中共に接壌する北鮮が非接壌国と結びたいのは地政学の自然。しかし儒教圏人は対日序列心理を放棄できぬゆえ米国に縋る。

 CLAUDIA GRISALES 記者による2018-6-12記事「Lawmakers question plans to halt US-South Korea exercises, push for congressional role」。
     連邦議会の承認がなければ、米韓演習の中止なんてできないぞ、と上院軍事委員会のD・パーデュー議員(ジョージア州選出、共和党)。
 それは北鮮がまだ何もしていないのに北鮮にリターンを与えるのと同じである。
 M・ワーナー上院議員(ヴァジニア州選出、民主党)も同意見。今回の会談では三代目の方が大きい収穫を得て帰って行った。
 上院の民主党の院内総務であるC・シューマー議員(NY州選出)は、北鮮内の人権侵害にひとことも触れない大統領の態度を問題視。合衆国が、世界から顰蹙されている人権弾圧政体を賞揚したかのような印象が世界に発信されてしまったではないか――と上院の議場で記者に語った。
 ※適時にこういうレベルの発言ができる日本の国会議員は一人でもいるのか? いまさらながら、情けない話だよね。
 議員たちは異口同音に言う。大統領が北鮮と経済の話をするのはいい。だが米国の将来の軍事作戦を縛るような発言を大統領が勝手にするな。
 在韓米軍削減や米韓合同演習の企画は、北鮮の非核化措置と連動させていくカードであるのに、先に中止を公言しちまってどうすんだ。
 上院の共和党院内総務のM・マコネル(共和党、ケンタッキー州選出)いわく。北鮮の出方は分からぬ、同盟諸国とともに「マキシマム・プレッシャー」政策を継続する準備は怠ってはならぬ。
 米韓軍事演習は毎年、春と秋に大きなやつをやってきた。「フォール・イーグル」と「キー・リゾルヴ」は春に。「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」は秋季演習である。その他に小演習が幾つもなされるのが恒例だ。
 1990年代を通じて米国は、幾度も、北鮮との交渉の一環として軍事演習をキャンセルしてきたものだが、それらはいずれも無駄だった。
 次に予定されている大演習は、8月の「ウルチフリーダムガーディアン」である。今のところ、それを止めろというガイダンスは、DoDからもインド太平洋コマンドからも、在韓米軍司令部に示達されてはいない。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-6-12記事。
  アルジェリアが中共製の自走迫撃砲を買った。「W86」という120mm迫撃砲を、メルセデスベンツの4×4「G」クラスのシャシに装載したものだ。
 この商品は本来なら、中共製の「EQ2050」というHMMWVもどきのトラックシャシと組み合わせられるのだが、アルジェリアは「G」クラスの軍用トラックを2015年から国内工場で組み立てているので、仕様変更された。
 W86は油圧アームにより、発射時にはトラック車体後方の地面に降ろされる。陣地移動するときは、油圧アームにより車体後方に載せられる。この油圧機構コミで、迫撃砲は重さが206kgである。
 「G」クラスの軍用車はいま、世界の60ヵ国以上で採用されている。ドイツ人に言わせると、HMMWVも70年代にこの「G」を参考に設計されたのだ。
 1・5トン積みである。
 「G」の自重は3・5トン。
 軽装甲タイプだと自重が増し、逆にペイロードは500kgに減ずる。
 中共製の120ミリ迫撃砲は、今では射程が7・7kmに伸びている。砲弾は14kgである。