横に寝かせて液燃注入できるのなら、その筒体構造は不必要に重く、射程もペイロードも不足する。見事なフェイク破綻。

 ストラテジーペイジの2017-8-1記事。
  6月試射の対艦ミサイルについて。
 ロシアは北鮮へはKh-35(SS-N-25)対艦ミサイルを売っていないと言っている。
 それが本当なら、アルジェリア、アゼルバイジャン、ビルマ、インド、イラン、ヴェネズエラ、ベトナムのうちどこかから北鮮が入手したことになろう。
 ベトナムは同ミサイルをライセンス生産している。
 イランは、同ミサイルを勝手にコピー生産している。
 イランが航空便でKh-35を1、2発、北鮮に渡したのだろう。
 それが北鮮の「Kumsong-3」になった。
 Kh-35は簡単に言うと1977に登場した米ハープーンを1983からコピーせんとして2003にやっと完成した軽量版である。重さ610kg。よってレンジも130kmしかなかった。ちなみにハープーンの最新版は224km飛翔する。
 2015にロシアはKh-35のレンジを260kmまで伸ばした。飛翔中にランチャー側と通信できるようになり、終末誘導を画像式にした。
 ロシアで陸上の車両からKh-35を発射できるようになったのは2006のこと。
 北鮮の六月の試射は「動的」を狙ったものではなかった。標的艦は静止していたうえにリフレクターまで付けていた。つまり北鮮はKh-35の2015版を射程の上でだけ真似したのみで、終末画像誘導機能もECCM機能も無いのであろう。終末まで旧式のレーダー誘導のままなのだ。西側一流海軍にとっては、これは脅威ではない。
 次。
  Grant Newsham 記者による2017-8-1記事「Japan’s security: bigger problems than a defense minister」。
   稲田が就任したとき、国防関係の経験がないことが批評された。しかし前任の小野寺だって、稲田より少しも防衛には詳しくもなかった。だが小野寺を専門知識が無いと言って批判したメディアはなかった。
 前任のある防衛大臣は、妻が有名であるというだけが取り得の男であった。
 前任の別の防衛大臣は政治家を志す前に陸上自衛隊の将校だったが、自衛隊を改革しようとした人々をパージすることに賛成していたありさま。
 前任のふたりの防衛大臣はヤクザ関係にどっぷりだった。
 稲田は日報問題で叩かれたが、いったいこの地球上で、南スーダンが危ない地域だと知らぬ奴が誰かいるとでも?
 日本では多くの政治家は防衛大臣の地位を、ただの待遇がよい閑職であって、次のより高位な顕官職への踏み台だとしか考えていない。
 外務省と財務省もながらく、防衛省は能力の低い役人が行くところだと看做してきた。
 日本のメディアはしばしば1960年代の極左仲間が番組を仕切っており、いかなる防衛大臣の欠点もすばやく見咎めるのが仕事である。彼らのパラノイア世界観に基づけば、1930年代の東条英機の軍国主義は常にすぐそこまで来ている。
 日本の陸・海・空三自衛隊は、いつまで経っても一体化しない別々の戦闘組織である。それが少ない予算を争っている。
 北鮮のICBMが日本の海岸近くに着弾したとき、安倍は、これはクリアで現存する危険だと声明した。じゃあおまえはそれについて何をするんだよ? ……と三代目は思ったはずだ。結局、日本の国防戦略とは、アメリカがすべての面倒を見て欲しいと希望することに過ぎない。
 日本の高官が米国の高官と会うと常に声明される。日米関係はかつてなく強化されたと。
 稲田がこんな状況をもたらしたわけじゃない。前任大臣と日本の政治家全員が集団的にやらかしてきたことなのだ。
 米側の「同盟マネジャー」たちも同罪だ。日本人のいびつでゆがんだ対米依存心情を築いてきたのはこやつらなのだ。
 稲田の後任者にも、何もできることは無いだろう。もしジェームズ・マティス氏が日本の防衛大臣に就任したって、なんにもできやしないことに変わりは無い。それだけははっきりしているのだ。
 日本の防衛を考える仕事は、防衛大臣ではなく、総理大臣と国会の責任である。
 しかしそれにもタイミングが必要で、おそらく北鮮のミサイルが東京のどまんなかに着弾をするか、中共軍が海自艦艇を撃沈して尖閣に上陸するまで、そのタイミングが来ることはないのだ。
 その日までは、重箱の隅をつついて後任防衛大臣のあら捜しをする日本のゴミTVの報道が延々と続く。
  ※記者は退役海兵隊将校。
 次。
Zachary Cohen と Ryan Browne 記者による2017-8-1記事「US detects ‘highly unusual’ North Korean submarine activity」。
   火星14の二度目の発射の数日後に潜水艦のコールドランチ試験をしていたようだ。
 7-30に新浦沖でやった。それは7月において三度目、今年において四度目だったと。
 黄海では『サンオ』級潜水艦が活動。
 『ロメオ』級×2隻も日本沖を遊弋。両艦ともに、連続1週間行動していた。北鮮沿岸から百数十kmも離れていたのが珍。