日露トップ交渉の会場には「鹿部」(しかべ)を Recommend しとく。

 どうせ天然ガス・パイプラインの話をするのだろう。だったら日本側も、「津軽海峡横断パイプライン」の敷設負担があることを「御付の者」によく見せてやるとよい。
 鹿部のロイヤルホテルやゴルフ場のあるところ、このあたりは冬季は論外だが、秋季の機微な交渉には適切である。
 まずAFJ空港という小規模飛行場があって、ここを借り切っておけば、VIPは車両移動を一切しなくて済む。(東京から2時間弱余裕。)
 また、近くの北海道駒ヶ岳の裾野には、地元の陸自(函館・28普連)の管轄する、ふだんほとんど使わない広大な演習場があるので、そこに一時的に必要な施設をいくらでも随時工事できるし、大型ヘリコプターを何十機でも待機させておくこともできる。(テロ警備の万全。)
 だからとにかく集中できるのだ。交渉と無関係なよけいな面倒や、騒々しさが無い。
 サハリンの利害関係者が出張で往復するのにも、ほど近くて便利である。サハリン住民から遠いところで重大な決定がなされることを、サハリン住民は面白くは思わないだろう。
 この交渉では、「サハリン~稚内のパイプ敷設のカネを日本側が出せ」という要求をロシア側はしてくるに決まっているが、それに応じてしまったらアウトである。
 藤和彦さん(日支関係はWWI前の英独と似ているとかいうダボス演説のレトリックは この人が出処じゃないの?)が十年以上前から力説している話が本当なのだとすれば、大泊から稚内までの海底パイプラインの敷設費用を全額ロシア側が負担した場合にのみ、このガス売買事業は、両国が信じてもよいものになる。
 日本側は、とりあえず稚内から東京まで、高速道路の地下に生ガス・パイプラインを延々と敷設しなければならない。ところが、大沼公園から函館までの高速道路はまだ完成していない。日露の交渉妥結が確実なら、未着工の区間部分については、基礎部分の施工を考え直す方が合理的である。