上の不利になります。しかし今回のシナと北鮮は、うめき声を漏らした。
 アレが、面白いほどに効いているのでしょう。これほど効くのならば、日本は毎年年末に「大綱見直し」をやることと決め、年がら年じゅう、衆院解散総選挙の噂とともに、騒ぐべきではないでしょうか。また、今度の解散は、後に延ばせば延ばすほど、わが国民の安全を増してくれそうなことが、はっきりしたと思います。
 アレとは、「2010~2014大綱」に自民党(そのじつ内局と三菱重工。あまり調子づくなよというのでF-2潰しのChina-lover財務省が今回摘発させた?)が大射程の「対艦弾道弾」保有の案をダメモトで突っ込むと前宣伝したことに他なりません。マスゴミはこれをスルーしたけれども、北京は小便をチビった。「案」はタダです。もっと論議しましょう。
 不肖兵頭も手伝おうと思います。百尺弾道弾一歩を進め、「対渤海湾潜水艦用の陸上発射型長距離弾道ミサイル」を日本独自に開発することを、大真面目で検討しませんか。
 ……えっ? そんなの「非現実的」ですと?
 それは武器オタクが陥りやすい自閉症です。
 敵国を政治的に動かすことのできた兵器(案)が、一国にとって「最も良い兵器(案)」なのであり、それは〈コンバット・プルーヴンなリアルな性能〉や「フィージビリティ」「アフォーダビリティ」とは、あんまり関係がないことが多いのです。(たとえばイスラエルの巡航ミサイル搭載潜水艦ですね。まさに対イランの政治兵器でしょう。シルクワームでは撃攘できんというところが唯一の証明済みメリットです。)
 日本は、MDでは、あんなにカネをかけ、デモ実験まで繰り返して、それでも、少しもシナを凹ますことはできませんでした。ところがどうです。かたや「2010大綱への自民党希望案」は、案だけなのに、早くもシナに有効打を届かせているわけです。現実外交の上に効きまくりなんですから、これをもっともっと推進して行くのが、「安全・安価・有利」な政治です。
 軍事は政治の隷属要素にすぎません。マクナマラ氏はベトナムを経験してさらに老人になってからやっとそこに気づいた(それでフォッグ・オブ・ウォーなんていうクラウゼヴィッツ用語を使ってみせたのです。ある意味まじめ)。歴史に学ぶ若い日本の学徒は、もっと早く弁えましょう。それがJSEEOの願いです。
 もちろん、09-7-8の浜田防衛相による、〈与那国島に陸自配備検討〉発言や、これから始まる国会での「貨物検査特措法案」審議も、今後は効き目を加重させることでしょう。ただしこれらは6-22以前には効いていなかった。
 それから、同じ自民党案の中に混ぜられていた「10年以上先の和製DSP」案は、やはり、毛ほども効いとらんでしょう。日本本土から渤海湾まで見張れるOTH案の方が千倍効くと思っているので、わたしはこの提案をし続けようと思います。(誰か反論して盛り上げてくれないでしょうか?)
 効き目の兆候は最初に、6-22にあらわれました。
 拙宅にタダで届けられてくる『海上保安庁新聞』のH21-6-25日号によれば、北鮮は6-22の午後5時48分より前に、海保の海洋情報部に、電子メールで、次のような通報をしてきたそうです。いわく、北鮮は6-25から7-10までの毎日午前8時から午後8時までの間、元山北東の日本海、長さ約450km、幅最大110kmで軍事射撃訓練を実施する、と。
 いきなり弱気じゃないですか。
 ノドンを最初に宣伝した1993-5-29~30には、北鮮は500km+の海上にブイを浮かべ、そこにスカッドとノドンを落としてみせました。(多忙のためソースをたぐれないんですけど、なぜかこのときの飛翔距離を550kmと宣伝した連中がいるんですよ。わたしはそれが韓国ソースだと疑っています。彼らはノドンが北九州飛行基地妨害専用の兵器であることを認めるのが嫌なのか、さもなくば、北の政治宣伝の片棒をかつぎたいとの工作使命感から、800km以上の飛翔は未実証であるノドンの性能を誇張し、ついには、いつのまにかそれは1300kmもの射距離をもち、東京に届くことになってしまっています。これを疑いもせずに事実のように報道している日本の言論はホント危ういですよ。防衛省は脅威がデカいほど予算が取りやすいので偽情報を信じたふりをする姿勢には同情をするとしても、マスコミはいったい何考えてんだ?)
 今回は1993年より50km以上も短かくした。全弾が、予告海域内に落下したそうです。(しかるにまたしても500km飛んだというマスゴミ速報を散見しました。オマエら、いったい誰の味方をしたいんだよ?)
 〈命中率が上がった〉という奇妙な評論も耳にしました。短い距離に落とせば落とすほど撒布界がせばまってくるのは大砲の砲弾の物理法則に過ぎません。1993発射でも、スカッドとノドンは全弾が浮標の近くに落ちたのです。何も変わっていない。進歩などしていないのです。
 そしてヤケッパチのような7-4のサイバー・アタックでしたけれども、これも日本をまるまる避けた。シナの指導が「ビシリ」と効いています。それは、自民党の「大綱」論議が、北京を強く揺さぶったからでしょう。(財務相が潰す前のF-2やM-Vのようにね。)
 だったら、もっと「対艦弾道弾」を精力的、具体的に劇論しましょう。
 黄海は平均深度44mです。渤海湾内は21mです。
 しょせん張子の虎である空母を狙うなどという冴えないゴールではなくて、かつてどの国も発想したことすらないであろう、「対潜水艦用の通常弾頭の中距離弾道ミサイル」を研究&開発しましょう。シナ沿岸の浅海面なら、宇宙から落下するキネティックで充分にキルできる――ように思わせることが可能なのです。シナ潜は、このキネティック弾頭で日本が全滅させる。東アジアの平和に対して、なんという大きな風呂敷、もとい、貢献でしょうか。
 もちろん日本は真珠湾攻撃のような卑怯卑劣な攻撃はしません。シナ人の手先が1名かそこら、尖閣に上陸し、不法な領有企図を露わにするとかの見境いの無い侵略をわが国が受けたときに、正当な自衛の手段としてこれを必要なだけ発射し、世界の平和のために膺懲するのです――という議論が盛り上がるかもしれませんので成り行きが注目されます。
 そんな弾道弾ができるころには、自律ホーミング弾頭をクラスターにして、複数隻のボロ船を各1発で船底までキネティックで貫徹してやれる短縮射程の対舟艇バージョンもつくれるでしょう。これで沖縄もバッチリ防衛できます。(まあ、連中が沖縄に正面きって着上するなんてありえないんですけどね。しかし今論議しているのは、北京の外交を現実に動かしてしまえる政治的兵器なのですから、可能性に備えるということにしとけばOK。)
 それにしても、2009-7-6に wendell minnick 氏が寄稿した「U.S. Targets North Korea-Iran Industry Ties」という記事には驚かされました。
 ペルシャ湾のイラン沖15kmのキシュ島(イランの自由貿易特区)にある「香港電機」という謎の会社が、2007から北鮮兵器の輸出仲介をやっていた。米国財務省はその資産を6月末に凍結した、というのです。
 それでも7-4に対米のサイバー・アタックをやらかしてるんだから、この措置は北京にも北鮮にも効いてないわけですよ。ますます、対艦弾道弾、偉すぎ。
 香港とシンガポールに北鮮系のあやしいフロント企業がいっぱい、というのには驚きませんが、タイにまで北鮮企業がたくさんあって、東南アジアで広くウランを探しているというのは意外でした。マジなんだねぇ。
 北鮮大使館がない国でも、商取引は成り立つのだそうで、たとえば台北で、零下70℃が可能な冷凍庫が、大量破壊兵器開発の用途で調達された疑いがある。その台湾の会社「Royal Team」は米国から圧力を受け、社長はいま北京に住んでいる、と記事には書いてあります。
 台中にも怪しい企業があったり、シナの工作機械商社が対北鮮輸出に濃密関与しているそうです。渤海湾に密輸船がシャトリングしてるわけで、将来はそこで臨検することになるんでしょうか?
 北鮮はじつのところ北京のパペットにすぎない、台湾は日本の味方などではない、というかねてからのわたしの疑いは、この記事を読んで、ますます強まるばかりです。
 余談ですが、日本は北鮮からの麻薬密輸すら撲滅できないのに、どうしてポルノを水際で阻止できるのか、よく考えてみることです。
 もうひとつ感心した記事は『voice』8月号のウイグルの記事ですよ。まるで騒動を予見していたみたいだ。しかしシナ政府は、このパンチが効いたという顔は、さすがに見せていません。
 また大綱アイテムに話を戻しますと、エリント/シギント衛星はDSP以上に必要です。しかも、安く、早くできるものです。
 1972にソ連の暗号がNSAにブレークされてSALT交渉の妥協線がアメリカに筒抜けになったことあります。1973-3以降、アメリカは、フェレット(小型の電波収集衛星)でマイクロ電話や実験ミサイルのテレメートリーを傍受できるようになりましたが、そのことにソ連は1977まで気付くことなく、特に弾道弾のテレメートリーをとられまくりました。気付いてからは、信号を「無限特乱」化したり、記録テープを物理的に降下させるようにしたそうですが、これをできるだけ長く気づかせないようにディスインフォメーションを流していた工作のひとつが、先に触れた「超能力」ヨタ話だろうとわたしは思っています。
 わたしたちがボヤボヤしている間に、エージェントスミス(エージェントつくり職人)は霞が関の中枢まで浸透してきました。「大綱2010」が、政治主導による反撃の一転機になって欲しいものです。