インドが『蒼龍』級6隻の購入を希望。ASBの次のコンセプト名は「ジャムジーシー(JAM-GC)」=国際公海でのアクセスと活動自在の統合コンセプト だと。

 まず、いくつかのシリア関係ニュース。
 ストラテジーペイジの2015-1-28記事「The Air War So Far」によると…。
 米軍機のイラク&シリアに対する空襲は2014-8に始まったが、これまでに5000発もの誘導爆弾が投下され、3500目標を破壊した。
 その3500のうち300弱は軍用車両である。その車両のうち2割はAFVである。
 建物爆破は1000棟以上である。
 石油工業プラントは270箇所破壊された。
 民間車両700台撃破。うち半分近くは武装可能なピックアップトラック。
 また、ユーフラテスの川舟14隻も破壊。
 政治的な理由から、米軍以外は、イラクとシリアのどちらかを空襲しないことにしている。
 対イラク空襲を遂行しているのは、米、豪、白、英、加、丁、仏、蘭軍である。
 対シリア空襲を遂行しているのは、米軍、バーレーン軍、ヨルダン軍、サウジアラビア軍、UAE軍である。
 ※中共が戦争を始めた場合も、このような袋叩き体制が米国によって組織されるのだろう。
 ※NATOであるトルコがなぜ参加していないか。イスラエルに言わせると、トルコはイスラミック・テロリストの歴然たる味方なのである。トルコ人に言わせると、そもそも中東原油はぜんぶトルコ帝国のものなので、それをトルコから奪った米英仏のために血を流す義理はないのである。もしもトルコが反テロ主義なら、ISILの「擬似首都」がトルコ国境に近いラッカになることなどありえない。トルコ国境のすぐ内側に米軍が空軍基地を開設しただけで、ラッカなど維持はできない。しかしトルコ政府はそれをさせない。
 次。
 APの KARIN LAUB and ELAINE KURTENBACH 記者による2015-1-28記事「Jordan ready to swap prisoner for pilot held by Islamic State」。
 ヨルダンの輿論は、米軍に連れられる形での対シリア空爆のスタイルに、心底では反対である。
 ヨルダンはこれまで、宗教コネクションと、イラク内の部族長老たちを通じて、ISと間接交渉を進めてきた。
 捕虜パイロットの父は、ヨルダン政府が何もしようとしないから、オレはすでにトルコ政府に交渉を依頼している、と語った。
 多くの日本国民は、2名がそもそもシリアに行ったことについて批判的である。
 土曜日(24日)と火曜日(27日)にリリースされた後藤のビデオについて、APは、これらにイスラム国系メディアである「al-Furqan」のロゴが入っていない点が不審であると考える。
 APによるとパイロットは26歳である。
 コーリショングループがISを空襲し始めたのは、2014-8月である。
 もうひとり、ヨルダン内で収獄されているプリズナーがいる。
 その男、ズィアド・アルカルボリ(Ziad al-Karboli)は、イラクのアルカイダの一幹部の副官格であった(an aide to a former al-Qaida leader in Iraq)。1人のヨルダン市民を殺した罪で2008に死刑判決確定。
 次に潜水艦関係ニュース。
 ストラテジーペイジの2015-1-29記事「Some Poles Do Not Want To Bomb Moscow」によると、ポーランド軍はドイツ製の潜水艦を買うことをほぼ決めているが、ポーランドの政治家の中には、フランス製の潜水艦を、フランス製の巡航ミサイルとパッケージで買いたいと夢想している者がいるのだと。
 ポーランド軍は、稼動する潜水艦としてキロ級を1隻有する。他に、ノルウェーから只で貰ったおんぼろ潜水艦4隻があるが、これは動かない。
 今、武器市場で手に入る西側製の潜水艦は、スウェーデン製1種、ドイツ製2種、フランス製1種しかない。
 端と独は、バルト海での運用に通じている。
 ところが仏には良い武器がある。巡航ミサイルだ。空対地のストームシャドウを2011に水中用に改造したものである。射程1000km。
 フランスは巡航ミサイルについてはメーカーからの直販は許さない。国家が国家に供給する。
 陸上ではポーランドとモスクワの間には緩衝国のベラルーシがある。しかしバルト海からなら、直接にモスクワを狙える。
 1隻から18発の巡航ミサイルを発射してロシアの発電所を攻撃することもできる。
 ※わたしが過去複数の著述の中で警告した事態:「原発外郭に建つ燃料プール棟を精密兵器で攻撃することで、敵国内をフクシマ化できる」が、真剣に検討されているのである。これに備えるためには、すべての原発をフラックタワーで防禦する必要がある。それを「想定」し「対策提案」できないような日本の「原子力村」に、原発運営の資格などは無い。
 次。
 Zachary Keck 記者による2015-1-29記事「China’s Worst Nightmare? Japan May Sell India Six Stealth Submarines」。
 インドが蒼龍級を6隻欲しがっているというのだが、ライバル候補として仏製、独製、露製、西製もある。
 なにより、建造は、インドの造船所でしなくてはならない。
 最大限、話がトントン拍子に進んでも、船台に乗るのが8年後ぐらいだろう。
 インドの兵器購入に関与する官僚たちの超腐敗は有名である。そのためすべての予定は遅れに遅れ、揉めに揉めるのである。
 ※日本の武器輸出政策は、オフザシェルフでメンテフリーのものに比重を置くべきである。日本人は、腐敗文化を歴史的バックグラウンドとする外国人たちを訓練サービスしてやることにかけては、まったく適性がないのだから。日本人くらい「他者」を教育するのに不適な者は居ない。「他者」を知らないからである。後悔する前にこの警告に耳を藉せ。日本製の中古乗用車をロシア人は自力でメンテして乗り回している。アフリカで武装ゲリラが転がしている日本製ピックアップにも、日本人の点検整備サービスはついていないはずだ。それが理想のスタイルではないか。
 次。
 米下院軍事委員会の海軍力&戦力投射分科会のボス。ヴァジニア選出共和党員のJ. Randy Forbesが寄稿している2015-1-29記事「RIP Air-Sea Battle?」。
 エアシーバトルは、改名された。「グローバル・コモンズにおけるアクセスと活動自在の統合コンセプト」ジャムジーシー。
 クリーピング・アグレッションと、グレイゾーン・アグレッション(“creeping” or “gray-zone” aggression)。それらの典型が、クリミアにおける「国籍不明部隊」や、東シナ海におけるシナ公船による国際法蹂躙。
 米海軍と米空軍が主役であるエアシーバトルは、こうしたクリーピング/グレイゾーン・アグレッションに、まるで対処のできないコンセプトであった。
 用語がおもしろい。“the concept formerly known as Air Sea Battle”ですと。これは昔、「プリンス」改め「ズィ・アーティスト・フォーマリー・ノウン・アズ・プリンス」と呼ばせた芸能ゴシップを踏まえている。
 おしまいに、100球LEDの追加報告。
 やはり数日すると、夜の七時台で消えてしまうようになる。
 そこで提案だが、太陽電池のボルテージが下がってきたら自動的に、明滅のインターバルの「滅」時間を長くし、「明」時間も短くするようなソフトに変更するべきではないだろうか。さすれば、新聞配達の人がやってくる未明までも、点滅を維持できるはずだ。