往年のシェリダン空挺戦車の152ミリ臼砲。発射すると衝撃で車内の電装品が故障したそうだ。

 Carl Zimmer 記者による2017-10-5記事「A ‘Sonic Attack’ on Diplomats in Cuba? These Scientists Doubt It」。
       米国務省は、キューバのハバナ市の大使館に勤務するアメリカ外交官たち20人ぐらいが、難聴や、意識障害などさまざまな奇病をわずらっていると言い立てている。
 国務省では、キューバ政府による超音波攻撃だと疑っている。
 しかし、音響学の専門家の意見は、否定的である。
 超低周波の可能性はないのか?
 じつは米軍は2002年に、低周波音響を武器にできないかと研究させたことがあったのだが、放棄された。ちょうどうまく効く波長の選定・生成が難しかったそうである。
 また、低周波音では即効的ダメージを人に与えることもできなかった。
 ならば高周波はどうか?
 2万ヘルツ以上の音をハイパワーで人体にぶつけると細胞が傷つくことは確かめられている。鼠ならば、殺せる。
 これを利用しているのが腎臓結石を非侵襲的に破砕できる音波パルス治療器。数方向から結石に照準してパルスを当てると焦点が合ったところだけに破壊的な衝撃を加えることができる。
 兵器レベルの有害音響にさらされる危険があるところでは、耳栓ではまったく不十分で、ヘッドフォン状のイヤーマフが必須アイテム。
 ※近未来の軍用ヘルメットは、フルフェイス型になる。これだけはガチ。
 音響は距離とともに減衰する。かつまたハヴァナ市のような湿気の高いところでは、減衰はさらに急なはず。
 また、高周波だと建物の外壁でほとんど跳ね返されてしまうはずだ。内部まで到達するのは低周波である。
 じつは携帯電話のマイクは超音波まで拾うことができる。だから超音波工作が実際にあれば、携帯電話に録音されるかして証拠が残るはずである。
 ※ちかごろこれほど不審・不可思議な話は無い。AIダイアグノーシス先進国の米国さんなら、館員の愁訴とビッグデータを照合して、すぐにマシーンが原因を教えてくれそうなものなのに……。NBC兵器テロを警戒して、大使館内の気圧を屋外よりわずかに高くする特別な空調でも設置しているのではないか? あるいは気密性が高すぎて屋外と気圧ギャップがあるとか。あるいは誰かが空調にハッキングしていて、悪戯で気圧をランダムに変更しているのか。電灯線の電圧が不安定ならば同じ現象が起きるかもしれない。