秋めいてきました。

 Adam Szczepanik 記者による2015-8-27記事「Warplanes: Pilot Optional Aircraft」。
  「DA42 Centaur OPA (Optionally Piloted Aircraft)」 という無人/有人・切換式偵察機がでけましてん。
 単価は $4.5 million 也。
 オーストリー製の自重1.4トンの「DA42 Twin Star」という双発軽便機(操縦士1人+客4人)をベースにして、米国ベンチャーが改造した。
 機首、胴体下、主翼下に総計 360 kg のセンサー類を取り付けられる。
 有人機にするときと無人機にするときとでは、操縦士席の備品を変更しなければならない。その変更作業は、2人の整備士が、4時間でできる。
 つまり無人機にするときは、操縦士代わりの「ロボット」を座席に縛りつけるんである。もちろんこのロボットは人間の格好などしていない。
 ロボット・モードにした場合、滞空24時間&ペイロード90 kgだが、滞空時間を犠牲にすればペイロードは 360 kg まで増やせる。
 レンジは 3,700 km以上。
 最高時速 320 km、巡航は 260 km/時。
 有人だと高度5000mだが、無人ならば7500mまでOK。与圧も酸素も必要がなくなるので。
 主機はなんとディーゼル・エンジンである。これは熱赤外線の漏出が少ない。音も、過給ながら他の方式のエンジンよりもずっと小さい。
 まだ試験飛行中の商品であるが、スイスの武器調達局が1機を購入していて、いろいろな性能調査をしているところだという。
 ※日本のマツダは、シリンダー外壁から熱が逃げにくい、短い噴射距離で燃料を燃やしてしまう小型のディーゼル・エンジンを創った。低空をゆっくり飛ばすUAVに求められているのも、こういうエンジンではないのか?
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 Richard Tomkins記者による2015-8-25 記事「Brazil, Sweden signing funding deal for Gripen buy」。
 ブラジル空軍はスウェーデン製の「グリペン NG」戦闘機を買いますよという契約書に今週サインするであろう。
 スウェーデン政府は、必要なカネをブラジルに貸し付ける。その利子率についても話がまとまった。年利2.19%だという。
 この商談では6億リアル=1億7000万ドルが動く。
 ブラジルはサーブ社から36機の「Gripen NG」を買う。
 1番機の引き渡しは2019年になる。
 最後の引き渡しは2024におわる予定。
 15機については、ブラジル国内で組み立てられる。
 その15機のうち8機は、複座型である。
 ※「今すでに有る、出来合いのものを組み合せて最少の改造を施し、必要な武器をすぐ納品しなさい」と指導するのが、有能な軍政家。しかし日本では、メーカーのみならず軍政当局までが、「今どこにもない、理想的なコンポーネンツ」を多数盛り込ませたがる。また、そのようなプロジェクトを推進中である米国ビッグ企業にぶらさがりたがる。それらは半永久に完成しないが、いつまでも完成しないからこそ、創っている者たちには面白くてたまらない。またプロジェクトが永遠に引き伸ばされるので、利権にあずかるインサイダーは数世代にわたり、安定的に潤うのである。こういうのを、エンジニアズ・トイ(技師たちの遊楽)指向と呼ぶ。これをゆるしている防衛省と国会は、国賊のあつまりと呼ばれてもしかたあるまい。