「シャドウ」UAVも2000機以上、売れまくっているようです。

 Grace V. Jean 記者が『National Defence』2010-2月号に寄稿している記事「Army’s Shadow Unmanned Aircraft Receiving Upgrades For Longer Missions」。
 陸軍と海兵隊はすでに無人機「シャドウ」の部隊115システム分を発注している。1システムが4機のRQ-7Bシャドウを定数にしている。
 シャドウは滑走路に自動着陸する〔前に落下傘回収とか書きましたが大間違いです。すいません〕。
 いまのところ戦地には76システムが配備済み。うち陸軍分が69システム、海兵隊が7システムである。
 2015までには、陸軍は102システム、海兵隊は13システムを手にする。だいたい、月に1~2システム増えていく。
 工場では月産10機。
 エンジンは稼動250時間ごとに総分解整備の要あり。
 これまでのシャドウの墜落原因の筆頭が燃料供給系と潤滑油関連なので、電子制御のインジェクションに変更した。〔ピエゾをつかった、コモンレールのようなものでしょう。〕
 潤滑オイルは冬季の高山の高空でも粘性が増さないものに変更。
 より重いペイロードが要求されているため、2010中に翼長を延ばした機体で更新を開始する。片翼につき3フィートづつ長くする。これで、5時間だった滞空時間が8時間に伸ばせる。増槽でさらに2時間のばすことも将来はできる。
 さらなる提案。 Shadow 7C を、主翼だけでなく胴体も大きくする。そしてエンジンを灯油(heavy fuel)で回す〔これはターボプロップにするという意味ではなく、ディーゼル自動車のコモンレール技術を使えば、ガソリン・エンジンを直噴式の灯油エンジンにもできるのだ。ミニ・ディーゼルという可能性もわずかばかりあるが〕。
 ※さらに余談。なぜまぎらわしくも「ヘヴィ・フュール」が英語では灯油のことを意味するのか? 想像してみるに、ガソリンやナフサは揮発する=軽い。それらすべてが原油から揮発してしまうと、残った灯油や軽油や残滓油(日本語で所謂「重油」)は揮発性が比較的にわずかな上、比重も大なので、ひっくるめて「ヘヴィ」だと言えるわけか。なかでも灯油(ケロシン)が、ガリシア油田が商業活用され始め、かつまたガソリン・エンジンが未だ普及していなかった19世紀末には、照明ランプ用の「灯油」として中心的な商品価値を占めていたからか。しかし、つくづく、日本語の「揮発油、灯油、軽油、重油」という区分け表記は、混同事故防止の上で、すばらしい発明ではないだろうか。
 このシャドウのシステム(4機1組)を運用するためには、いまは22人の地上チームが必要だが、提案中の拡大型では29人を要するようになるだろう。〔「無乗員」機は、「無人」兵器に非ず!〕
 地上車両や、アパッチ・ヘリの中のラップトップPCで、複数のシャドウからのビデオ映像を随意に受信しモニターできるシステムも用意。画面の一点をポイントすれば、シャドウのカメラがそれをズームする。