「読書余論」 2018年4月25日配信号 の 内容予告

▼ダーウィン著、島地威雄tr.『ビーグル号航海記』イワブンS34~36
 ゴウチョ〔ガウチョ〕の特筆されるべき技。bolas(ボラス)=投げ球。主にダチョウを捕らえるための猟具で、2タイプある。
 ひとつは、2個の丸い石を革で包み、8フィートほどの細い編んだ紐でつないである。
 もうひとつのタイプは、3個の球が、革紐で共通の中心につながれている。
 馬を傷つけずに捕獲したいときは、蕪ほどの大きさの木製の球でできたボラスを投げる。
 ※火器を持たない歩兵でも騎兵の突進を止めることのできる近接防禦兵器が19世紀の南米で殖民白人によって発明され大成していた。
 敵からボラスを投げられて自分の馬の脚に絡んだら、すかさず飛び降りてナイフで紐を切り離す。
 人間が後方からボラスを受けると、その紐がからみついた脚部の皮膚には、蚯蚓腫れができる。
 殺されてからあまり日数を経ぬ去勢牛の骨は、灌木代りの燃料として燃やせる。
 牛以外の野獣でも、骨は燃やせるという。冬期にはしばしば野獣を殺して、ナイフで骨から肉を除き、夜食にはその骨で肉を焼く。
 ラバこそ、最も驚くべき動物だ。牝馬と牡ロバの雑種だが、両親のいずれよりも、理解力、記憶、執拗、同類に対する愛情、筋肉の耐久、生存の永さにおいてすぐれているのだ。
 蟹は、椰子の実の繊維を一本一本切って、果実の殻を破る。作業は常に、殻の下に三個の窪穴が存在する側から始める。
▼『ベルツの日記』第一部・上巻 つゞき
 日本の弓術を練習している。弓は練習用なのだが、すこぶる強い。張るのがやっと。
▼千崎達也『カンブリアンモンスター図鑑』2015-10
 複眼の解像度は、眼の数に比例する。現在、トンボは3万個の眼を有し、ダントツ。カンブリア起のアノマロカリスは1万6000個もあったので、特異。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
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