新手の「ナルコ・テロリズム」は、「食品・食材への麻薬混入」を伴う。

 金正日が拉致を認めて謝罪した2002年に、松江市の沖で、暴力団が雇った遊漁船が、北鮮の貨物船から覚醒剤数百キログラムを瀬取りして密輸入。この密輸グループを、海上保安庁と警察と税関は、日朝会談が始まった直後の2006年になって初めて、摘発開始しているのだが、それはどういう事情なのか、不明きわまる話だった。
 2003から後、同様の密輸の試みはないのか? ふつうに類推して、あるに決まっている。だが、何ゆえか、大量押収例は、ネットでヒットしない。抑止されたのか? それとも、抑止に失敗しているのか? どうにも謎。
 非常に有意義な『新潮45』の連載記事によれば、アディクテド達の「更生」は、統計学的にほとんど期待できない。
 確実な需要があるとなったら、それは北鮮当局には確実なシノギと映る。外貨の貢納金額によって忠誠心競争の勝敗が決まる北鮮体制の内部構造も不変だろうから、習近平が毎年の巨額援助を約束した今となっても、違法薬物の密輸出ドライブを控えるインセンティヴは無いだろう。
 世界のテロ集団の多くが、初めはイキがったことを標榜していても、最後には薬物の商売人に落ち着く。シノギそのものがテロ行為。自分を納得させやすいのかもしれない。
 さらに詳しくは、新刊(PHP新書)『日本転覆テロの怖すぎる手口』で確かめよう!
 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-20記事。
  F-22は、飛行1時間あたり7万ドルのコストがかかる。
 F-16は、その三分の一である。
 F-22の即応稼働率は2017年には49%まで落ちたが、2018年には60%まで回復させた。しかし米空軍の平均である70%には達しない。
 このためF-22パイロットの練度は他機種の乗員より低い。訓練時間が得られない。
 米空軍関係者たちは、次のすごい戦闘機の開発の予算をがっぽり獲得したい。そのためには現役のF-35とF-22が常にマスコミに登場するようにしておく必要がある。納税者へのPRのために。
 そのために、21機からなるF-22スコードロンの中からわずか数機のF-22を選んであちらこちらの「最前線」へ海外出張させることになるが、それをやるためには、スコードロンの抱えている整備兵の半数も、海外へ送り出さねばならぬ。
 この出張編隊が帰還するまでは、スコードロンの本国残留本隊では、ますます飛行訓練時間を抑制されなければならぬ。
 アラスカ基地は、ロシア機をスクランブル邀撃する頻度の高い前線なので、やはり納税者向けPRの必要から、空軍としては常に一定数のF-22を分遣しておかなければならない。ところがアラスカ基地の格納庫は、空調が、南の内地ほど十全ではないのだ。そのために、一度塗ったら10年保つはずのF-22のステルス外鈑コーティングが、アラスカ基地ではいち早く劣化してしまう。この塗りなおし作業は最長で1年もかかる大作業で、そのあいだ、そのF-22は飛ぶことはできない。
 F-16を1時間飛ばすためには、整備班は19マン×アワーを要している。
 これがF-22だと、34マン×アワー。
 ロックマートは当初、なんと言っていたか。10マン×アワー以下で済みますよ、と言っていた。F-22が。
 よけいに手間のかかる理由のほとんどは、レーダー波吸収性コーティングの補修である。
 F-35は、吸収材に頼らない設計にしているおかげで、F-22よりもメンテナンス・コストは抑制できている。