圧縮録音通信システムは、末期遺言やダイイングメッセージを残すにも最適のツールだ。詳しくは拙著で。

 Stephen Chen 記者による2018-7-1記事「China brings Star Wars to life with ‘laser AK-47’ that can set fire to targets a kilometre away」。
   中共でこのたび開発された歩兵携行用のレーザー小銃「ZKZM-500」。照射された人体の皮膚は瞬時に炭化される威力。その有効射程は800mだという。
 衣服は1秒以内に侵徹する。もし可燃繊維だったならば、その衣料は燃え上がる。
 全重は3kgである。つまりAK-47と同じ。
 最初の量産ロットは、武装警察の対テロ班に渡されるであろう。
 窓ガラスを透過できるので、人質事件の犯人制圧に使える。
 またコマンドー部隊に持たせれば、ガスタンクの外鈑を焼き切ったり、軍用飛行場の燃料貯蔵所に放火できる。
 光線は人の眼には見えないし、音もしないのである。
  ※これが水鳥猟用の猟銃になったらどうなりますかな? 音さえしなければ、水鳥の大集団が危険を認識する前に、密猟ハンターは何百羽も仕留められることになる。日の出前とか禁猟区とか市街地とかでも関係はねえ。誰も気付きゃせんのだから。中国製のレーザー猟銃によって、世界各地で無数の鳥類が絶滅危惧種となるだろう――と、ここで予言しておく。特にアフリカは終わった。
 電源はリチウム電池で、1000回以上発射可能。引き金1回につき、レーザー照射が2秒弱、持続される。
 メーカー名は「ZKZMレーザー」社である。西安市にあり。
 まだ量産の準備はできていない。しかし量産後の単価は10万元=1万5000ドルだという。
 この新兵器の第一報は、中共政府肝煎りの「シヴィル-ミリタリー一体化」事業の国営HP上で先月に公開された。
 おなじく先月には、武警用に装備を供給している成都市のメーカーが「レーザーマシンガン」を公表している。
 こちらは射程500mだという。
 レーザー兵器の小型化はシンギュラリティに近づきつつある。2009年に米国で試作したときには、Tシャツすら侵徹できなかった。
 ※すなわち相手がシュワルツェネガーかスタローン、上半身裸の特殊部隊員の場合にだけ有効だった。
 しかし2015年に中共は、小火器サイズのレーザー銃の開発資金として200億元をドンと提供。ここから各社の試作研究が活性化した。
 ジブチのシナ基地から米機に向けて発射されているレーザーも「ウェポン級」であると米政府は言う。オモチャなんかじゃないのだ。
 このレーザー光によって米軍パイロット2名が目を負傷させられている。
 懸念されること。この技術がテロリストに渡れば、どこでも、探知されることなく、放火ができるようになってしまう。
 1980年の、失明をもたらすレーザー兵器についての国連議定書(The United Nations Protocol on Blinding Laser Weapons)は、永久失明をもたらすレーザー兵器を禁止した。100ヵ国以上が署名。
 しかし中共政府のウェブサイトによれば「ZKZM-500」は、命までは奪わないから「ノンリーサル」でOKなんだと。
 反政府デモが手にしている幟や旗や横断幕やプラカードを警察がレーザーで遠くから焼いてしまう。そういう使い方ができると強調されている。
 また抗議集団のリーダーが演説しているところを公安がレーザーで狙い、頭髪や衣服を炎上させてやることで気勢を殺ぐことができる、とも。
 ※なぜこの技術突破が特定分野における「シンギュラリティ」であるのかを説明しよう。このレーザーサブマシンガンをマルチコプタードローンに吊るすようになるのも、もはや時間の問題である。さすれば徒歩の散兵による「野戦」など、もうほとんど考えられなくなる。コンクリートビルをピルボックスとした市街戦や地下坑道戦の時代は、やや長く続こう。しかしレーザー小銃の特性として「反動が無い」ことを思い出そう。キネティック弾薬ではどうも調子がよくない「90度銃身曲がり銃」や、長大な「内視鏡」形の敵ピルボックス征圧火器も、元がレーザー武器であるのなら、いとも簡単にカスタムできてしまう。やがて射手は銃ではなく「チューブの後端」を握って戦うようになるだろう。物陰から顔半分露出する必要すらない。うねうね銃身だけが敵の潜んでいるスペースに向かって潜入して行くのだ。とりあえず技本はフルフェイス型の歩兵用「鉄帽」の試作を急がないと、みじめな敗戦がすぐそこに待っていやしませんかい?