「飛び級」が無いためせいぜい役人にしかなれぬ学制に、怒れ!

 無人機/ロボットで自衛隊が遅れを取り戻したかったら、零細ベンチャーの試作品を公募して育てることだ。「案」ではダメだ(そうなると必ず腐った制度が介入汚染する)。「実物」をもってこさせて性能審査するのだ。
 「プレデター」はもともと1986年に無名の零細企業がつくった「アンバー」という無人機がベースになってるんだ。それを1990年にジェネラルアトミクス社が買収し、細々と生産してあちこちに提案していた。ところがパイロット天国の米空軍では、誰も関心を示さん。だから代わりにCIAとDARPAが資金を用立てて、リーサル・ウェポンとして大成させたんだ。いまではF-22よりも世界の役に立ち、月産15機以上で売れまくっている。
 ゲイツもアフガン上空だけで常時50機のプレデターを飛ばせと絶叫している。F-22の1機の値段で、優に85機のプレデターを調達できるのだ。
 アジアン・ディフェンスの Syed Fazl-e-Haider 氏の記事「Pakistan moves to drone independence」によると、パキスタンは米国がプレデターを売ってくれぬものだから、イタリーの Selex Galileo 社製の「ファルコ」UAVを買い、それを参考にして国営企業がプレデターとほぼ同級品の国産UAV「ブラク」(Burraq)を作ることになった。ブラクとは「ペガサス」のイスラム名の由。
 レーザー照準装置とレーザー誘導ミサイルを装備予定というのだから鼻息は荒い。ただし衛星経由のリモコンはできない。逆に言うと、軍事通信衛星なんかに頼らずとも、ここまでやれるのだ。日本のベンチャーも見習ったらどうだ?
 パキスタンはまたこれとは別に、「ウカーブ」(Uqaab)という軽量UAVを、トルコと共同で2008に開発した。こいつはどうやら米国の「RQ-7B シャドウ2000」のパクリらしい。武装は無し。
 日本政府が大きな組織に発注する大きな事業は、猖獗をきわめる「途中カスリ盗り」のインチキに、かならずや食い荒らされてしまう運命にある。
 役人とそのOBは、何の創造もなさずに、如何に手前達が「中間ピンハネ」できる安定スキームを構築するかに、全知能を傾注している。
 すべては役人の老後の安楽のためなのだ。国民の生存のためではない。
 だから、次世代のスパコンやロケットに税金を何兆円回したって、「ものづくり」の現場の末端には、雀の涙ほども行き渡ることはない。ぜんぶ途中で役人とグルのOBとその無為徒食なぶらさがりどもが高額の給料として分け獲りし、彼らの豊かな生活の資に使ってしまってハイ終わり――なのだ。
 軍用UAV事業が、この無気力役人たちと、無気力企業幹部の、談合構造の罠にまた嵌められたら、もう日本はおしまいだ。政治主導で「アンバー」のようなベンチャーの試作品を公募してひきたてて行く戦略を立てねばならぬ。
 中堅・若手の技術者が思うままに活躍できない組織文化がすっかりできあがってしまっている既存の軍需企業たちに新しいロボット兵器を期待したって、今や目的合理的ではないだろう。
 エリート役人と役人型大企業人の不幸は、じぶんたちがどれほど人生を無駄にし、世の人をも不幸にしているのか、じぶんで気づけないことにある。
 日本の中学と高校に「飛び級」の制度があれば、彼らの過半は、役人などになっていないで、世界と勝負する研究者やクリエイターや大事業家になっていただろう。
 「飛び級」が自由自在に許されない日本の学制は、そっくりそのまま、〈最も成功しても役人にまでしかなれない〉という、情けない国家的奴隷製造機構なのだ。
 それを悟りたくない役人たちは、無意識の裡に、じぶんをつまらぬ役人止まりにしてしまった日本社会に、報復をしてやろうと決意する。
 それが、日本国の競争力と日本人民の自由な競争をどちらも圧殺してかえりみぬ「役人互助会国家」造営の、果てしない努力なのだ。
 ところで18日の講演後の「懇談」だが、これはJSEEOの仕切りではなく、プライベートである。JSEEO事務局は一切関知していない。なに、忘年会シーズンでどの店も満員のはず? だったら数グループに分かれなさい。わたしが順番にそこを回ろうじゃないか。機転を利かしなさい。ほどほどの人数であれば、全員で夜の後楽園遊園地に入ろう。あそこなら21時までやってんだろ? しかも夜間割引まであったはずだ。それも厭だってんなら礫川公園で立ったまんまでカップ酒だ。そのくらいの根性もないのか。戦没者慰霊苑だから文句はねえはずだ(オレは7年間近く、文京区民だったんだ)。というわけでみんな、当日は防寒衣だけは厳重にな。