函館市内の我が借家でも、停電は地震の直後には発生していない。

 本日の『北海道新聞』朝刊に奇妙な記事が出ている。北海道内でも、3時07分の地震の直後に停電した地方と、ブラックアウト発生時である3時25分に停電した地方とがあった、と。そして、函館市内の自動スタート式緊急発電機のある病院は、同紙の取材に対して、地震とほぼ同時ぐらいに発電機が起動したとと答えた模様で、そこから記事は、函館市全体の停電が地震直後だったとミスリードしている。いったい道新の函館支局の当直たちは、その時刻に寝ていたのか?
 わたしはもう老人なので近年では毎日、未明の3時前後に自然に目が醒める(よほど疲れていれば4時半にズレ込むときもあるが、それは稀)。あの9月6日も3時00分前後にはすでに起き出していて、通信用PCの前に座って軍事系英文ニュースを拾い読みし始めていた(いつものパターンではまず「スターズ・アンド・ストライプス」を見、そこから「リアル・クリア・ディフェンス」に行き、それから「ストラテジーペイジ」等へ……。記事はすぐに読むのではなく、まずテキストを範囲指定&コピーをしてその日のテキストファイルに収束しておき、朝メシなどの雑用処理後に自室で精読するのだ)。
 すると隣室で寝ている女房の枕元のスマホが「地震です!」を連呼(だんだん音声は大きくなる)するのが聞こえてきた。どこかで大きなP波が発生したためS波が広がる前に警報を発する自動システムだ。たしかに、微かな縦揺れも感じた。
 たちまち、やや強い横揺れが来た。3時08分くらいだ。後で知ったが、函館市では震度5だったという。ウチは借家の一軒屋という気安さがあるため、このレベルの揺れでは正直、精神的に動揺することは、あまりない(プロパンガスの自動閉塞装置も作動していなかった。後で点検したが、目で見える被害としては、書棚の本数冊が、わずかにズレていた程度)。別室で寝ていた子供も、女房があわてて起こしに行くまでは、目がさめていなかったそうだ。
 わたしはいちおうポータブルラジオのダイヤルをNHKのAM局に合わせて、「リアル・クリア・ディフェンス」の注目記事中の「これは」と興味を惹かれるモノを、テキストコピーのために2、3、展開していたところで、停電が来た。
 記憶するつもりで時計を見たわけじゃないが、その時刻は、3時20分のプラスマイナス3分だと思う。後で報道された「3時25分」で合っているとも思ったがこれはどうにも断言はできない。まさかあんな大停電になるとは、その時点で思うわけがない。だから時計を睨んで正確な時刻をメモせねば、などとも考えなかった。
 ともかく、横揺れがおさまってからすくなくも10分間は、電灯線の給電に異常はなかった。地震と停電の間には、十数分間の時間は確かにあったと証言できる。
 停電になると町の様子が気になる。玄関から戸外に出て周辺地域を見回したが、全方位、真っ暗で、ただ、集合住宅のいくつかの窓がほの明るい。おそらくは懐中電灯などの電池式照明であろう。
 我が通信用のラップトップPCは、さる人から戴いた便利なもので、充電池がビルトインされている。町や家が停電になっても、この画面だけは消えず、文書作業やファイル作業は続行できる。フレッツ光のルーターはダウンするから、それから通信しようとしてもダメだが、すでにPC上のウインドウに展開してある記事画面は、残っている。
 しかしわたしは停電が2分以上も続くのでこれは長時間停電になるかもしれないとだんだんに思い始め、選んだ数本の記事(スターズアンドストライプス紙にはめぼしい記事がなくて、リアルクリアディフェンスには3本くらいコピーをとって読みたい記事があった)は超ナナメ読みで済ませてコピーなどとらずにPCをシャットダウンし(電池の電力保存のため)、兼ねて用意してある十数本の各種LEDライトを点灯して、真っ暗な屋内の各所に設置する作業の方に、とりかかったという次第である。
 いちおう当事者証言として、ここに残しておく。
 次。
 Patrick Tucker 記者による2018-9-10記事「The Military Now Has Tooth Mics For Invisible, Hands-Free Radio Calls」。
     軍隊のVoice通信用の革新的なマイク&スピーカー。なんと奥歯の裏に装着することができる。
 外側からはヘッドセットも送話器も見えない。したがって街中に潜入した便衣偵察者にはうってつけ。
 口の中に超小型のスピーカーを置いて、それでどうして相手の無線の音声が聴けるのか?
 震動が、歯→頭蓋骨[とうがいこつ]と伝わって聴覚神経まで達するからである。
 耳から聴くのと同じ感覚であり、違和感が無いという。
 このマイクを装着してシリアルを食べると、受信した側では、なんとも旨そうな音が聞けるそうである。
 送信の方式だが、ブルートゥースに似た、暗号化された電磁誘導信号だという。これは傍受を困難にし、水中を透過できる。
 ヘリからホイストで下ろされたレスキュー隊員が、首まで水に浸かった状態でも、この口中特殊マイクによってパイロットと普通に交信できることが、2017の「ハリケーン・ハーヴェイ」を利用した実験にて立証されている。
 次。
 Matthew Cox 記者による2018-9-11記事「Army Orders Emergency Fix on Bad Apache Rotor Blades」。
     アパッチ・ヘリコプターのローターブレードは8個の「ストラップ・パック」ナットで固定されているが、悪天候と臨海地方の塩害が、その留め金の疲労を早めることが、今年、米陸軍によって認識された。
 この2月には、整備兵は、アパッチの飛行前と飛行後に、このストラップ・ナットを念入りに時間をかけて点検するように命令された。
 陸軍とメーカーが到達した結論は、「メガ・ナット」と呼ばれる、より安全を確実にできる「輪っか(collar)」を嵌めること。これでブレードが空中で飛散しないようにする。
 しかし全機にこのレトロフィットが行き渡るのは来年夏になりそうだ。
 米陸軍はあと30年はAH-64を使い続ける。