「読書余論」 2017年8月25日配信号 の 内容予告

▼ベイジル・ホール著、春名徹tr.『朝鮮・琉球航海記』イワブン1986、原1818於ロンドン
 朝鮮人は落ち着きと無関心がないまぜになった尊大な態度。好奇心を欠いている点でも、強い印象を与えた。われわれが何を質問しているのかを察したときに、彼らはしばしば嘲笑の上、それを無視した。
 彼らは、われわれが歩きつづけるなら、首を斬られてしまうぞ、ということを示すかのように、扇を自分たちののどに当て、時にはわれわれののどをさして、引いてみせるしぐさをした。
 錨を入れたまま、錨と結んだロープをキャプスタンで捲く操作だけでフリゲート艦を移動させるテクニックを「ワーピング」という。
 南太平洋やマレー群島では、威嚇をもってしても住民の盗みを阻止することはできなかったが、沖縄では、誰も盗まない。
 シナ人は何事によらず、まっとうな尊敬すべき手段よりは、策略や詐術をもてあそぶことに、より大きな満足を見出す。
 シナ人は、誰が命令を下したかではなく、誰がじっさいに発射したのかを問題にすると艦長は知っていたので、マクスウェルはみずから初弾を発射した。
 シナ人はわれわれの忍耐を恐怖にもとづくものととりちがえ、そのことによって新たな勇気をふるいおこす。だからこっちは中途半端に対応していてはならない。
 かつてドルリー提督は広東で戦争を自制した。するとシナ人は大勝利したと騒ぎ、それを祝う碑文を刻んだ塔を残した。
 シナでもフリントロック小銃は普及しなかった。良質な火打石が得られず、また、湿度も高いので。
▼ジョン・G・ロバーツ著、安藤良男・三井禮子 監訳『三井――日本における経済と政治の三百年』S51-6 原1973 ※途中まで。後半の続きは次号で。
 M9時点での輸出商品は、官営三池炭鉱の石炭と、余剰米。
 輸入品は、陸軍向けの毛布と軍服の毛織生地。
 欧州では、WWI後の早い時期に、何千人もが政治テロで殺されていた。1920と1921の2年間のドイツだけでも300人以上が殺された。
 1932に犬養総理が暗殺された。アメリカではそのすぐあと、FDR暗殺未遂事件が発生。身代わりに、シカゴ市長のアントン・セルマックが凶弾に斃れた。
 退役軍人からなる米国右翼団体は、スメドレー・バトラー大将にクーデター政権での「大統領」の地位をもちかけた。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。
 電子書籍ソフト対応の「一括集成版」もできました。詳細は「武道通信」で。
 「読書余論」は、2018年6月25日配信号以降は無料化されます(購読者登録だけが必要)。これから数ヶ月分の購読料をまとめて振り込まれる方は特にご注意ください。詳細は「武道通信」で。
 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。