Bergdahl のケースが適用される

 殺されても同情をあつめない一人は斬首され、殺されるとイスラム国の評判が悪くなると判断された一人は 囚人交換 の材料になったように見える。ISILの今回のネゴシエーションは上手い。
 オバマは、タリバンにとらえられているアメリカ兵をとりもどすために、グァンタナモからタリバン五人をパキ国境で解放して取引したことがある。2014-5-31のことだ。
 このアメリカ兵 Bowe Bergdahl はほぼ間違いなく脱走兵であり、2009-6にじぶんでタリバンにつかまり、仲間を危険にさらした裏切り者である。しかしそんな奴のためにオバマは「テロリスト」五人を釈放した。
 この前例があるから、アメリカ政府は、「テロリストとは捕虜交換の取引きをするな」とは日本政府に向かって言えないのである。(カネの支払いは、アメリカ政府は日本政府に対してゆるさない。これはさいしょから不動だった。)
 日本政府が、残る一人(斬首されていない一人の善意の日本人)のためにヨルダン政府やアメリカ政府に 向こうの要求する一人の女テロリストを釈放してやってくれ と頼むことを、アメリカ政府としては、止められない。
 ISILはそこを読んでいるのであり、じつに巧みである。声明文の英語も、英国で教育を受けた者が書いたのだろう。
 生き残っている方の人質は、Bergdahl が何年も生かされていたように、これからも生かされるだろうと思う。