パドックの頭の中が最大の謎。

 ストラテジーペイジの2017-10-9記事。
  フィンランドの最新技術。120mm迫撃砲と砲弾100発を、普通の20フィート・コンテナの中にパッケージ。
 コンテナ内に3人が入って発射する。全部しめて重さ10トン。
 このコンテナを搭載できるトラックやトレーラーは、そのまま、自走迫撃砲となる。もちろん地面にコンテナだけ卸しても使える。
 このコンテナを搭載した船舶は、そのまま120mm砲で海戦ができる。連射レートは最大で毎分10発。
 120mmの迫撃砲弾はレギュラータイプだと最大8200m飛ぶが、ロケットアシスト弾にすれば13km飛ぶ。
 すでにイスラエルが完成していた迫撃砲リコイルのダブル緩衝機構を組み込んだ。
 イスラエルは、6トンのトラックであれば直接に120ミリ迫撃砲を搭載して荷台から発射できるとフカしている。
 じつに反動は1割にまで減ずるのだという。そのかわり速射はできなくなる。リコイルが戻るのに時間がかかるため。
 たとえば毎分20発発射できた迫撃砲だとしたら、毎分16発しか射てなくなる。そのデメリットは、GPS誘導砲弾で補うしかない。
 120重迫のタマの重さは155ミリ榴弾の半分しかないが、発射レートと、垂直に落下して水平に破片を散らせる効力を考えると、15榴以上にすごい。
 ※推理。米国では1986年以前はフルオート機関銃の販売が合法だった。ブローニングのベルト給弾の7.62ミリすらも。現在も所持は合法だが、登録が厳重なので、パドックは機関銃のオプションは避けた。実行前に当局から警戒されないように彼は細心の注意を払っているのだ。また、連射中に故障したり銃身が過熱した場合は、銃ごととっかえる方針を選択した。貫通力の高い7.62ミリよりも.223を選好しているように見える理由は、たぶん、バンプ・ストックとの相性が、5.56ミリNATO弾の方が良いからなのだろう。コントロラブルなのだと想像できる。ではなぜ、トリガーガード内にとりつけられる電動式の「ガットリング化クランク」メカ(右手を使ってクランクを1回転させるたびに引き金を押す動作を3回やってくれるメカ。手動式も数タイプあるが、最初からクランクがない電動モーター式もある)を通販で取得しなかったか。やはり、この部品を複数発注すると、自動的に当局から目をつけられると警戒したのだろう。手製のサプレッサー(サイレンサー)を使わなかった理由。これがわからない。次に模倣犯が現れるとすれば、サプレッサーを使うだろう。窓に目立たないサイズの穴だけ開け、銃口が室内になるようにすれば、音はもっと隠せた。
 ※ローメーカーたちの限界。フルオート銃を禁止する法律を、「目的」「意義」には重点を置かずに、単純にメカニズム定義だけで規制したために、ガットクランクやバンプストックが野放しになってしまった。これはローメーカーたちの敗北である。そうせざるを得なかったのもNRAへの顧慮なのだろう。