マイナス利子国債

 2009-11-23の講演で南木先生から小生の「マイナス利子国債」提案について、ちょっとご紹介していただきましたが、時間が足らず、詳説できませんでした。
 これは「無利子国債」を超越する発想で、償還額がはじめから額面割れするという約束、しかも償還は一括ではなくて10年年賦くらいの償還になるという、投資商品としては至ってマイナスの価値しかないにもかかわらず、日本の個人資産家が1400兆円の貯金をぜんぶ吐き出してこれを争って買い求めることになるという、大蔵省にとっても夢の国債です。
 なぜそんなに買われるかというと、この「マイナス国債」に限っては、贈与税がかからない。もちろん、満期前の転売は自由です。
 つまり「生前贈与」をしたい資産家のご老人向けなのです。
 相続税法は簡単には変えられないでしょう。しかしこの「マイナス利子国債」を発行すれば、事実上、日本の億万長者にとって「相続税」はゼロになったと同じことです。
 その代わりに、この「マイナス利子国債」を買った最初の人が、一定額の〈税金〉を前納したことになるわけです。主税局をはじめ、誰も損をしないディールです。
 これで、日本の財政は、一夜にして、世界一健全なプライマリーバランスに蘇るでしょう。
 遺産を早々と譲られた跡継ぎたちも、気分が強気になり、金遣いが大胆に、計画前倒し的となるでしょう。消費が復活します。
 インフレにも、デフレにもなりません。日銀も大満足です。
 政府が、いきなり潤沢になった財政で何をすべきかについては、PHP研究所刊の『「自衛隊」無人化計画』で縷々、提言しているところであります。ワンマン・シンクタンク報告です。これを一読されれば、民主党&財務省の「仕分け」など馬鹿らしくて見ていられないでしょう。
 貿易黒字と無関係に輪転機で刷りまくられた「元」で米国国債を買うことを認め、しかも「元」の対ドル・ペッグを許容している米国政府は、中共と共倒れの道を疾走中です。シナ経済が崩壊し、ドルが暴落するのは必然でしょう。江頭先生、先生の念願が、そろそろ叶いそうであります。