ウクライナの軍事使節団は、フィリピンにおける低廉なサイドカーの広範な利用実態から、あることを学べたはずだ

 Frances Mangosing 記者による2025-9-3記事「Ukraine eyes joint drone production deal with the Philippines」。
  ウクライナの駐比島大使である、ユリア・フェディフいわく。両国は10月までに、防衛協力に関する覚書(MoU)をとりかわすであろう。

 H I Sutton の指摘。おそらく具体的には、ウクライナが実用化した洋上無人特攻艇を、比島国内でも量産する。フィリピン軍はそれを対支用に使う。

 黒海では、事実上、海軍などもっていなかったウクライナ軍が、有力なロシア艦隊をすっかり駆逐してしまった。同じことが南シナ海でも可能である。フィリピンこそ、ウクライナ流の爆装ボート運用を、最も必要としている国だ。

 フィリピンのジルベルト・テオドロ国防長官は7月、潜水艦戦力は一夜にして構築することはできないので、当座の凌ぎとして、潜水艦の働きを代替できる、無人システムを模索しているところだと語った。

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 Derek Thompson 記者による2025-9-2記事「The US Population Could Shrink in 2025, For the First Time Ever」。
  米国は国内出生だけでは人口を増やすことができなくなっているので、トランプの移民禁止政策は、まちがいなく、米国人口を減少に導く。
 予想もできなかったが、早くもこの2025年に、米国人口が縮小する可能性が出て来た。

 出生から死亡を引いた自然増加が、1~6月に100万人減少。加えて、移入移民数から移出移民数を引いた純移民数が、52万人減ったので。
 新コロでは米国人100万人が病死したが、出生と純移民によってカバーされた。

 第一次トランプ政権の行政を逆転させて、意図的に、無制限の移民を許容したのは、バイデンであった。この人口増のおかげで、確かに米国経済は成長できたが、同時に、米国の大都市では、誰が見ても移民が社会を破滅させていると信じられる状態に陥った。ゆえに、全有権者はバイデン政権に見切りをつけ、第二次トランプ政権を実現させた。

 これから、人口ボーナスが、予想より早いタイミングで、消失しようとしている。

 留学生を含む純移民がゼロに近づくと、米経済はスタグフレーションに傾く。確実に。そもそもトランプは有権者が物価高に困っていたのを自分の得票に結びつけた。しかしこれからはトランプが諸物価をもっと高くする。

 数年以内に、米国内の大都市で、労働者は足らなくなる。あらゆるサービスが、値上がりする。

 米国の農業労働者の三分の二は移民である。出稼ぎ労働者が入国できなくなると、米国内産の食品の値段は、農業分野での賃金高にプッシュされて、高騰する。

 戸建て住宅の建設労務者の半数以上は移民である。純移民がゼロになると、建設業界は、人の奪い合いになる。住宅は必然的に高騰する。
 近年の政権は、AIとロボットが全自動で安価に住宅を建てるとほざいて庶民を欺き、不平を黙らせようとする。これから数年では決してそんな夢は実現せぬ。

 今日、米国では、3人弱の現役労働者が、引退老人1人を養っている。この社会保障の構図は逐年崩れ、今世紀末には、2人弱の現役世代が1人の老人を養うようになるだろう。行政は社会保障関連により大きな支出をせねばならず、他の分野の予算はすべてカットされる。

 トランプの3ステップ。ステップ1で他者に痛みを与えると宣言。ステップ2で、その痛みを取り除いてやれるぞと申し出る。ステップ3で、その他者からの称賛を要求する。

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 Kevin Draper 記者による2025-9-4記事「John Deere, a U.S. Icon, Is Undermined by Tariffs and Struggling Farmers」。
  米国最大手の農機メーカーであるジョンディア社の予想では、トランプ・タリフのせいで、今年、同社が輸入する金属資材のコストは6億ドル増えてしまうであろう。
 また同社製の、大型農業機械の売上は、2025年は、15~20%減るであろう。

 オクラホマで中古農機を売買している商店主いわく。農場経営者は従来、新品の農機具を選好するものであったが、流れが変わり、彼らは中古のトラクターを探すようになったと。これは、新品農機の値段が急激に高くなっていることが理由である。

 過去8年で、新品トラクターの価格は60%以上、上がっている。これはイリノイ州の大学による調査。
 いくつかのモデルでは、単価が2倍になった。具体的には、かつて25万ドルで買えたコンバインに、今は50万ドル払わないと新品は入手できない。

 ジョンディア社はこの夏、イリノイ州とアイオワ州で、工場従業員238人をレイオフするしかなくなった。減収傾向がハッキリしたので。

 1837年にイリノイ州で創立したジョンディア社は、今日、全米の60の工場で3万人を雇用している。商品の農機の75%は米国内でアセンブルされている。部品の25%が国外製造品である。

 農家にとってのバッドニューズは、穀物価格が上がらないこと。2022年のピークとくらべて、今はトウモロコシは半値、大豆は6割である。こうなると農家は弱気になり、新品の農機を買わなくなる。中古でなんとかしようと決心してしまうのだ。

 ことしの作柄は、トウモロコシも大豆も、記録的な豊作になると、農務省は予想している。
 2024年には米国から中共へ130億ドルも大豆を輸出していたわけだが、今年はトランプ・タリフのおかげでその需要はどこかへ行ってしまった。
 おそらく、中共相手の大豆輸出額は、昨年より34億ドル、少なくなるであろう。これも農務省の予想だ。

 ジョンディアのライバルである外国の「Kubota」や「Fendt and Mahindra」社も、トランプ・タリフで大打撃を受けるであろう。

 ※なまじいに外国からスチールを輸入して米国内で組み立てるメーカーが、トランプ・タリフによって最も苦しめられ、むしろ、完成品をまるまる輸入した製品の方が価格競争力が高くなってしまうという分野もあるようだ。

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 Defense Express の2025-9-2記事「Specifications of Ukrainian Palianytsia Rocket Drone Revealed」。
  ターボジェットエンジン付きなのに「ロケットドローン」と自称しているJARO案件なまぎらわしい「パリアニツィア」の仕様が一部、公表された。
 ポーランドで開催された「MSPO 2025」のパネルに数値が書いてある。

 それによると、MTOWが320kgで、そのうち弾頭が100kg。
 レンジは650kmである。巡航高度は500m以下。

 離昇には固体燃料ブースターを使う。そのあとジェットエンジンで巡航。巡航速度は、ロシアのKh-101巡航ミサイルに匹敵する900km/hだという。

 ミサイルの全長は3.5m。ウイングスパン1.7m。

 これまでに実戦で使われているのかどうか、ウクライナからの発表はない。しかし2024年9月にロシアのトロペッツ市の弾薬庫を爆破したのは、この武器ではないかという噂。

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 Vladyslav Khomenko 記者による2025-9-4記事「Flamingo Missiles Manufacturer Announces Development of FP-7 and FP-9 Ballistic Missiles, Air Defense Systems」。
  フラミンゴの製造会社が発表。2種類の弾道弾、「FP-7」と「FP-9」も開発中だと。

 FP-7 はレンジが200km。CEPが14m。弾頭重量150kg。発射後、250秒で標的に届く。最高到達高度は65km。

 FP-9 はレンジが855km。弾頭重量800kg。最高到達高度は地上から70km。CEPは20m。520秒で届く。

 ※8月下旬に英国政府が「Nightfall」というレンジ600kmのミサイルの技術をウクライナに渡すと報じられた。主眼は低コストで量産できること。目標単価は50万ポンド=67万5000ドル。これはレンジ半分のATACMSが150万ドルするのにくらべて、ずっと安い。弾頭重量は300kgともいう。英国じしんがこのミサイルを月産10発以上量産する決意であると。


B-29はたった3年間で開発された。その費用はマンハッタン計画の1.5倍であった。原爆よりも高額な兵器システムだったのだ。

 Tobias Leth Klinge および Hans Corfitz Andersen 記者による2025-9-2記事(ttps://www.dr.dk/nyheder/indland/firmaet-bag-ukraines-nye-supervaaben-skal-starte-produktion-i-danmark)※原文のデンマーク語から機械翻訳し、さらに要約。
  デンマークのウェブメディア「DR」は、このたび政府省庁間の非公開メールを入手した。それによると12月1日からデンマーク国内で「フラミンゴ」用の固体燃料が生産される。
 ウクライナが使う「フラミンゴ」ミサイルは、ウクライナのファイアポイント社が製造する。同社はFPRT社を立ち上げ、デンマークのSkrydstrup空軍基地の隣接地にて、固体ロケット燃料を生産する。その基地には空軍のF-35が所在するが、そこと工場はフェンスで隔てられている。

 デンマークの国防大臣トロエルス・ルンド・ポールセンは以前から、デンマーク国内でウクライナのメーカーが兵器を生産する予定だと公表してはいたが、詳細は明かされていなかった。

 フラミンゴ・ミサイルは最近、クリミアにあるFSB基地を直撃し、幹部多数を殺傷してみせた。
 エコノミスト誌によると、同ミサイルのプロトタイプが、ピンク色に塗られていたのだという。

 デンマーク政府は、この火薬工場については住民による苦情をうけつけない、最新の法令を適用するつもりだ。新法の主旨は、市民にとって緊急重要な国家安全保障を重視する。9月中旬から施行される。

 そのかわり、関連する責任分野を持つすべての省庁がコメントを提出して事前協議する。そのメールが「DR」にリークされた。

 FPRTはすでにデンマーク国民向けのウェブサイトを立ち上げて、「Vojensに近代的な生産施設を設立する」こと、そこではロケット・エンジンの部品の設計と製造に取り組むが、テスト施設はその生産場所とは異なる場所にあることなどが公表されている。

 これと直接の関係はないが、デンマーク国防省は、イスラエルのエルビット社から、「PULS」という商品名の、トラック車載式の多連装ロケット砲を買っている。長短二種類のロケット弾を混載することで、近間の死角をなくしている。(ちなみに「脈動」の「パルス」は「pulse」と書く。)理論的にはこのロケット弾のための推進薬も、製造できるであろう。

 ※ウクライナ人が使う「ロケット・エンジン」という曖昧な用語が気に喰わない。レンジ3000kmの巡航ミサイルは、「固体燃料ロケット」では飛ばない。合理的に推定すると、これはRATO=ロケット・アシスト・テイクオフ だろう。発射時だけ燃やして捨てる小型ロケットだ。じつは今、西側先進国ほど、ロケット用の固体燃料推薬が酷い入手難に陥っている。155ミリ榴弾砲を打ち出すための発射装薬も同様である。弾頭や筒体や砲弾ばかりやたらにこしらえても、それを飛ばせないという、ケミカル工業インフラのネックが解消できないのだ。されば、わが国政府は、苫小牧あたりに推薬専用の工場を造らないとダメだ。大樹町には宇宙産業の長期的な民需もあるのだから、国策として推進するがいい。そこにロケット推薬の大工場があることにより、日本政府は、西側世界が最も困難なときに、RATOの提供者として、そのピンチを救ってやれることになるだろう。アメリカには恩を売れることになり、対米交渉カードを増やせることにもなるんだ。これから西側各国軍は、何十万機もの戦略級の片道特攻機を調達しなくてはならない。あるていど以上の重量になると、もはやそれをゴム動力や圧搾ガス式の軽易なカタパルトでは打ち出せなくなる。つまりRATO無しでは、無人機戦争でおそろしい不利に陥るはずなのだ。つるべ撃ちができないんだから。ここに着眼する者は誰もいないのか? 私が富豪の起業家だったなら、千歳空港の近くにRATO工場をぶっ建てる。

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 Jen Judson 記者による2025-9-3記事「Army picks 3 startups to fast-track self-driving squad vehicle」。
  米陸軍の歩兵分隊を運ぶ車両コンボイを、自動運転させようという企画。
 これに手を挙げたスタートアップ3社に、ペンタゴンは1550万ドルを与える契約。

 選ばれた3社は、Overland AI と、Forterra と、Scout AI である。前には Kodiak Robotics の名もあった。
 試作品は2026年5月までに納品されるだろう。

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 Sumantra Maitra 記者による2025-8-29記事「Singapore’s Real Lesson for Britain and Europe」。
   シンガポールには、保守的な政治的安定がある。欧州がとっくに実現できなくなってしまったことを、アジアで実現している。
 人口の75%はシナ系。15%はマレー系。9%はインド系。それでいて、なんのグループ犯罪も暴動も無い。選挙が機能しており、その結果が社会を混乱させることがない。

 英国の政治家では、トニー・ブレアだけが、リークアンユーを認めて絶賛した。他の英国指導者は、英国が実現できなくなったことをシンガポール政界が実現できていることを認識したくないようだ。

 欧州は、次のようなステップを踏んで、自滅しようとしている。
 まず大量移住。特定宗派のゲットーの成立。統一された国家社会観の消失。マイノリティの犯罪グループは政策的に野放しにされる一方で、それを批判する自由言論は政府によって弾圧される。

 欧州に「内戦」が起きないのは、中東と違って高性能武器の取り締まりが機能しているからで、域外某国の干渉工作によってそうした武器の条件が少し変われば、欧州は三十年戦争に再び突入するだけの下地がもうできている。

 スコットランドのティーンエイジャーはなぜナイフを携帯するのか? 警察にも裁判所にも、マイノリティー犯罪を止める気がまったく無い以上、自衛するしかないのだ。

 リークアンユーは断言した。社会は、民主主義と自由と秩序を同時に持つことはできないのである。
 多人種・多民族になればなるほど、民主主義と秩序が、両立できなくなる。そこで、選択をしなくてはいけない。優先する価値を決めなければならない。リークアンユーは、おおぜいの人々を不幸にしないためには、社会を犯罪の巷にしないことが一番大事だと判断した。そのためには自由を規制した。それがまったく正しかったことを、シンガポールの多民族社会が実例として証明しているのである。

 欧州が目前に証明しつつあること。それまで多民族的ではなかった社会を多民族化すると、自由民主主義と秩序の間の調整が不可能になる。民主主義が内戦とイコールになり、「暴力の自由」が実現してしまうのだ。暴力の自由の終着点は、某国のような専制監視政体であろう。

 かつて民主主義は、均質な社会的精神、文化的一貫性がある環境から、自然に発生した。
 社会を多民族化した上でその成員を自由勝手にさせれば、宗派間の永久戦争が極相となる。

 リークアンユーは言う。多民族社会の中で、誰もが自分の自由を最大限に享受したくば、秩序ある社会を壊すな。個人の自由は、秩序ある社会の上でのみ保全されるのだから。もし無政府状態に陥れば、その次の段階で専制監視政体が言論の自由を殺す。だったら、無政府状態を煽動する言論を、そうなる前から取り締まって行くべきだ。

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 Raf Sanchez and Alex Holmes 記者による2025-9-2記事「Russia’s latest war tactic: Hire local criminals」。
  ウクライナに物資を支援する団体に関係する倉庫に、英国やスペインの地元のチンピラが放火する事件。昨年から、相次いでいる。
 誰がそのようなチンピラ・テロをそそのかしているのか? 明らかだろう。

 ロシアはヨーロッパ全域で、破壊行為を実行してくれる地元の犯罪者を雇っている。エストニア、チェコ共和国、ポーランド……。
 ついには大型ショッピングモールまで放火の対象になってきた。
 報償は、暗号通貨によって支払われているという。
 指令は Telegram の暗号通信でなされている。

 麻薬に関わっているチンピラなどは常にカネが必要である。一本釣りしやすい。

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 Mihai Andrei 記者による2025-9-1記事「Climate Change Triggered European Revolutions That Changed the Course of History」。
  1789のフランス革命は、悪い気候の変化が惹き起こした。
 まず1770年から始まった「ダルトン極小期」(太陽活動が低下)のせいで、欧州北部の冬が厳寒化した。
 1783年にアイスランドのラキ火山噴火が気候をさらに悪化させ、数年のあいだ、農業を凶作に。
 トドメは1788年冬の記録的な寒さ。

 フランスの農業生産は20%以上減少し、税負担ゼロであった貴族と教会に対する平民・農民の不平感が爆発した。


スペース・コマンドの司令部を、アラバマ州のロケット・シティへ移してしまうと決めた背景は、コロラド州の郵便投票制度に対するトランプの嫌悪があるそうだ。

 Seva Gunitsky 記者による2025-8-25記事「The Two Mearsheimers」。
  2001年にミアシャイマーは『The Tragedy of Great Power Politics』を公刊し、「オフェンシヴ・リアリズム」という概念を国際政治学に導入した。

 これは、大国はナチュラルに攻撃的になるものである、という歴史からの帰納。
 あるところに大国があり、その隣にとんでもなく弱っちい地域があったとする。善意や悪意にはほぼ関係なしに、その大国は、当該の隣接地域に対する侵略活動やそれに準ずる活動をスタートするであろう。動機は、そうすることで大国は、今以上に安全になると思うからである。

 2014のロシアの対ウクライナ侵略も、これでクリアーにすべて説明される。〔兵頭いわく、大正期~昭和前期の日支関係もね。〕ところがミアシャイマーは突如として、2014のプー之介の作戦は、アメリカが原因で、アメリカが悪いのだと叫び始めた。

 事実は、ウクライナが、大国ロシアの隣国として、あまりにも弱すぎていたので、プー之介の侵略を自動的に誘ったのである。つまりミアシャイマーの2001理論で全く説明可能なのに、なぜかミアシャイマーは2014を境にして、自説の破却に全力投球し始めた。今もそれを続けている。

 ※漠然と思うに、ミアシャイマー理論は「イスラエル帝国」の建設を後押しすることになる。それが迷惑だとご本人が思い始めたのではなかろうか。あるいはもしかすると、米国のカナダ侵攻を予感しているからか? 別報によれば、メキシコでは資金潤沢な麻薬カルテルがIEDや特攻ドローンを駆使するようになっているので、もし米墨戦争になれば、カナダより手強い相手かもしれない。

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 Robin J Brooks 記者による2025-8-31記事「Lessons from 3 years of Russia sanctions」。
   記者は対露経済制裁の専門家である。
 ブルックスの小括。EU内の企業こそが、西側政府の最悪の敵になっている。

 金融制裁は、ロシアには利かない。その理由は単純。ロシアはゆるぎのない経常黒字国だから。

 2018に米国はトルコに金融制裁を科した。たちまちトルコの景気は後退させられた。トルコはもともと経常赤字国である。いつも海外の資本市場からカネを借り続けねばならぬ立場の国だから、そうなるのが当然だ。

 ※バイラクタルTB-2が異常に安いのは、トルコの通貨が極端に安いから。そうなった背景でもある。

 西側はロシアの中央銀行CBRに制裁を課したが、石油輸出代金を受け取る銀行が、CBRの支配下にないアングラ金融機関に移行することで、ロシアの経常収支にはほとんど悪影響がなかった。

 この回避をゆるさないためには、対CBR制裁ではなく、すべての銀行をターゲットにする「完全禁輸」制裁を西側が発動するしかなかった。しかしそうすると、西側の誰もロシアから石油やガスは1滴も買えなくなる。西側には、それはできなかったのである。

 そこでG7は、ロシア産の石油を買う場合の価格上限を設定しようとした。理論上、ロシアに対して確実に効き目がある正しいツールである。
 しかし、ギリシャの船会社が大反対し、EU内で拒否権を有するギリシャ政府を動かした。その結果、2022-12の設定上限額(バレルあたり60ドル)は、ロシア原油の市価をただ追認しただけの、無意味なポーズとなった。

 のみならずギリシャの船主どもは、ロシアにおんぼろの石油タンカーを大量に売ってやり、シャドウ・フリートを育てるのを幇助した。EUはそれを禁ずるべきだったのに、却ってギリシャのロビー活動に負けて追認している。

 バイデン政権も、ロシアの石油タンカーに対する制裁を、選挙に敗れるまで実施できなかった。なぜなら原油価格が上がると米国内のガソリン価格も上がり、庶民が腹を立てるので。

 後知恵だが、今、こう言える。もし2022のうちにG7が1バレルあたり20ドルの上限を策定できていたなら、ロシアは経常収支が赤字に転落しただろうから、初めて真の金融危機に直面しただろう。それが、ウクライナ戦争を早期に終息させる、最善の打撃になったはずだ。
 経常収支が黒字であるうちは、その国の経済が崩壊したとは誰も思わない。戦争でも何でも続けようという気になのである。

 EUガバナンスが危機にあるのは、イタリアとドイツの商品がキルギスで大量に消えている貿易データから立証できる。英国はそうした私企業の「対露の抜け荷」積み替えを自国領土内において有効に禁止できているのに、他のEU諸国にはそれができないのだ。つまり、EU内の少数の大企業と船主たちが、私欲のために、ロビー活動を通じて諸政府の手足を逆に縛り、EU27ヵ国の長期的な安全保障をおびやかしているのである。それを誰も止めることができないのである。これではプー之介に足元を見られてしまうのも尤もだろう。

 ※Robin Brooks 氏の2005-9-1「X」投稿。IMFデータによると中共からキルギスへの輸出は毎月25億ドル。GDPが200億ドルでしかないキルギスが最終消費者のわけがあるか? 中共こそ対露の最大の支援国である。

 ※Robin Brooks 氏の2005-9-3「X」投稿。中共は、カザフ、ベラルーシ、ウズベキスタンを経由するルートでも、莫大な対露輸出を続けている。EUは第19次制裁として、これら抜け荷の中間積み替え国への開発援助を一切、停止せよ。

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 The Maritime Executive の2025-9-1記事「Royal Navy Uses Drone Deliveries for STS Transfers for the First Time」。
  空母『プリンスオヴウェールズ』は、艦隊内の某艦と他艦とのあいだの荷物運びに、「Malloy T-150」という無人のクォッドコプターを使い始めた。
 まずは空母から、駆逐艦『ドーントレス』へ、小荷物を届けた。 ※おそらくインド洋上にて。

 これまでは有人のヘリがこんな雑用をしていたものだが、これからは、やらない。
 飛行距離は片道1マイルである。
 また、駆逐艦に着艦させるときのリモコン操縦は、駆逐艦側のクルーが引き継いで実施した。


サウジのヤンブ港にてイスラエルのタンカーが爆破された。船籍はリベリア。

 Thomas Newdick 記者による2025-8-30記事「This Is How Ukrainian Yak-52 Crews Hunt Russian Drones」。
  WSJの記事によると、宇軍のレシプロ複座機「ヤク52」は、主として露軍のオルランとZALAの偵察ドローンを撃墜する仕事に任じている。
 時速180マイル以上で、敵無人機に追いすがれる。

 ロシアのドローンが防空センサーで発見されると、ヤクは15分以内に離陸。
 機載レーダーはないので、Yak-52のパイロットは、地上からの無線コマンドに依存して接敵する。

 そして敵機が目視できると、300フィート以内に近寄り、後席の者が、ドイツ製の「MK55自動小銃」を使って撃墜する。

 敵UAVは自衛機動として、タイトな周回を続ける。これをやられると撃墜する側も手間を喰い、仕留めるのに40分かかるという。

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ヴェルコフロフ記者による2025-8-25「ttps://ja.topwar.ru/」記事。
  イスラエルは2023年時点で新鋭のメルカーバーを400両、運用していた。他にマーク3以前の旧型が900両ほど後備装備として倉庫保管されていた。
 しかしこの戦車と装甲車の数が2023夏のガザ紛争開始以降、おそろしく減耗しているらしいことは、イスラエル政府が次の予算で戦車と装甲車の新規調達のための莫大な金額を計上したことから窺えるのである。

 イスラエルのメディアは自軍のAFV損耗を報道しない。代わりに『パレスチナ・クロニクル』が逐一、報道する。

 ハマスは律儀にも、敵AFVの全損が確認できた場合と、撃破はしたようだがその破壊実態が不明である場合とを、用語上で区別しているので、実情を知りたい外野としては、助かる。

 近年の最も衝撃的な写真報道は、2024-4にメルカーバーの新鋭型である「バラク」の車体が真っ二つにされ、砲塔と車体も完全に泣き別れになり、しかも砲塔の右側サイドの複合装甲の内部結構が露わになっているものだ。片側の履帯の下で炸裂した強力な地雷の戦果だと推定できる。

 ハマスは潤沢に爆薬を消費している(1日に数トン)。それを使って、イスラエル軍の小部隊が侵入したビルまるごとを、あらかじめセットしておいた爆薬で崩壊させるという戦法を、25年から採用しはじめた。

 ガザをめぐる作戦でイスラエル軍のAFVが不足するなどという事態は、かつて、誰も想像もしなかった。万物は変転し続けているのである。

 次。
 「ttps://ja.topwar.ru/」の2025-8-30記事。
  装甲車の燃料タンクが被弾しても、爆発や火災には発展させないようにする方法が、可能性としては、ひとつある。
 それがWFE=「水・燃料エマルジョン」だ。

 SAS=界面活性剤により、水と軽油を混和させ乳化させてやるのだ。

 この方式で水を5%混ぜた「水・軽油エマルジョン」を、10リッター・タンクの中に9リッター入れ、そこにRPG-9をぶちこんでも、発火しないと、実験でわかっている。

 1980年代後半、夏季用ディーゼル燃料77%、水15%、それにTEP-101添加剤を、T-80の燃料槽に9割満たして、そこをT-64のAPFSDSで射撃してみたところ、火災にはならなかったという。

 問題がふたつある。「水・軽油エマルジョン」は、低温環境下で、エンジンにトラブルを起こし得る。夏は、何の問題もないのだが。
 また、エマルジョン燃料は、長期保管しておくことができない。

 解決法として、シリンダーに燃料を噴射する直前に水と混和できないかという発想は、昔からある。しかし、まだ誰も成功させていない。※それだとタンク被弾時の安全という当初目的がどこかへいってしまう。

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 「ttps://ja.topwar.ru/」の2025-8-29記事。
    エルブリッジ・コルビーは44歳にしてトランプから抜擢され、今は国防総省のナンバー2(政治軍事担当)だ。
 第一次政権では、彼は国防総省の副次官補だった。

 コルビーが中共専門家であることは、イェール大から出版された著書『拒否戦略』〔2023-12に邦訳刊あり〕で認められている。
 『ウォール・ストリート・ジャーナル』はこの1冊を2021のベストブックに選んでいる。
 米国の太平洋戦略は、げんざいもだいたい、この線に沿っている。

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エフゲニー・フェドロフ記者による2025-8-31記事。
   ウクライナはドルジバ石油パイプラインをこれまで10度攻撃した。それはスロバキアへのロシア油の供給を止める。ところがじつはウクライナ軍も、スロバキアの石油精製所「スロヴナフト」から軽油を買っているのだ。

 いま、ロシア南部では農場が収穫作業のピーク。このシーズンに軽油は品不足になる。宇軍はそのタイミングを狙っている。
 軽油を値上がりさせてやろうというのだ。

 アメリカ政府は、ロスネフチとルクオイルへの制裁を準備している。

 ロシア政府は、宇軍が長距離特攻機のリモコンにLTEを利用すると疑い、頻繁にモバイル通信を遮断させているが、精油所攻撃に飛んでくるUAVはあきらかに、現地のSIMカードには依存していないようだという。

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 Andrea Petersen 記者による2025-8-31記事「Fiber-Packed Foods Are Hitting Store Shelves. Be Careful, Doctors Say」。
  米国では食品にも飲料にもやたらめったらフィイバーを混ぜて売るようになった。ドーナッツやソーダの中にすらファイバーが混ぜ込まれているのである。それが売れている。

 繊維は炎症を減らすという。医師の警告。ぎゃくに炎症の原因になる人もいる、と。

 原料食物中にさいしょから含まれている天然繊維ならば問題ない。問題になるのは、後から添加されているファイバー類。

 よく使われるのが、チコリーの根から取れるイヌリンだ。
 ジョージア州立大の研究者いわく、イヌリンは動物の免疫システムを変えてしまい、肝臓癌を起こしたりする危険もあるぞと。スタンフォード大の研究者いわく、イヌリンはヒトの肝臓の酵素を変更してしまうと。

 別な研究者いわく。特定の繊維を大量に摂取すると、腸内で、その繊維を好む菌が支配的になってしまう。それはよくないと。

 サプリで繊維を取るくらいなら、1個のリンゴの方がずっとマシだよ、とスタンフォードの先生。


地上から、逆V字形に張った「介錯ロープ」によって、上昇するシングル・ローター機体の「反転トルク」を、高度数十mまで、抑制し続けることは可能だろうか?

 もしそれができるなら、次のような片道自爆型の固定翼特攻機システムが可能になるだろう。
 その特攻機は、電気モーターで1軸のプッシャー・プロペラを回す固定翼機である。
 プロペラは2~3翅である。
 そのプロペラに、巨大な鉛筆サックのように、垂直離陸専用の固定ピッチがついた「大径ローター・ブレード」をすっぽりと上からはめこんで、根もとは爆発ボルトによってスピナーに結合しておく。

 固定翼機の、機首を地面に垂直に突き刺し、尻(プッシャー・プロペラとモーターあり)は天に向けて、「離陸台」に据える。

 モーターを始動すると、「大径ローター・ブレード」のピッチは上昇専用なので、機体が、尻を天に向けたまま、垂直に上昇し始める。
 このとき機首部分からは地面に2本のロープを緊張連絡させ、それが「介錯ロープ」となって、トルクによる機体の反転を抑制する。
 この介錯ロープは、機体が上昇するにつれて、逐次に延ばしてやる。

 高度数十mに上昇したところで、電気指令により、爆発ボルトを作動させ、「鉛筆サック」とスピナーの結合を解除する。
 と同時に「介錯ロープ」も機首から外して落下させる。「介錯ロープ」の機首との結合部は、圧搾空気をバルブ解放することによって強制的に離隔させる軽量なメカにしておく。その機構は何度でも再使用ができる。

 結合が解除された「鞘状」の大型ローター羽は遠心力で吹き飛ぶ。その中から、ほんらいの小径の推進用プロペラが現れる。そのピッチは、機首方向へ機体を押すピッチになっていることは言うまでもない。
 つまりモーターの回転方向は終始同一なのにもかかわらず、スクリューのピッチが、瞬時に逆転するのである。

 機体は重力落下しながら、プッシャー・プロペラによって力強く押される。地面に激突する前に、確実にスピードが乗り、主翼は十分な浮力を生ずるであろう。そこからただちに水平飛行を開始する。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2025-8-31記事「50 km Range, Night Vision: the Hara Drone Strengthens Ukrainian Forces」。
  固定翼UAVでありながら離着陸はクォッドコプター機能を使って場所を選ばず可能な、中距離&夜間用のドローンが「Hara」である。新顔。

 宇軍の「Khyzhak」旅団が調達して、現用し始めている。
 航続レンジは50km。エンジンは電動。

 「Kometa CRPA」という、露軍の墜落UAVから回収したアンテナ(GPSスプーフィングを回避できる)も、こいつに載せることがあるという。


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 Dr. Thomas Withington 記者による2025-8-20記事「Time to Detect Enemy Radios」。
  ※げんざい進行中の最前線のESMを具体的数値を列挙して解説してくれる記事なんて、ないだろうと思っていたら、あるのだ。インターネット環境こそ、真の軍事革命だと痛感するよ。

 ウクライナ軍の最前線のESMは、-105dBmの弱い信号まで、検出する。そのゲインを閾値とし、それより弱い信号はカットしている。
 露軍の無線信号は、容易に探知されている。

 宇軍のESMは、方探の誤差が3度ある。探れる距離は17.5km以下である。
 露軍の砲兵指揮所から12km以内に2個のESMチームが近づくことができれば、露軍の砲兵の現座標を地図上で精密に絞り込める。三角測量法で。

 方向探知機能がない、部隊に普及している無線機が複数個所で、敵の同一周波数を同時に受信するだけでも、やりようによっては、敵の電波の発震源を座標的に絞り込める。

 ※別記事によると、露軍の「オルラン-10」がFPVドローンのリモコン用無線の中継をすることもあるようだ。

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 Christopher F. Foss 記者による2025-8-26記事「Ukraine Support Causes Artillery Dilema」。
  ※おそらく、いま現在のウクライナ軍の砲兵の実勢とその苦境について最も詳しく具体的な数字を挙げてくれた記事。このエリアに関心のある人は、原文を保存し、機械翻訳させてでも熟読するべきだろう。だから、略す。なおタイトル中の「dilema」は「dilemma」が正しい。

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 Nadia K 記者による2025-8-31記事「Ukrainian Ghosts Unit Destroys Russia’s RT-70 Space Comms Hub for GLONASS in Crimea」。
  宇軍が無人特攻機によって、ロシアのGLONASSの地上局のパラボラを破壊した。

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 Leila Miller 記者による2025-8-30記事「Argentina, widely regarded as the global capital of polo, has welcomed cloning and other breeding innovations. But CRISPR is different ―― for now」。
  ポロ競技では馬の優劣がモロに勝負を分ける。アルゼンチンでは、かつて爆発的スピードを誇った「Polo Pureza」という名馬の遺伝子を解析し、CRISPR技術によってそれに似せるようにした「人造馬」たちが増殖過程にある。まだ試合デビューはしていない。

 筋肉の成長を制限するミオスタチン遺伝子。これを発現させないようにしたという。その結果、馬の筋繊維が爆増するのだ。

 アルゼンチンは今日、ポロ競技の世界の首都である。
 競馬界とは違って、ポロ競技世界は、クローン馬を2003から許容している。

 ※むかし、スポーツ競技に焦点を当てた本を1冊書こうとしていたとき、学び得たことがある。それは、人間のあらゆるドーピングは、それが試される前に、馬のドーピングとしてとっくに英国で「治験」が進んでいたのだ。馬で実証されているから、ヒトに適用するのに何の抵抗もなかった。人類はこれまで何千年も、家畜をムチャクチャに改造して、今のように仕上げてきた。その「産業」をいまさら否定できるのかよという話だ。