1バレルは159リッター。

 Bill Gertz記者による2015-12-8 記事「North Korean Submarine Damaged in Missile Test」。
    北鮮が11-28に元山沖の日本海で実施したSLBM(KN-11)実験の失敗により、「新浦」級潜水艦のセイルが大ダメージを受けた模様。
 この潜水艦の正体は謎なのだが、新浦港で衛星が撮影した写真があるのでシンポ級とされている。
 散らばった破片のいくつかがこっそり米軍によって回収されている模様である。それが分析された。
 三代目はその失敗テストの前日に元山市の靴工場を見物しているから、実験には立ち会ったものと推定される。
 90年代前半にロシアからスクラップとして買い付けた「ゴルフ II」級のセイルと発射筒をコピーしたもので、たぶんセイル内に1本か2本であろう。
 ウィキリークスがばらしてくれた米政府の文書によると、北鮮はセベラル年前にロシアから「SS-N-6」そのものを1基、調達したという。
 次。
 Jose Pagliery 記者による日付不明のCNN記事「Inside the $2 billion ISIS war machine」。
     ISは2014の一年間だけで、20億ドルもカネを集めたことが分かった。
 ISの兵隊は、月給として400ドルから1200ドルを得ている他に、扶養家族手当として、妻1人に50ドル、子供1人に25ドルを貰っている。これは米議会調査課がソース。
 ISは特技あるエンジニアには毎月1500ドルを給付している。これは国連の調査がソース。
 ISは無政府状態の地域を統治して住民から税金を取り立てる術を知っている、歴史上初のテログループである。
 IS支配区には800万人の住民がいる。ここからISは年に3億6000万ドルの税収を得ている。
 いったいどんな名目の税と税率があるのか。それは 所得税10%、事業税10~15%、売上税2%、預金引き出し税5%、製薬調剤消費税10~35% などなど。
 ISはこれらを「ザカト」だと称す。カトリックの「十分の一税」に相等する概念である。
 税金は、小学生以上の住民ならば全員ISに上納しなければならない。小学生は月に22ドル。中学生以上は43ドル。大学生は65ドルをISから徴収される。もちろん内戦以前にはこんな税目はなかった。
 自動車がイラク国内のIS支配区に入るためには、200ドルから1000ドルの通行税を検問の兵隊に払わねばならない。
 支配区内のキリスト教徒は「保護税」をISに納めなくてはならない。イスラム教世界ではこれを「ジズィヤー」と呼ぶ。マフィアのみかじめ料と同じである。
 イラク政府に雇われている公務員が、たとえばイラク北部に住んでいるとする。ISは彼らがティクリト市の近くまで月給を受取りに往復することを許可する。そのかわり、帰路ではその所得税として50%を納めさせる。
 住民が、他地域の家族に会うためという理由で、IS支配区から出ることは、1000ドルの「出発税」を納めれば、可能である。永久に立ち去るならば、家財が全部接収される。
 おそらく2015年のIS歳入は、80億ドルに達するのではないかと、2人の専門家が見積もっている。
 国連のFAOによればISはイラクの小麦畑と大麦畑の三分の一を支配している。そして農夫からは農機具類を奪ってしまい、それを有料で元の持ち主にレンタルしてやるのだ。
 ISは、燐鉱山、燐と硫黄のケミカル工場、セメント工場も接収している。それらの売上高は、合計すると年に13億ドル。
 ISは油井と精油所も押さえたが、メンテナンスのできる技師が足らず、そのため、2014年には5万バレル弱しか生産できなかった。これは平時のフル生産力の半分以下である。それでも1日に160万ドルの売上げになるる
 2014年の原油価格は1バレル80ドルだった。ISは、原油を20ドルで闇ルートに流す。
 ISは敵にだってちゃんと石油を売ってやる。アサド政府は都市に給電するための重油を必要としている。反ISゲリラは、車両のための軽油が必要である。ISはそれらの買い手を断らない。
 つまり昼間はドンパチしているが夜になると売り買いのビジネス・パートナーなのだ。地域のプレイヤー全員が腐っている。
 ロシアは先週、トルコ政府がISから闇石油を毎日150万ドル分も密輸入しつつあるとすっぱぬいた。
 石油精製は固定施設でなければできぬということはない。車載の製油プラントがあるのだ。これで原油を蒸留できる。その能力を合計すると、1日に500バレルの石油製品になるだろう。
 米財務省によると、ISはイラクやシリアの銀行を占拠して、そこから2014年に5億~10億ドルの資金を奪い得たのではないかという。
 中東には個人預金だけを預かる銀行(私設の闇銀行?)があるが、ISはそこには手をつけないという。
 昨年陥落したモスル市には、イラクの国家中央銀行の支店があった。その金庫にあった4億5000万ドルのキャッシュと金塊は、ぜんぶISが奪った。
 ISはその金塊から「ISの金貨」を鋳造中であると発表している。
 ISは人を誘拐して係累から身代金を集めるビジネスも並行して展開中。2014年には2000万ドルから4500万ドルになったはずという。
 フランス、イタリア、スペイン政府は、身代金の支払いを許容している。
 ※ニミッツ提督は、もし真珠湾の450万バレルの重油タンクを12.7mm機銃によって炎上させられていたら、西太平洋域の米艦隊に給油してやることが2年間できなくなり、それだけ対日戦争は長引いただろうと言った。これはおかしい。ならば何故ドーリトル隊は小学校を12.7mm機関銃で掃射する代わりに、徳山海軍燃料廠を炎上させようとは試みなかったのか? 重油はそんなに燃えやすいものではなく、貯油基地には消防隊がいただろう。