とうとうセブンイレブンで顔を覚えられてしまった。4日前の未明にドーナッツを褒めたのがいけなかったか……。

 David Archibald記者による2016-1-22記事「American Gripen: The Solution To The F-35 Nightmare」。
 なぜF-35などという失敗計画が続行されているか? それは失敗保険としての「第二案」は当初から用意されなかったためである。他に選択ができないのである。
 DoDは、F-35のコストが高くなる一方なので、調達機数の削減を検討中である。
 米空軍と海軍と海兵隊の現役戦闘機は、1977から1992の間につくられたものがほとんどだ。
 F-22はまだ十歳で若い。しかし1時間飛行させるために42時間の整備時間がかかっている。その整備作業の半分は、レーダー吸収コーティング材(RAM)の塗り直しである。それで稼働率は63%という。F-22のパイロットは、1ヶ月に10時間から12時間しか飛行できていない。理由は、1時間飛ばすのにも5万8000ドルがかかってしまうという高すぎる運用コスト。
 しかしこれは大問題。なぜなら、1ヶ月に最低でも20時間飛んでいないような戦闘機パイロットは、第一線レベルの技倆を維持できるはずがないから。
 というわけで、失敗作F-35の代案としての「F-22の生産再開」は、候補から脱落する。
 F-22のコストは、ロシアやシナと戦う前に、米国人の手で米軍戦闘機勢力を半分撃墜してしまったのだ。なぜなら空軍では新戦闘機を750機調達したいと計画していたのに、コストが上がりすぎたため、187機で打ち止めになっちまったからだ。その上、稼働率6割である。
 米空軍は現状では機数が足りないと思っているので、F-16とF-15を追加調達しようと真剣に考えている。しかしそれも解決にはならない。前の空戦コマンドの司令官、マイク・ホステジ将軍は言った。「F-15とF-16を心ゆくまでリファービッシュできるだけの予算を空軍が貰えたとしよう。それでも、次の5年で、わが空軍部隊は、敵の最新式の有力な部隊に凌駕されてしまうはずだ」。※誰がこんな電波証言を信じるんだ?
 1999のボスニアではF-117の被撃墜率は、F-16よりも高かった。
 ステルス機は、他の電子妨害専用機に支援された時だけ、ステルスだったのだ。
 F-22もF-35も、敵のXバンドレーダー、すなわち周波数が7.0ギガヘルツから11.2ギガヘルツのレーダー波に対して、最大にステルス性が発揮できるように設計がされている。
 ところが今日では赤外線による遠距離捜索&監視技術が進歩してしまい、F-35は60マイル以上も先から、そのエンジン排気熱を捉えられてしまうのである。
 スホイ27系列の最新のスホイ35は、赤外線による遠距離捜索センサーと、Lバンドレーダーを搭載している。
 Lバンドより低い周波数帯のレーダーは、ステルス機を100マイル以上先から探知できる。つまりスホイ35はF-35を相手より先に発見できる。
 1950年代、米空軍は英国の「イレクトリック・キャンベラ」爆撃機をライセンス生産させてもらって、「マーティンB-57」にした。
 この機体がどれほどすぐれていたか。40年間アリゾナ沙漠の「骨墓場」に並べておいたものを近年またひっぱりだしてゲリラの携帯通話監視飛行機に改造したものが、ちゃんとアフガン上空で役に立っているのだ。
 そしてB-57から30年後、海兵隊はこんどは英国のハリヤーに惚れ込んだ。それは1985からマクダネルダグラス社により「AV-8B」として製造された。
 F-35の大問題も、外国機が解決してくれるだろう。
 スウェーデンのサーブ社の「グリペンA」は1988にデビューした。いま、その最新型が「グリペンE」である。
 エンジンは単発。デルタ翼+先尾翼。
 かつて米空軍も「コンベアF-106デルタダート」という三角翼機を持っていたが、1988に退役した。
 F-16をデルタ翼化するXLという良い案もあったのだが、これはF-22に予算を回すために潰されてしまった。
 シミュレーションがある。グリペンEは、スホイ35を、F-22とほぼ同じレートで撃墜できるのだ。
 グリペンEが1機やられる間に、スホイ35を1.6機撃墜できるのだ。同条件でF-22ならば、スホイ35を2機堕とせるという。
 スホイ35は、1対2.4の比率でF-35を撃墜できるという。
 そしてスホイ35は、F-18スーパーホーネットを、1対8の比率で撃墜できるという。この証言者は、先述のホステジ将軍である。※だったらぜんぜん信用できないってことだろ。
 旋回率を比較したグラフがあるのでごらんいただきたい。グリペンの持続旋回率と瞬間旋回率は、米欧露のすべての戦闘機に勝るのである。
 ※この記者はスパホは重すぎて旋回率が悪いので空戦で勝てないと言いたいらしい。AWACS時代にドッグファイト? だったら三葉機時代に戻れば?
 ミサイルは外れるものである。パイロットの技倆が等しいとき、旋回率で「2度/秒」まさった機体は、空戦を支配できる。
 瞬間旋回率の高さは、敵AAMをひらりとかわす機動を可能にする。
 グリペンEには、米国製の「GE F414」エンジンが搭載されている。これはスパホと同じものである。
 スウェーデン政府がグリペンEを調達しているその単価は4300万ドル。いまのところF-35の三分の一以下の値段。
 運用コストになると、グリペンEは、F-35の十分の一以下。
 サーブ社と組んでいる相棒企業は、ボーイング社である。
 ボーイング社は、今セントルイス工場で製造しているスパホの受注が途切れたら、戦闘機企業ではなくなってしまう。なぜ、グリペンEの採用を、提案しないのか。
 じつはF-22のコンペのとき、ロックマート案よりも、ノースロップ案(YF-23)の方が、高速でしかもステルス性が高かった。しかしノースロップ社はB-2を製造することになっていて、同時並行的に戦闘機の製造まではできないだろうと配慮されて、ロックマート案に決まったのだ。※今なら訴訟だな。
 これを復活させるという選択も考えられていいだろう。※結果は目に見えている。あたらしいソフトウェアがやたらに盛り込まれようとし、その結果、永遠に完成しない。
次。
 David Hambling記者による2016-1-15記事「Tomahawk Missiles Will Get Twice As Deadly By Blowing Up Their Own Fuel」。
 多忙すぎて訳しているヒマが無いが、巡航ミサイルやテロに関心がある人はこの記事は必読である!
 巡航ミサイルが燃料半分残して標的に到達したとき、その残燃料のJP-10を瞬時にエアロゾル化して大気の酸素と最適混合させて轟爆させてやり、弾頭のPBXN-107×1000ポンドに加えて、サーモバリック爆弾にもしちまおうというものすごい技術が実現一歩手前に来ている。
 さいきんは三次元ケミカル挙動シミュレーションソフトが向上してきたので、こんなすごいことも現実的に考えられるようになったのだ。
 この技術のどこがおそろしいかというと、普通の乗用車だって、その燃料タンクの残燃料を使うことで、爆薬数トンを搭載した「特攻自爆車」と同じ有力兵器になっちまうんだよ。すべての自動車が大量破壊テロ手段と化す。列車のタンク貨車とか、どうなるのよ? タンクローリーだったらどうなる? 早く対策を考えなくちゃね。
 ちなみにこの記事の中に出てくる「BTU」という単位は、1ガロンの水を華氏1度上昇させられる熱エネルギーのこと。その数値が大きいほど、少容量の燃料で、遠くまで巡航ミサイルを飛翔させられる。この数値が最大である燃料JP-10をトマホークのブロック3は1000ポンド搭載しているのに、到達できるのは800マイルだ。シナ人が造ったパチモンの巡航ミサイルが、それ以上飛ぶわけねえだろうという常識を、読者は働かせてもらいたい。
 ※その他の、注目すべき最近の動き。自衛隊が南シナ海に出張できないようにするための中共の工作が必死レベルになっている。比島に天皇陛下が行幸なさるのにケチをつけるべく、米系コリアンを駆使してまたぞろ「バターン死の行進」の蒸し返しをさせようとしている。また尖閣領海内で小戦闘をおっ始めることで南シナ海どころではなくそうという策動もある。いやむしろそれ、望むところなんですけど。