「読書余論」 2015年2月25日配信号 の 内容予告

▼Walter Lord著、実松譲tr.『逆転』原1967、邦訳S44フジ出版
▼ドナルド・S・Sanford著、小菅正夫tr.『ミッドウェイ』原1976
▼Ernest Hemingway著、大久保康雄tr.『武器よさらば』新潮文庫
 邦訳初版がS30-3-20。原題“A Farewell to Arms”, 1929
 WWI中のイタリアのゴリツィア市には「淫売宿」が2軒あった。1軒は兵隊用。1軒は将校用。
 イタリア軍憲兵は、攻撃命令にしりごみした擲弾兵の10人ごとに1人を銃殺した。
 両脚をやられた負傷兵が野戦病院にかつぎこまれてきたら、診断の直後に両足に×印を書く。
▼『海軍 第一巻 海軍黎明期』S56 つづき
 軍艦役は、士官室士官に相当。
 軍艦役並は、ガンルーム士官に相当。
 軍艦役並見習は、士官候補生。
 浅吃水の『回天』は、蜂の巣のように撃たれまくったのに、沈没することがなかった。『開陽』が舵を破壊された大嵐も檣2本折っただけで乗り切っているし、木造船として驚異的な抗堪力を示した。※この理由を現代のLCS設計家は深く考究するべきだろう。
 生麦事件の賠償を幕府が全面拒絶した場合は英国は日本に宣戦布告して列島をブロケイドする予定だった。その場合は、戦場外の香港にPrize Court(捕獲審検所)を設置して、中立国商船からのクレームに応対しなければならない。
▼(株)京都産業観光センター『京都タワー十年の歩み』S44-12
▼防研史料 『海軍航空本部軍需関係資料』S19年度
 九飛関係である。
▼防研史料 『飛行場設営関係史料 其の一』
▼渡辺淳一『静寂[しじま]の声――乃木希典夫妻の生涯・上』1988
▼防研史料 『野戦砲兵射撃教範』M36-2改正
 それ以前の教範とはガラリと変わる。
▼防研史料 『独国38型 二〇ミリ車載機関砲 構造 及 取扱 説明書』S18?
▼防研史料 『昭和十九年海軍航空補給参考書綴』
 発煙投弾改4。94式航法目標燈2型。零式航法目標燈1型。零式吊光照明弾1型。96式着水照明炬。灯火発煙筐。1式照明投弾。零式発光器。爆弾運搬浮舟……等々、『日本海軍の爆弾』では紹介できなかった火工品の名称や諸元が詳しい。
▼原田東風『各種商店主人店員苦心談』M38
 日露戦争でオモチャの傾向が変わった。軍艦、サーベル、ロシア兵が日本兵にいじめられているおもちゃ。
 何んでも、自分が子供になったやうな気で、珍しいもの\/と、始終工夫を凝らして居なければなりません。
 菓子は地方より圧倒的に東京が上である。
 古本屋はとにかく商品の数が、集客とリピートにつながる。それに尽きる。
 食いもの屋の双璧が、蕎麦屋と牛屋。
▼松本仙太郎『酒事秘密伝』M16
 防腐剤が無かった当時、変濁してしまった酒をどうやって再び澄まして売り物に仕立てるか。その秘術の数々。
▼箱石東馬『箱石醸造法質問録』M23
▼徳野嘉七『醸造肝要調法記』M19
▼中西亨『日本塔総覧』1978
▼塚田清市・編『乃木大将 事蹟』大5、小林又七pub.
▼『水交社記事 vol.253』S4-3-25
 1914年から1918年までの機雷戦。
▼合綴 部外秘『水交社記事 vol.280』S10-6-25
 1932の第一次「上海事件の我機銃に就て」by上海海軍特別陸戦隊・第3大隊第7中隊 機銃小隊長・海軍大尉 工藤兼男
▼『ピーボヂーマルチニー銃取扱法』M18-6 陸軍省
▼『海軍造兵廠報告 第2号』M25-11-21
 47ミリおよび57ミリ・ホッチキス速射砲用の山内閉鎖機 および 山内砲架 の説明。
 「山内自働砲」の写真2枚あり。貴重。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
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 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
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