実りの多い一年が暮れる。

 2017年は収穫が多かった。
 出版イベントでは、『アメリカ大統領戦記』に1里塚を樹てることができたのがいちばん想い出深い。
 世界観の変わる体験としては、自動車メーカーディーラー店で最悪の「ゆとり」小僧に当たってしまった。この歳で酷いトラウマだ。現代においてラジオの付いてない新車を届けられたのは俺くらいではないか。わたしの車のダッシュボード上に今も小型のAMラジオが置いてあるのは、その名残なのです。
 初めて自動車オーナーになるからにはこの歳まで持ったことのない携帯電話も持たねばならぬと決意し最寄の携帯ショップに行きiPhone7 Plusを買ったはいいが、ここでも「ゆとり」姉ちゃんに当たってしまって甚だ苦しんだ。今の日本にはこんな店員が何割もいるようになったのか。
 この携帯で初めて電話が通じたという貴重な体験は、12月のMXの入り口がわからなかったときだった。それまでは掛けるのも受けるのもうまくいかなかったのだが……。めでたし。
 乗り物系の素晴らしい体験は北海道新幹線。いうことなしだぜ。
 フレッシュな体験としては、今年わたしは「測量助手」になった。これをやってみないことにはジョージ・ワシントンの青年期も理解はできない。
 今年いちばん暗雲の垂れ込めたニュースは北朝鮮の話ではなく、複数のNHK裁判で偉い判事たちが軒並み基本的法理を捻じ曲げて「NHK帝国」に叩頭九拝阿諛追従してみせたこと。2017年は、自由が金権に屈服した記念の年だ。いったい東大法学部は戦後何を教えてきたのだ?
 民主的選挙にいっさい無関係にマンデイトに国民から実質税を徴収できる「絶対金力」は、人々の志操を腐敗させ、内外の同類を仲間に引き入れ、逐次且つ絶対的に国家と国民を不自由に導く。
 BBCには電波独占特権と引き換えにロシアのスパイをのさばらせない「不文の慣行」がしっかり機能しているから許されるのだが、NHKは労働貴族組合や儒教圏工作員の温床そのものだろう。亡国は、渋谷区から始まるに違いない。